2009年12月24日木曜日

E-P2ケースの試作 その3

今日は、アクリルの型枠作りに取りかかります。



レーザーでアクリル板を削りながら、型枠を作っていきます。
非常に長丁場の作業です。一回削るのに45分かかります。それを3回旋やりますので、半日仕事です。

適切な表現がわからないので型枠と言っていますが、 治具(ジグ)と言った方が適切かもしれません。
基本的には端から2.3mmのところにステッチのガイド線を入れるためのものです。裏革と表革を貼り合わせる時に端を合わせるためにも使います。



E-P1ケースのものですが、型枠を使ってステッチガイドラインを入れた状態です。これに沿ってミシンをかければ、どの製品も基本的に同じステッチラインとなります。
これがないならないで、ミシンの押さえの端を革の端に合わせてミシンを引くという感じで、決して縫えないことはないのですが、やはり正確なガイドラインがあると何の迷いもなくミシンを走らせられます。



透明なアクリルですので、あまりよくわからないかと思いますが、出来上がった型枠画像(上)です。



切削機でもやってみようかと思い、一応3D CADでも引いてみました。 切削機では時間がかかりすぎるため、やっぱりレーザーでやることにいたしました。




 早速、革をカットして押してみました。ネン(押し)が入っているのがおわかりいただけると思います。



そして、ネンに沿って縫製。ガイドライン命という感じですね。



 底板の刃型と型枠はE-P1ケースのものを流用。この部分は全く同じ形状ですから、わざわざ新しく作る必要はありません。ただ刃型の刃が中国製の安物を使ったため、刃の切れが非常に悪いので、これは作り直した方が良いかもなあ、という気がします。自分で曲げても15分ぐらいなのですが、まあその手間が面倒なのです。



E-P1用の底部刃型の製作日が刃型に薄く残っております。 2009年6月28日と辛うじて読めます。もう半年前なのですねえ。




裏革+補強剤はレーザーでカットいたしますので、2D CADデータを作ります。黒い線はカットアウト(切断)線、赤い線はハーフカット線です。ハーフカットというのは、レーザーのパワーを弱くして文字通り素材の半分までカットすることです。

この場合は、裏革(スエード)+補強剤という貼り合わせをカットするのですが、補強剤のみカットして、スエード部分はカットせずに残すという、手でやろうと思ったら気が遠くなるような作業です。レーザーならデータさえ作ってしまえば、勝手にやってくれます。レーザーならではの作業ですね。

曲げる部分は補強剤は要りませんというよりも、曲げる部分にまで補強剤が入っていると、突っ張ってしまって曲がってくれませんので、こういう事をやります。あと端から1mmは補強剤など必要ありませんので、端から1mmの部分もハーフカットして補強剤を剥がしてしまいます。一種の手の込んだ芸みたいなものです。

こんな感じで、店主のクリスマスイブは、仕事に追われながら過ぎていくのでした。
だれか来年からクリスマスというものを、法律で規制してもらえませんかねえ?ローマ法王もこの商業的なクリスマスを苦々しく思っているそうじゃありませんか。