2010年1月31日日曜日

GF1ケース 型枠製作続き

本日、日曜日。また私は例によって休みなどございません。業務用ラジコン飛行機の構造材のレーザーカット依頼も入っており、ダークタンの染めも20個あるという、恐ろしくぎっしり予定が詰まっております。次回私がゆっくり休めるのはいつなのでしょうか。去年は半年ずっと休みなしだったような記憶があります。

引き続きGF1ケース用の型枠製作を続けていきます。



アクリルの板を切り出して接着して型枠を作っていきます。

型枠とは関係ないのですが、方眼紙、これはとても便利ですよ。100円ぐらいで数枚買えます。そしてデスクの作業スペースに合わせてカットした5mm厚ぐらいのアクリル板の下に方眼紙を置けば、便利なカッターマットになります。アクリルですからカッターマットよりも丈夫ですし、方眼紙をずらせば同じところばかりカッター筋が深くなることもありません。たまにアクリル表面を500~1000番ぐらいのサンドペーパーがけすれば、アクリル板はまた平坦に戻りますので、カッターマットよりも長持ちします。市販のカッターマットにご不満のある方は一度お試しあれ。


完成したアクリルの型枠。



アップすると上のような感じで、ステッチラインに沿ってレールが走っているのがおわかりいただけると思います。



型枠に革を挟んで圧をかけると、そのレール部分のライン通りに革に押し(ネン)が入ります。



その押し(ネン)に沿ってミシンをかけると、とても正確なステッチラインを入れることが出来ます。

どれだけミシン掛けに慣れていてもガイドラインがあるというだけで、ミシン掛け作業が楽になります。ガイドラインに沿っていれば、絶対に間違いのないステッチラインが出来るという、大きな安心感です。


もう講釈は結構だから、出来たものを見せろと仰る方、ごもっともでございます。



試作26号。刃型と型枠とレーザーカットを駆使したた製品と同じ工程で作った量産試作です。



試作はしっかりやりましたので、刃型の寸法もカメラにピッタリです。どこも手直しは必要ありません。あとは量産試作を進め、製品のサンプル写真を撮りながら、工程に慣れた時点で販売開始となります。まだE-P1/E-P2ケースのバックオーダーが山のように残っておりますので、そちらを何としても先に済ませないといけませんので、来週ぐらい販売開始になってしまうかもしれません。

2010年1月30日土曜日

GF1ケース 型枠製作

最近だけでもないのですが、E-P1/E-P2ケースが強烈ですので、その他の仕事が滞っておりますが、GF-1も忘れているわけではありません。今日はステッチのガイドラインを入れるためのアクリル型枠作りを行いました。



レーザー加工機45分を4回旋。3時間ちょっとの仕事です。



ズームアップするとこんな感じです。線の部分が凸になっております。また今度完成品をここに載せますが、革を挟んで圧をかけると革の表面に筋が付いて、そこがミシンのステッチガイドラインとなります。美しいステッチラインを入れるためにこんなに不思議な治具まで作らないといけません。
こんなものを製品ごとに用意している馬鹿な業者はそんなにいないと思います。こう言っては何ですが、中には呆れたことにノーステッチの製品(と言えるのかどうか) を堂々と販売している業者までいる始末です。30万円ぐらいの革用ミシンが買えないぐらい困窮しているのかもしれません。困ったものです。

GF-1ケースももうすぐです。2月の第1週には販売開始できると思います。

今日は1月の最終日で、スタッフをつれて慰労会。てっぱん侍という居酒屋。


マスターの横顔はぐっさんに似ているような気がします。



隣のお客さんは堺マチャアキに似ている気がします。



当店スタッフも楽しんでいるようです。






そして、GF-1ケースとも慰労会とも全く関係ないですが、JulianaのWoman Wisdom(CD)。なんかすごいマイナーですけど、今日のBGM。
Youtubeだとこちら

ブライドルレザー入荷いたしました

一昨日東京の革問屋さんに行ったときに、ブライドルレザーを仕入れてきました。

今度は供給も安定しております。なかなかこの手の革は安定供給が難しく、特注でサンプルを作ってもらったりしたのですが、どう見ても素人がパラフィンを溶かして刷毛で塗りました(しかもクローム革にだ)、という感じのものばかりで、なかなか商品として出すには気が引けるものばかりなのですが、今度のものは基材はタンニン鞣しで、きちんとブライドルレザーとして作られておりまして、品質は間違いないです。しかもベンズ(背中から胴体だけの牛革の繊維が詰まっていて良い部分のみ)です。



色はとりあえず先回と同じダークブラウン。ご要望が多ければブラックのブライドルレザーでも作ります。

ただ、革のお値段が高いので大変恐縮なのですが、値段に少し乗せさせてください。高級革ですので、なにとぞご了承いただければ幸いです。ケース単品10800円。ネックストラップとリストストラップはセット販売のみ。


とりあえず、一個作ってサンプル写真を撮りました。ちょうどライトタンを縫製していたので、ステッチはイエローです。




 ロウは残してある状態です。これなら無理にバフ掛けをしなくても充分使っていくうちに鏡面仕上げのようになってくると思います。

2010年1月28日木曜日

オレは凄腕ビジネスマン、、、でもない

今日は東京日帰り出張。
Lucris MAIIIハンドクリッカープレスの新たな取引先予定の企業さんに赴いて、現物のデモと商談。
私は営業職の経験とか特にないのですが、Lucris MAIIIを扱うようになってから、何よりも自分が動かないと販路は出来ませんし、ウチには営業マンという気の利いたスタッフもおりませんので、少しばかり自分であちこち営業に回るようになりました。

商談が綺麗にまとまると、自分は意外と営業の才能があるみたいだなあと、大きな勘違いをしてしまう時があります。実を言いますと、革業界ってどこに行っても気さくでいい人たちばかりなのです。だからまず私の話を熱心に聞いてもらえます。今日の企業様も、営業の皆さんが勢揃いして、私のデモというかプレゼンというかを和やかに親身に聞いてくださるわけです。つまり場が温まった状態です。そういう場ですので、私もスムーズにトークが出来るわけです。

まあ、何のことはありません。相手様は私の商品を扱いたいというご希望があり、私の方も相手様に私の商品を扱っていただきたいという、両者のゴールはほぼ一致しているわけですから、細かな折り合いをつけるだけの話です。誰も欲しくないものを強引に買ってもらうとか、そういう目茶な話ではありませんから、そりゃあ誰がやっても普通商談が成立するだろう、というわけであります。もしそれで商談が成立しないとなると、私の人間性に余程の欠陥があるんじゃないだろうか、という話です。

また浅草の革問屋ともなると、カメラ系の業者さんからの話も持ち込まれてくるようで、そちらの方も私のところ(つまりaki-asahi)でやれませんか?という話もあったりして、その話を革問屋に持ち込んだ業者さんというのが、先回Olympusフォトパス感謝祭で私の隣のブースの業者さんで名刺も交換していたところだったとか、意外なところでつながるものだなと、変に感心してしまいました。

東京は名古屋から遠いのですが、なかなか出張というのは得るものが多いもので、新幹線で往復してもそれに見合うというよりも、それ以上の営業成果があるものだと思ったのであります。

そうそう、その革問屋さんで、ブライドルレザーも仕入れてきました。とりあえずは焦げ茶のブライドル。反応が良ければ、黒のブライドルのケースもラインアップしてみます。




で商談後は、日本橋人形町まで足を伸ばし、旧知のカメラ雑誌の編集者さんとコーヒー飲んで、秋葉をぶらついて、コイズミ無線でTang BandのW3-517SB 木製フェイズイコライザ付8cmフルレンジスピーカーを唸りながら買おうか買わないでおこうか散々迷って、ペアで5000円もしないスピーカーユニットを結局買わないという我ながら驚くべき選択をして、




のぞみで名古屋帰還。

日帰り東京往復は結構慌ただしいです。

というわけで、厚物ミシンがひけて、 刃型が作れて、2D CADも3D CADも引けて、英語と中国語が使えて、海外の製造元を丸め込むことが出来て、輸入申告書が自分で書けて、セントレア空港や名古屋港でセルフ通関が出来て、販路も自分で探せて、営業トークができて、海外にも革製品をガンガン販売して、文章が書けて単行本も出して、カメラ雑誌にいい加減な記事も書くという、ビジネスマンだか革職人なのだかよくわからないマルチ人間のわたくし。それがすべてきちんと出来るならスーパーマンですが、どれも見事に適当なレベルの中途半端な店主なのでした。

2010年1月27日水曜日

Lucris MAIII そして大阪ミシンショー



当店が日本地区の総輸入代理店として輸入しているLucris MAIIIハンドクリッカープレス。

たまに「日本に代理店とかはないのですか?」と聞かれるのですが、このオレが正規で日本の代理店をやってるのな。

「信じられない」という顔をされますが、信じようが信じまいが、現実はそうなっているのです。

これは一体何に使う物体だ? という疑問を持たれた方、ぜひこちらのページをご覧ください。


現在、以下の販売店でご購入いただけます。

大阪地区代理店 青春ミシンオンライン(http://www.dangu55.com/)
神戸地区代理店 田中ミシン機工 (http://www.34n.co.jp/)


東京の方で実機を見て購入できるところはないのか?というお問い合わせが多かったのですが、とある大手のレザークラフトメーカーから引き合いがありまして、明日私は東京に商談に行きます。
まだ成立するかしないかは、今のところ何とも言えないのですが、決まれば東京でもご購入いただけるようになります。レザークラフトをやっている方なら、誰でも名前を知っている浅草の大手メーカーです。

青春ミシンさんと田中ミシンさんが快く代理店を増やしても良いよ、と了解してもらえたのは有り難いことです。私が代理店なら、ヤなこったと言いかねません。彼らは太っ腹です。

また、2月の19日20日と 「 大阪ミシンショー&ハンズフェスティバル 」というイベントがあるのですが、そこでも田中ミシンさんがバルダンのブースでこのLucris MAIIIハンドクリッカープレスを展示いたしますので、ご興味のある方はぜひ一度お立ち寄りください詳しくは http://www.omsk.gr.jp/festival/ 私もミシン大好きですから、ぜひ見に行きたいです。


でも、確定申告直前の大変な時期なので、少々日程的に難しいかもしれません。
今、確定申告を計算しているのですが、今年はとんでもない納税額になってしまいそうです。 出来ればずっと気楽な個人事業主でやっていたいのですが、もう法人化しか選択が無いような気がします。





今日も工房は戦闘状態に近いものがありました。ストラップを縫って縫って縫いまくりました。30個近くのダークタンも縫製準備完了です。明日は東京行きなので、ケースの縫製は金曜日にずれ込みます。お待たせして申し訳ございませんが、今日もサボっておりませんので、なにとぞよろしくお願いいたします。

2010年1月26日火曜日

E-P1/E-P2ケース、ダークタン25個追加オーダーいただきました。あざーす、、、

先週末にレーザー加工機が故障して、その修理、そしてスタッフが風邪で休みというトリプルパンチを食らって、日月火曜日とレーザー回しっぱなしでカメラの革を切って切って切りまくって、やっと一息というところで、ダークタンが25個増えておりました、、、。




まだ増えると思いますので、30個分カットしておきます。

当店のE-P1/E-P2ケースは、かなり貼り合わせというのが多いです。上の荒裁ちの状態ですでに本革+0.3mmの心材をすでに貼り合わせて、また心材の表面にゴムのりを塗ってあります。裏革の方はピッグスエード+0.2mmの心材(PET)、そして、スクリーン周りはさらに0.4mmの補強剤(PET)。
何でそんなに心材を挟むのかというと、革を薄い状態でシャキッと、そして丈夫にするためです。ウチのE-P1/E-P2ケースと同じ厚みの革だけでケースを作ったら、普通は革がブヨブヨかタラタラですよ。じゃあ革を厚くするか?となると、デジカメで分厚い革のケースなど、ほとんど誰も欲しがりません。
ユーザーが求めているのは、ある程度薄くて、軽くて、丈夫で、それでいてしなやかで、ある程度シャキッとしていて、それでいて革の手触りが良くて、革としての素材感がある、というものです。
その要件をこなすのは、ほとんど無理難題という気がしますけど、ある程度は心材を駆使することによって何とかなります。

考えてみるとものすごい回数のボンド塗りが必要です。 手でやっていては全く間に合いません。
そんなときいつも有り難いと思うのは、ゴムのり塗り機



上のビデオで解説している人から買いました。薄く均一にゴムのりを塗ってくれます。
これを手に入れる前は、私もヘラでボンドを塗っていたのですねえ。

しかも理想的な薄塗りができますので、手でゴムのりを塗るよりもゴムのりを使用する量が断然少ないです。なのでゴムのりの減りもとても少なく経済的です。ちなみにゴムのりの値段というのが、私もいつも驚くのですが異様に安いです。一斗缶で6000円切ります。ストロング化工というゴムのりでは一端のメーカー製ですよ。メーカーはこれで採算が合っているのでしょうか?いつも不思議に思います。

このゴムのり塗り機で一体年間何時間分の時間を節約出来るのでしょうか。おそらく相当な時間数になると思います。費用対効果が非常に高い機械だと思います。

2010年1月23日土曜日

レーザー加工機 修理編 後半戦

午後3時半頃、スタッフ帰還。



X軸のセンサーだけだと不安なので、Y軸のセンサーもついでに買ってきてもらいます。
型番を調べたら、オムロンの普通に手に入る部品のようです。



このセンサー部分がイカれているようなので交換。
試運転してみましたところ、Y軸のセンサーもおかしいようです。ゼロ点にHomingしません。Y軸のセンサーも交換したら、きちんとゼロ点にHomingしました。



 ガワを組み上げます。



 Z軸のテーブルを目一杯下げ




 アルミハニカムのバキュームテーブルをセットします。



 実際にデータを画用紙にカットしてみます。



 データ通りカットできているようです。

何と、素人がゴチャゴチャやって、直ってしまいました。

しかしよく考えたら何のことはなく、最初からセンサーを交換していれば、30分で直るという話なのでありました。それでもそのうちに断線するであろうX軸のケーブルもあらかじめ交換できたので、めでたしめでたし、なのでした。

 ゼロ点位置だけ多少調整して、販売再開させていただきます。

レーザー加工機 修理編 前半戦

翌朝10時便でX軸の信号ケーブルが届きました。
丁寧なことに、わかりやすい配線図が付属されております。おそらく自分で交換するユーザーが多いのでしょう。



ケーブル、配線図、タイラップ少々が入っております。タイラップは買ってこないといけないなあ、と思っていただけに、気が利いているな、と思いました。多少余分に入れておいてくれたら、さらに有り難かったのですが、本数はキッチリでした。




 X軸に信号を送るケーブルはラダー(尺取り虫のようなやつ)の中に入っております。




まず古いケーブルをサーボモーターのコネクタから外します。




ラダーを固定してあるネジを取り外します。




要らないケーブルですので、あらかじめカットして、ひたすら引っ張って引っこ抜きます。




 実はラダーは一辺が開く、ということに気づき、開けるところはすべて開いてしまいます。




 新しいケーブルの先は(正式な名前はわかりませんが)コネクタが4つついておりますので、それをビニールテープでぐるぐる巻きにしてしまいます。



そのビニールテープで巻いたところにビニモの5番糸を結び、針までつけてしまいます。



ラダーの中にまず糸を通し、糸を引っ張って新しいケーブルを通します。簡単に通ってくれません。
何度も自分を見失いそうになりながらも、根気よくケーブルを通します。
器用さというよりも、慎重さと根気の良さが要求される作業だと思います。どちらも私に欠けていると断言できますが、四の五の言っていたら直りませんので、やるしかありません。



古いケーブルを抜きながら、新しいケーブルに入れ替え、X軸のケーブルがどこにたどり着くのか、たぐっていきます。

配線が間違っていないか確認して、テスト運転。

 X軸の怪しげな動きは昨日と全く変わっておりません。つまり故障したままです。

 要するに、あまり認めたくはありませんが、古いケーブルは全く問題なかったという事実が、ケーブル交換後に判明いたしました。


チーン。永田屋だぁ、永田屋だぁ...沈黙 しばし自分を見失う

固まっているヒマなどないです。そうだメーカーに電話だ

「そうなるとセンサーがおかしいようですねぇ」

(こうやって書いていると誤解されてしまうかもしれませんが、実際のところメーカーさんは結構親切なものです)

「今からウチのスタッフを走らせますので、部品を用意しておいてください」

これが本日(1月23日)午前11時頃。東名高速を走って1時間半もあればメーカーに到着すると思います。なんだかんだでスムーズに行っても帰りは3時頃かな。その間、私はひたすらE-P1/E-P2ケースの手縫い作業。20個以上あります。

そんなこんなで、修理編は後半に続きます。

2010年1月22日金曜日

レーザー加工機故障

突然ですが、悪いニュース。

昨日までたまにエラーを起こしながら騙し騙し動いていたレーザー加工機が故障しました。
X軸の動きがおかしく、X軸Y軸の基点(ゼロ点)の位置にポインターが来てくれません。
メーカーに電話したら、余裕綽々で「X軸の信号を送っている線が断線していますね」ということで、

「器用な方なら、自分で線を交換されますけど、どうしますか?」

と言われ、私は特に器用な方とは自分でも思えないのですが、とりあえず線を送ってもらってトライしてみることにいたしました。構造を見ると、その線はY軸が動くたびに忙しく曲がったり伸びたりするところなので、経年劣化しやすいのでしょう。

おそらく明日、その線が届くと思うのですが、とりあえずレーザー加工機をばらしてコントロールボックスを開きます。六角レンチ1本とプラスドライバー1本で開けてしまいます。

基板やLSIはもちろん私にとってブラックボックスですが、それ以外は案外簡単な構造みたいですね。ぶっちゃけX軸とY軸のサーボモーターに信号を送って複合的に線を描いているだけのようです。まあ実際はもちろんそんなに単純な話でもないんでしょうけど。




ユーザーが勝手にばらして大丈夫なのでしょうか?それにメーカーが言う「器用な方なら、自分で線を交換されます」という、自分で交換したユーザーは実在するのでしょうか?わかりません。

とは言っても、基板を半田ゴテを使って何かをするわけでもなく、配線を交換するだけですので、 そんなに心配することも無いでしょう。ダメならメーカーまで持って行けば良いだけの話です。

「これで直らなかったら、買い換えですねえ 」

と言ったら、メーカーさんはまたも余裕綽々で

「ハッハッハ、こんなことじゃ壊れませんよ」

と言われてますので、まあこの線は経年で断線しやすい箇所なのでしょう。

というわけで、貼り革のカットが多少遅れますが、なにとぞご容赦いただけますようよろしくお願いいたします。

しかしながら、自分が好むと好まざるに関わらず、ブログのお題のように毎日が激闘の連続になってます。この激闘はそのうちに一段落するのでしょうか?一段落したら「風雲ブログ」ぐらいにお題を変えたいのですが、当分無理なような気がします。

E-P1/E-P2ケース激闘

去年はオーダーストップを繰り返していたE-P1/E-P2ケースですが、今年はオーダーストップなしでやっております。ご注文量が減ったわけではなく、新しいスタッフが仕事というか工程に慣れてきて、当店の生産力が上がったからです。

とにかくご注文されたお客様は納品を待っております。多少納期がかかるとはわかっていても、一日でも早く手に入れたいというのが人情というものです。我々も悠長な事はやっていられません。現時点でのバックオーダー分を一気に切り出します。これでバックオーダーをすべて消化できて、GF-1の準備にかかれるか、というとそういうわけにも行きません。毎日結構な量のE-P1/E-P2ケースのオーダーが入ってくるからです(ありがとうございます)。




革と薄い心材を圧着し、再度ゴムのりをゴムのり塗り機で塗って、乾燥させている図です。
まだ荒裁ちの状態です。




油圧クリッカーで本カット。




こんな感じです。革の無駄が少ないのは、大変有り難いです。




重ねると、端は揃います。毎度毎度いちいち重ねて端が揃った画像を載せるのは、「少なくともこの時点までは製品は均一」という我々のテスティモニーみたいなものです。




というわけで、おまけ画像。

2010年1月20日水曜日

GF1ケース 刃型完成

一昨日の月曜日に発注した刃型が、本日上がって参りました。
刃型を知らない方のために説明をいたしますと、刃物をクネクネと曲げたものです。




少々特殊な作り方をしてもらっているので、普通の刃型を作るよりも時間がかかるのですが、2日で届くのは結構仕事が速いです。

普通の刃型を作るよりも二手間ぐらい余分にかかっている割には、お値段は驚くべきものがあります。私に同じ値段出すから、同じものを作れと言われても「オマエ舐めてんのか?その3倍払え」と思わず言ってしまいそうになる価格です。数千円で出来たりすることは絶対にありませんが、この2つの型で数百万~千万超えの売り上げを叩き出す事を考えれば(ホントかい?)、かなり安いと思います。

刃型の費用対効果を一度でも知ってしまったら、革を手裁ちするという行為はアホ臭くてやっていられなくなります。先回の記事でも書いた2D CADもそうですが、案外そこらへんの革工房では刃型を導入していません。刃型を導入すれば年に数百万余分に稼げるのに勿体ないことだと思いますが、逆に言えばウチが年に数百万円余分に稼げているのは、ただ単に刃型のおかげです。だから今後も刃型は普及しないでくれるといいな、と切に願っています。
だから私に「良い刃型屋を紹介してくれ」と言われても、絶対紹介しません。「都合良く楽をしようとするな、自分の足で探せ」と冷たく言い放ちます。きっとそのうちに刃型屋さんに怒られますね。

とは言ってもデジカメケースとなると、きちんとした刃型を作ってもらうには経験が必要です。素人が思いつきで刃型を作ってもまず製作段階で、あそこが合わない、ここが合わないということになります。何と言ってもデジカメケースの場合は寸法が非常にシビアですので、適当にデータを作ってもまずきちんとした刃型が出来上がらないです。結局2回、3回と作り直して、刃型という製品の初期投資に結構な金額がかかってしまうということになります。CADでしっかり設計をして、試作からレーザーカットして、最終的には0.5mm単位でデータを調整しながら試作を進めていく、というぐらいの厳しさがないと、正直難しいと思います。

こうなると後で楽をするために、最初に大変な苦労をするという、よくわからないお話しになってしまいますが、
カッターナイフを使ってフリーハンドでカットした厚紙の型紙で製品を作っています
というのと、
設計はCAD、試作はレーザー加工機、製品は刃型でカットして作ってます
とでは、与える印象がもう天と地ほどの差が出てしまいます。短く言って「別世界とか別次元のお話し」です。

2つ型があるのは、 スクリーン周りを綺麗にミシン掛けするためです。ミシンでステッチを入れた後、四角の別刃型でスクリーン周りをカットいたします。これがスクリーン周りに綺麗にステッチを入れるためのミソです。




あらかじめさび止めのクリア吹きはしてあるのですが、私は「刃型は黒が格好いいと」思っておりますので、つや消し黒で再度吹き付けます。変なこだわりがある割には、塗装は何でも良くて、ホムセンで198円で売っている缶スプレーで吹き付けて自然乾燥をしています。。日付もペイントマーカーで入れておきます。
以前は塗装もメラミン塗料を吹き付けて、オーブンで焼く、という焼き付け塗装をしておりました。焼き付け塗装となると、それはもう丈夫なもので、5年以上前の刃型でも錆び一つありません。最近は刃型の量も多く、もう面倒ですので、缶スプレーに格下げとなってしまいました。やはりあまり使わない刃型は結構さびが来ます。




USB穴の部分は、長辺が真っ直ぐだと綺麗に見えませんので、真ん中をわずかにすぼませております。とても微妙なカーブもきちんと曲げて来ております。プロは大したものです。

2010年1月17日日曜日

GF1ケース 試作3

本日日曜日、午前中はE-P1ダークタンの底部+側面の手縫い14個で半日。
午後からGF-1の試作を進めました。

先回の試作からまた多少時間がかかってしまいましたが、ビューファインダーの部分を合わせるだけですので、ほぼ形状の調整という程度です。3個試作を進めて、Prototype 24号となりました。




毎度お馴染みとなりましたレーザーカットから始まります。試作も最終に近いですので、銀つきのヌメ革を使って試作をいたします。






製作状況は端折って、縫製した状態です。ステッチが汚いのはお許しください。





ストラップに引っかけるフック部分は右手側のみとなります。




USBの穴も開けてあります。


 


後ろ側は、すべてのボタンが露出しているはずです。またビューファインダーもクリアしております。
裏のステッチが汚いのは試作と言うことで許してね。製品だと綺麗になります。

もうこれで完成形でよろしいかと思います。刃型も今週中に発注かけます。来週日曜日もしくはそれ前に時間が取れれば、アクリルの型枠(ステッチラインを入れる)の製作をして、サンプル写真を撮れば、販売できます。もうすぐです。いつもいつもお待たせして申し訳ございません。