2016年11月15日火曜日

ハンドクリッカー2212タイプ完成

試作を続けてきた小型ハンドクリッカーですが、ようやく完成に至りました。



簡単に作っているように見ますけど、試作しては、よろしくない部分を設計し直し、よろしくない部品を交換しながら、かなり試行錯誤をしております。カムを10個削って組み込んで実際に使ってみて、このカムの形状はダメだという時には、正直涙が出ました。削り出しというのは実に金がかかるのです。例えて言うと、1本10円で売っているネジと同じものを旋盤屋に頼んで削り出してもらうとすると、とても10円ではやってくれない、2000円ぐらい出せばやってくれるかも知れない、まあそれと同じです。汎用品というのはとにかく大量生産をするから安いのですが、図面を持っていってこの形で削り出してくれ、公差はこれぐらいでシクヨロ、となるととそういうわけにはいかない、そんな感じです。



最初に68度の回転(直線距離で30mm)で12mmガツンと下げて、150度の回転でじわじわと4.6mm(実質4mm程)下げるという無理のない力のかかり具合です。

最初の12mmのストロークは、カット対象物の出し入れのために余裕を持たせてあるだけで、この12mmではほとんど圧はかかりません。ストローク長と押し圧はトレードオフの理屈が成り立っております。ストロークが長ければ押し圧は出せないです。押し圧を出したいならストロークを小さくする、そういう決して抗えない理屈というか法則です。ハトメ打ちハンドプレスを改造した打ち抜きプレスではストロークが長すぎるので、ハンドルを1mにしたとしても押し圧は稼げないという、まあそういうことです。
そして残りの4mmでカット時の圧をかけております。実際には2mm厚ぐらいのものがカット出来るぐらいの設定です。スポンジなどの柔らかいものは4mmぐらいカットできると思いますが、革だと2mmぐらいが限界だと思います。

いずれにせよ、このカムがハンドプレスの最重要部分で、この設計がよろしくないと打ち抜きが出来るだけのパワーが出ないことになります。

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毎度お馴染みとなりました、溶接屋の田中さんです。
今回、ガッツリ溶接箇所も長くして、更に強度を持たせております。この丸い溶接テーブルは便利でええね。
後ろにある大きな釜は何ですか?と聞いたら、釜ではなくショットブラストだそうです。あの釜の中に入れると、中で回転して小さなブラスト鉄球を対象物に当てるとそういう構造になっているようです。





圧板サイズは220mm x 120mmですが、実質ワンショットでカット出来るのは最大200mm x 100mmという感じです。
今回260mm長の刃型を使いたいというご希望でしたので、裁断板を300mm長で作り、ツーショット(2度打ち)で打ち抜きをしていただく、という想定です。
圧は大体中央部約1.5トン、端800kgという感じです。刃型にも寄りますが、2mm厚の硬いヌメ革がカット出来るかというと、少々難しいです。厚いヌメ革の財布を作るのにはむいていません。

重量は裁断板込みで 25kg。



これは納品をしますけど、もう2台作って、販売店さんに1台、自分用に1台、しばらくテストをしてみます。想定価格は5万円は超えますけど、10万円は全然超えません、そんな感じです。10万円以下で割と気軽に手に入る入門用ハンドクリッカーです。ただ、MAIIIなどの上位機種と比べるとパワーは値段なりであることはご理解ください。値段が1/3なら、仕事量も1/3です。

テーブルは大きい方が力をかけやすいので、450mm x 600mmのものに据え付けてありますが、この木製テーブルを外して、ご自身の作業台に据え付けることももちろん可能です。



その場合は、上の寸法図のようにφ9mmの穴を据え付ける場所に開けていただき、M8ボルト、ワッシャ、ナットで固定をしてください。M8ボルトの長さは、据え付けるテーブルの厚み+55mmでちょうど良い長さになります。



使用上の注意点といたしましては、天板の真ん中付近に刃型をセットして打ち抜きをする、というところです。端にセットしても力はかからないだけではなく、無理をすると機械が壊れる可能性があります。




端を使うのは大きめの刃型を使うときに(上のイメージ参照)、両端に刃型をセットしないとかからない場合のみです。



注油箇所は2カ所(上のイメージ参照)。ミシン油を注してください。油が切れるとカムからきしみ音が出ますので、カムが鳴き始めたら必ず注油を行ってください(1の場所)。
また2の部分はシャフトに油が回るように、多めに油を注してください。
余分な油は天板に垂れてきますので、垂れた油はティッシュやウエス布で拭き取ってください。

販売は販売店さんにテストをしていただいてからになりますが、ご興味のある方は、いつでも info@aki-asahi.comまでお問い合わせください。