リクエストが多く、再設計して再販をするつもりのLX3ケースですが、工房の工事も相まってなかなか進まないのですが、もうあと一歩というところです。
底部分のパーツに手縫いの縫い目を入れる刃型を製作いたしました。
これは直線の刃に切断機を使って櫛目を一つ一つ入れていき、それから型紙に合わせて曲げるという結構な手間がかかります。
適当に櫛目を入れていけばいいというものではありません。
何よりも厳格な設計というものが存在します。2.5mm x 2.5mmの目と2mm x 2mmの目が混在しますので、外周寸法から切り分け、寸法を測り・計算して櫛を設計します。
実際に上の刃型を使って、LX3ケースの底部分に押した状態です。
サイドのカーブ部分の櫛目が狭いのがおわかりいただけると思います。全部同じ目の幅だと上手くいきません。
普通は、菱目打ちの10本目、4本目、2本目の幅の違うものを二種類使って、木槌でテンコラテンコラ叩きながらこういう目を入れていくのですが、江戸っ子がそんな悠長なことをやっていると腐ってしまいますので、一発完了ミシン目刃型を作るわけです。
さらに、正しい位置にミシン目を入れるために、ガイドラインの線を入れる治具も削りだして作ります。上の画像は設計したものをレンダリングしただけです。明日削れると思います。これさえ出来上がればやっとすべて完了。
側面のミシンが走るラインを入れる治具はもう作ってあります。
今回は、レーザーではなく、MDX40で樹脂を削り出しました。
治具に革を挟んで圧をかければミシンが走るガイドラインの押しが革の表面に入ります。
ステッチは革製品の命。綺麗なステッチを入れるために、ほとんど気が遠くなるような段取りをしております。