2015年2月24日火曜日

草食人間修行

世の中にはベジタリアンという動物性のものを食べないという方々がいらっしゃいます。案外多いらしいです。私はベジタリアンに特にあこがれを持っているわけではありませんが、他の動物を犠牲にしないという事は、まあ良いことではないのかなと思います。では植物は良いのか?というとこれは難しい問題で、ベジタリアンだって米殺しじゃないかとか野菜殺し、果物殺しではないか?と言われると私は他人を納得させる回答を持っておりません。

ただ私は1990年代頃から言われるようになった、「健康な生活をするために一日30品目食べなさい」という話に非常に疑問を持っています。30品目も食べたら速攻で成人病になるんじゃないかという気がします。どうも怪しい話しですよ。というのはウチの婆さんは99歳まで割と元気に生きましたけど、子供の頃は貧しくて豆しか食えなかったと言ってました。30品目とはほど遠い食生活です。彼ら栄養専門家は、まだ恐らく誰も100歳まで健康に生きてないので、それが証明されているとは言えないのです。

世界の長寿地域というのは、大体コーカサス地方にあり、つまりカスピ海周辺のグルジアとかアルメニアとかまああのあたりだね。ウィグルもそうらしい。非常に有名なのはフンザというパキスタンの一地方で桃源郷みたいなところらしいです。長寿って100歳以上で非常に健康という人がゴロゴロしているらしいです。

この長寿地域を日本の医者が調査したところ、彼らには共通点があるらしい。

未精白の麦を使ったナンを主食とする
肉食をしない
茶を飲む
農業従事者
発酵食品(ヨーグルト)を食べる
イスラム教徒

ナンと茶だけで健康に生活している老人もいるらしいです。これは「シルクロード長寿郷」という本が出ているので、ご興味のある方は読まれると宜しいかと思います。

食い物だけではなく、たぶん水も違うんじゃないかなとか、乳児死亡率が高くて丈夫なやつしか残ってないという可能性も否定できませんが、つまりここで栄養学の小理屈は大きく崩れました。30品目も食わせて俺を殺す気か?

肝は未精白の麦を使ったナンにあるような気がしますが、未精白の麦なんて売ってません。仕方がないので玄米で代用します。コシヒカリの発芽玄米を買ってきました。よく考えたら玄米よりも糠だけ食っていれば良いような気がしますが、それはそのうちにやりましょう。しかも糠など捨てるのに困っているぐらいのもので、値段もタダでもってけというものだ。古代中国の楚漢戦争の登場人物で陳平という戦略家も、若い頃貧しく食べるものがなくて糠だけ食って、それでいて実に血色良く健康そうだったと書いてあるのをどこかで読んだ覚えがあります。実際調べてみても糠の栄養価は目を見張るものがあるらしい。そういうものを捨ててるんだな。

というわけで体に異常が出たら中止という実験ですが、朝晩は玄米粥だけの生活を三週間続けました。でも玄米だけだと腹が減るので、大豆も一緒に入れて粥にしてます。異常が出た頃にはもう遅いという可能性もありますが、実は玄米だけ食って生きている人も私ではなく案外存在するようです。とにかく栄養の常識に対するチャレンジだ。

体にこれと言って変化はまだありませんが、体が軽くなったのは確かです。これは体重が5kgぐらい減ったからです。元々63kgで中肉で太っておりませんが、5kgなら許容範囲でしょう。50kgにまでなると、ちょっと危険水域に入ったかなって気がしますが、まだまだ大丈夫。

玄米は食いつけないと美味しくありませんが、修行者というものはそういうものだと思って3週間もすると、あまり気にならなくなります。元々私はあまり食べ物に執着がないというか、飯を食うなどと言う煩わしいことが自分の人生から省ければこれ幸いってぐらいの人ですから、どうでも良いんです。しかし大豆は美味しいです。でもたまにクロワッサンが食べたくなります。なぜクロワッサンかよくわかりませんが、クロワッサンなのです。

この食生活で何も不便がないって言うのなら、これほど有り難いものはないです。何と言ってもエンゲル係数が極限まで下がります。ということは、いつ仕事を辞めても、ホームレスになっても大して困らない。仕事をしなくても飯が食えるなら収入に必ずついて回る税金というものを払わなくて良いです。それでいて生活保護に頼らなくてもいい。いわゆる無税生活の実現で、ある種理想の人生というか、何と言っても食べるために働かなくて良いんですから、ある意味リッチな生活が出来ます。

欲を制することこそ古来修行者がチャレンジしつづけて、大概が失敗した大きな目標だね。食への欲さえ制することができれば、後はもう大したことないような気がします。まあ私は特に宗教を持っておりませんが、そこら辺の肉食大好きな坊さん達をたったの3週間で超越してしまいました。
坊さんどころか、今時日本のおこもさん(乞食)だって、きっともっと良いもの食ってるでしょう。もうおこもさんのレベルも超越。なんというか自分でやっていて、すごすぎてビックリしちゃったよ。

何ともはや、良いことずくめだ。死んだ後の審判でも「私の罪は米殺しと大豆殺しだけです」って胸を張って言える。

ということでベジタリアンになったわけではないけど、玄米+大豆生活者としてチャレンジ中ということです。続けても辞めても引き続きレポートはします。