2012年11月29日木曜日

ブドウの革トレー試作


先日の投稿に引き続きブドウの革トレーを試作というよりもまず革を成型するための型枠を削り出します。


設計した3次元のデータは上の通りです。


凸型の荒削りが終わった状態です。この後、エンドミル(切削刃)を交換して仕上げの切削にかかります。


凸型の切削が終了いたしました。
これは、どうなんだろう?この複雑な形状で革を破らずに成型出来るのでしょうか?相当難しそうな感じですが、成型出来たとしたらかなりすごい物が出来そうな気がします。

そして凹型の切削。


2012年11月29日午前8時半。荒削りが終わったところです(前日晩にセットして、夜中にゆっくり削ってました)。これからほぼ半日以上かけて仕上げの切削に入ります。

さあ、果たして本当にこんな形状で革絞り成型が出来るのでしょうか?
ちょっと楽しみでもあります。この形状で革絞り成型が出来るのでしたら、また革製品の自由度が上がることでしょう。


さあ削り上がりました。


絞りやすいライトキャメルを使って絞ってみます。


本当は数時間おかないと形が決まりませんが、とりあえず革が破れないかどうかチェックしたいため、型枠から外してみました。


大変残念なことではありますが、矢印部分が耐えきれなかったようで、破れております。
この部分はフィレットして丸みをつけないといけないようです。

データを修正して、また二日がかりで型枠の切削をします。


しかし、削り直しは時間がかかるため、それはまた今度にして、とりあえず該当部分を手で適当に削って丸みをつけてという超ローテクな誤魔化しをやって、再度絞ってみます。

いずれにせよ、絞り型はこの商品を販売する時点で再度切削し直します。
データだけは直しておきましょう、ということで、破れる部分をフィレット(丸面取り)をします。



ライノで丸面取りを実際にやっているビデオです。この程度でしたらコマンド一発で出来るので、苦労しません。


ブドウの実の部分と言いましょうか、円柱の部分の根本の方もフィレットして、たぶんこれで上手くいくような気がします。あくまで気がするだけで、実際にやってみないことには何とも言えません。

凸型の方のデータはとりあえずそのままで良いです。削り直しはまた今度考えます。

まあ、複雑な形状の革絞りという華やかな大技の裏舞台は、とにかく根気勝負という仕事で、全くもって地味な作業を延々と続けているだけなのです。