2018年2月20日火曜日

古いライカの貼替え

一般的にはあまり受け付けないのですが、馴染みのカメラ屋さんのご依頼とかでカメラの貼替えをやることがちょくちょくあります。古い日本製の二眼レフとか古いライカとかです。ここにあまり載せないのは、その写真に写っている同じタイプの革を売ってくださいという話になるからです。
どうしてそれが嫌なのかというと、とにかく個体差が激しいとか細かなタイプが違っているとかの理由で大概合わないんです。革を売って合わないとなると、「何とか対応をしてくれ」という事になって大変面倒なことになります。だったら最初から「ありません、そんなカメラは見たこともありません」と言って断ったほうが話しが早いんです。

ライカだとII型、I型、スタンダードはもう何度も何度も貼替えをしておりますが、この時代のものは工作精度が悪いのか実に個体差が激しく、同じデータでピタッと合った試しがありません。だいたいネジ位置が微妙に違うとか、マウントの位置が0.3mmほど違うとかもう面倒な事この上ないです。

今回もそんな古いライカです。







III,IIIaっぽいですが、詳しい型番はわかりません。背面にボッチがついているタイプです。私はライカの詳しい型番など興味がありませんし、覚える気もありませんので、なんでこんなものがついているのか私には理由がさっぱりわかりません。
こういう仕事をしているから、カメラがよほど好きなのだろうとちょくちょく誤解されるのですが、ただの商材ですので、別に好きでも嫌いでもないというか、正直カメラにこれと言って興味はないです。ただ、この手の古いライカはさんざん貼替えで面倒な思いをしているので、できることなら世界中からこのあたりの古いライカを根こそぎかっさらってきて、溶鉱炉にぶち込んで存在そのものをこの世から消し去ってやりたいぐらいのものです。

今回も5回ぐらいカットし直してやっと合わせました。このデータが使いまわしできるかというと、私の経験から言うとまず無理です。だからこれを売ってとか言わないでね。どうしてもと言われればもちろん売りますけど、合わなかったとしても私は知りません。