2016年8月11日木曜日

たまには読書でも

独身の頃は、本を読む時間が割と多かったのですが、結婚をしてからはその時間があまり取れません。まあ仕方がありません。



住んでいるマンションの隣にブックオフがあるので、100円とか200円のコーナーでいくらでも漁ってこられますので、宮城谷昌光さんの本を手当たり次第買ってきました。
ただ問題は、続き物だとすべて揃っているわけではない、ということです。
この太公望は上巻中巻はありました。下巻は見当たらなかったので、アマゾンで補充することにします。しかしなあ、中古本だと下巻だけ高い場合があったりするのです。なかなか人の足下をよく見た商売だなと感心したりします。

この太公望ですが、恐らく私も皆さんと同じように、エサもつけずに釣りをしているノンビリした爺さんぐらいのイメージでしたが、実は斉の始祖だったんだ、、、全然知らなかったです。

しかし!上巻中巻があるならまだ良いのです。上中下の上巻下巻しかない場合、この小説は上巻下巻だけで中巻は存在しないのだ、という誤解のまま、読み進めてしまう事がありうると言うことです。
実際、私の友達は司馬遼太郎の「項羽と劉邦」をブックオフで上巻下巻を見つけて、読み進めたら下巻で前触れもなく韓信が楚漢戦争のスーパースター(国士無双の大将軍)として登場していて、呆気にとられると共に、「韓信の股くぐりの話もなくていきなりか?」と戸惑ったようです。そりゃあ中巻を飛ばせばそうなるだろうなぁ。中巻があるからそれを先に読んだ方が良いよ?と言われて慌てて中巻を買い求めたようです。

それでいて上下巻のみという構成もあるのですから、わかりにくいのは確かです。

そこで、「ブックオフで上巻下巻があるのを見たら、まず中巻の存在を疑え!」
これがブックオフとのつきあい方の一つであると言わざるを得ません。

さらに「奇貨居くべし」は春風篇・火雲篇・飛翔篇がブックオフに置いてあったのですが、どの順番で読めば良いんだよ?数字ぐらいつけておいてくれないかなぁ。調べてみたら、春風篇・火雲篇・黄河篇・飛翔篇・天命篇という順番のようです、、、わかんねえよ、そんなの。

そして、ブックオフとは関係ないのですが、司馬遼太郎さんや宮城谷昌光さんの歴史小説を読んでいると、そのまま司馬史観や宮城谷史観が自然と頭にすり込まれてしまうということです。他に文献を探して精査する程の根気も気力もないので、そうなってしまうのは仕方がないのですけどね。あくまで小説だと言うことはわかっていながら、自然と司馬史観や宮城谷史観のイメージで歴史を理解してしまう、要するに「歴史を色眼鏡付きで見てしまう」わけで、我ながら少々困ったものだな、と思うのであります。

まあそれでも中国の歴史は日本人が好きな三国志だけではなく、あまり馴染みがない春秋戦国時代にもやたら面白い話や人物が存在しているのに目を向けられるのは、新たな世界が広がることだと思ったりもします。

蛇足ながら、司馬遼太郎の「項羽と劉邦」は実に素晴らしい小説です。何がすごいかというと、劉邦のようなダラシなくていい加減で根性ないし教養もない遊び人上がりの男が、どうして天下を取れたのか、書き手である司馬遼太郎さんが最後まで実感としてわからなかった、というところが手に取るように見えるというところです。劉邦は何でも飲み込める大きな袋のような男だとか、もっともらしく涙ぐましい説明を事あるごとにしているのですが、「絶対これ司馬さん自身が共感出来ていないだろう?」(ちなみに私もさっぱりわからないけど)、というこの部分を頭の片隅に置きながら読むと、更に面白く読めるのは間違いないです。どうやら担ぐ神輿は軽い方が良いらしい、何となく理解出来たのはこれぐらいです。