本日LX3用ケースの底部パーツの縫製ガイドラインを打つための治具を削りだし、やっと刃型治具類がすべて揃いました。
さて、せっかくですので、ここで底部パーツの作り方を手順を追って見ていきましょう。
心材と革を貼り合わせたパーツを用意いたします。この長方形を切り出す刃型というものも当店には当然用意してあります。
底板をカットするための刃型をセットします。 この刃型はLX3用ケースでしか使えない、つまり使い回しがきかない特製刃型です。自分で曲げましたけどね。
MAIIIクリッカーでガシャコン!というよりもサクッと一発でカット。
本日削りだした治具を用意します。
底部分のパーツを治具にセットして、MAIIIクリッカーで圧をかけます。
革の表面に押し(ガイドライン)が入りました。
先日曲げた櫛状の刃型をガイドラインに合わせてセットして、これまたMAIIIクリッカーで押します。
お見事。綺麗に手縫いのミシン目が入りました。
ガイドラインが無いと案外正しい位置に押しを入れるのは難しいです。だいたい微妙にずれてイヤな思いをしますが、正しいガイドラインさえ用意されていれば、百発百中で正しい位置にミシン目が入ります。
実はこういう作業は圧力の力加減を手先で調整できるMAIIIのようなハンドクリッカーの方が得意です。特に櫛状の刃型は油圧クリッカーで押しすぎたりすると、パーツが崩壊します。いちいち高さ調整をするのも面倒な話ですので、実際のところMAIIIが一番便利です。
当店の場合、MAIIIの使用頻度が高く、スタッフが使っていて空くのを待っていたりしますので、新しい工房に移ったら、思い切ってMAIIIは2台体制にする予定です。油圧クリッカーも現在使っているものの調子が今ひとつで、こちらもついでに新品を輸入しますので、油圧クリッカー2台+MAIIIハンドクリッカー2台という、当店程度の規模ではあり得ないほど贅沢な環境になる予定です。
大規模な工場でもあるまいし、クリッカー4台常備している工房などそうそう無いですよ。
やっとこれですべての刃型と治具が揃いました。明日、最終の試作をいたします。