2010年3月31日水曜日

第一四半期が終わりました

怒濤の第一四半期が終わったわけですが、もう一年の1/4が終わったのですね。
ほとんどE-P1/E-P2ケースとGF-1ケースの製作に追いまくられて過ぎ去ってしまいましたが、所得税の納税も何とか済ませて、今年第1回目の賞与も払いました。

何と今年当店では、四半期ごとに賞与が出る予定です。まあもらう方からすれば賞与と言えるかどうかは微妙な金額ですが、とにかく4回予定。でもウチがコケたりしたらなくなります。運転資金がショートしかねない状態で、そんな金がどこにあったのかと思いますが、

ああ!今年は家賃を払うのを忘れてたよ

まだ一度も払ってなかった。追い出されないでしょうか。市県民税と事業税を払ってから、まとめて家賃を払うことにします。いきなり第二四半期の賞与は怪しくなってきました。スタッフにドル預金口座を作らせて、USドルで支払うことも考え中。
何と言ってもUSドルが円転したくないレートですので、日本円の資金が底付きそうな勢いの割に、ドルは使わないですからドル売り上げ分は着々と増えております。何かかなり間違った方向に進んでいるような気がします。


何はともあれ、続々と仕事が入ってくるだけで、店主は幸せだと思っております。明日はOEMのHolgaケース20個縫製の予定です。

2010年3月28日日曜日

油圧クリッカー故障

最近、クリッカーのプレス圧が低いな(つまり調子が悪い)と思っていたら、どうも油圧抜けしているのではないかという事で、日曜日なのに悪いねぇ、と思いましたが修理に来てもらいました。

部品の入手に時間がかかるから、悪くすると一週間ぐらい使えないという話です。とりあえず作動油を抜いて、原因を探ってもらいました。


  油圧のポンプが逝かれていたら、最悪の場合直らない可能性がありますと言われました。何と言っても昭和58年製。


 一体何年前だい?という古い機械です。西暦だと1983年、、、ということはだ、、、

2010-1983=27

27年前に製造されたロートルかよ。ちなみに 1983年当時、私は14歳で中学2年。そう考えると、つい昨日のような気もするんですが。いずれにせよ、歴史を感じさせる機械です。ワンオーナーでしょうか?2オーナーぐらい経ていても全く不思議はない年数ですね。朝から晩まで動かされていたり、使われなくて埃をかぶっていたりしていた事もあるかもしれません。27年の間には色々なドラマがあったのでしょう。

なぜそんなに古いものを使っているのですか?と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、私だけがこんなに古い機械を使っているわけじゃあありません。日本の市場に出回っている油圧クリッカーは古いものばっかりです。なぜなら油圧クリッカーはものすごく丈夫なのです。

油圧クリッカーは丈夫すぎて壊れないので買い換え需要がなくメーカーが潰れてしまうというぐらいの機械なのです

これは私が今考えた与太ではありません。誰に聞いてもそう言いますのでウソではないと思います。
メーカーが潰れてしまっていますから新品のクリッカーは供給されませんし、中古のクリッカーが延々と市場を回るだけで特に供給不足にはならないという、言ってみれば小さなマーケットなわけです。新品が欲しければ日本製なら受注生産で3ヵ月待ち、もしくはすぐに欲しければ台湾製。そんな感じです。

製造したメーカーはもう存在しませんので、修理部品供給も期待できません。パッキンが逝かれているぐらいでしたら直るでしょうという、なかなか難しい状態です。


 どうやら問題は、油圧ポンプでもポンプ内部のパッキンでもなく、油圧ホースが裂けて、そこから油圧が抜けているようだという感じです。



 緑の枠内部分が裂けているのがご覧いただけると思います。
 このホースは汎用も汎用。普通に手に入るものですので、明日の晩、新しいホースを用意してきて修理再開となりました。
結局ゴムのメッシュホースという消耗品が壊れただけで、どうやら「油圧クリッカーは丈夫すぎ伝説」は健在のようです。


 とりあえず作動油を抜いた状態ですので、モーターを回すと即焼き付きとなってしまいますので、明日は使用禁止ということで。しかし一週間もクリッカーが止まったらウチはパンクしかねません。もう次から次へと作っても作ってもカメラケースが足りないという状態なのですから。

今年は年始めにレーザーが故障して、今度は油圧クリッカーが故障とトラブル続きですが、次はそろそろミシンかも、という気がしてきました。

2010年3月27日土曜日

三次元測定の入門段階

3Dデジタイザー:MicroScribe G2Xを使って、カメラの型取りをして、貼り革もケースも三次元設計をしてしまおうという壮大なというか、ホントに上手くいくのか?という計画。まずはMicroScribeの扱いに慣れないと話になりませんので、昼休みにコセコセといじるわけです。

今回叩き台のカメラはリコーCX1


肝心のカメラが写っていませんね、、、。


思ったほど簡単な作業ではないです。マウスの代わりにデジタイザーで点を拾いながら、三次元モデリングをしていくという感覚です。慣れてしまえば、結構速くなると思います。ライノの使い方がわかっているかどうかがやはり重要となってきます。




展開出来るサーフェイスでしたら、コマンド一発で2次元図面にしてくれます。
あとはこれをレーザーでカットしてみて、細かい部分を詰めていくという作業になります。

続く

2010年3月25日木曜日

刃型の刃材料

新しい刃材料が届きました。


ちょっと間抜けなバイキングの顔が商標のMartin Miller Viking(Made in Austria)の刃です。
いわゆる「スウェーデン鋼刃型」という曲げ刃型を作るための刃材料です。スウェーデン鋼という割には製造はオーストリーです。もともとスウェーデンのサンドヴィックという鋼材メーカーが曲げ刃型という方式を考案したからそう呼ばれているようです。私の持っている刃曲げ機(フットベンダー)もサンドヴィック製。しかしサンドヴィックは5年前に刃型材料から撤退しました。世界的に見ても刃型市場のパイは大きくないようです。現在、スウェーデン鋼刃型を作る日本の刃型屋さんですと、マーチンミラーとボーラー(どちらもオーストリーのメーカー)の刃を使っているようです。おそらくHai Sharkという台湾メーカーの刃材料を使っているのはウチぐらいのものだと思います。



75メーターのコイル巻で刃が梱包されております。
刃と言っても、焼きが入ったバネ鋼材ですので、専用のケースに入れてからアンワインドしないと、大変なことになってしまいます。

今回の刃は19mm高 x 2.0mm厚 BEPというタイプです。マーチンミラーの規格表を見ると、、、BEPなんて載ってないぞ、、、まあ、いいや。

規格表ページを見ていただくとおわかりいただけると思いますが、刃先の形状がタイプによって違います。何でもないことのようですが、刃先形状はとても重要な意味を持っております。
革の場合、おそらく一般的にはBEというタイプの刃が多く使われていると思います。特に刃の指定をしなければ、まずだいたいBEで刃型を作ってきます。革の銀面から抜くと、カット面がなで肩になるタイプです。このカット面のなで肩形状が革製品に高級感を出します。なぜ「なで肩」に切れるのかというと、そうなるように考えて刃先形状が作られているからです(たぶん)。
革包丁ではこういうカットは出来ません。カット面のエッジが立ってしまいますので、ヘリ落としという道具でエッジを丸くしてやる必要があります。

BEKという刃先形状は、何に使うかというと、硬くて厚いものを抜くときに使います。BEで厚いものを抜くと、真っ直ぐにカットできないからです。微妙に末広がりにカットされてしまいます。あとBEで5mm以上の厚くて硬いものを抜くと、形状によっては刃型に抜いたものが噛みこんで抜けなくなる事が多いです。

刃型(というか刃材料のメーカー)は立派です。用途に応じて、これだけ多くのタイプの刃型をラインアップしているわけです。

今回BEPというタイプもBEKに近いタイプです(のはず) 。ケースの底部分(厚くて硬い)を抜くためにわざわざ買ったわけです。しかも販売単位は75メーター1巻きです。カメラケースの底用の刃型ぐらい刃型屋に頼んでも1個2000円しないと思います。75メーターの刃材料と収納ケースを買ったら50000円は下らないです。小学生の算数が出来ればどちらが得かは一目瞭然。普通刃型屋に頼むだろ、、、。

私は一体何をやっているんでしょうか?

変なところに資金をつぎ込んでいますけど、一応私なりの理由があるのかもしれません。いや、たぶんある。あるに決まっている。

それはおそらく、仕事を通じて自分がスキルアップしたい、だと思います。
ただ革製品を作ってたくさん売るだけの人生よりも、刃型も曲げられるし、押し型も自分で三次元設計して、自分のところで削り出したりできる人生の方が、おそらく面白みが数倍あると私は思います。何と言っても、チャレンジすることがいっぱいあって退屈しませんし。

希にですが、 自分でも刃型を作ってみたいという革職人さんから問い合わせがありますが、30万円ぐらい用意すれば、入門セットぐらいの刃曲げの設備は入手可能だと思います。溶接が必須なのでコンクリート打ちの土間でないと出来ません。西日本ですと神戸湊川のあたりに刃型業界の名物男みたいな人(ブローカー)がいて、その人に頼めば中古でも新品でもベンディングマシンからその他の工具、刃材料から一通りのものが揃います。

その人との連絡方法はというと、うーん、本気でやるつもりなら、どうやってその人を探せばいいか、知恵を絞れば方法が考えつくと思います(Webサイトはありません)。

2010年3月24日水曜日

MicroScribe G2X(三次元計測器)がやってきた

MicroScribe G2X:3Dデジタイザーが本日納品されました。


 早速設置してみます。



USBで接続しただけで、ライノでそのまま認識しました。
とりあえずリンホフでテストしてみます。





上の動画のようなやり方は、一番安直なやり方です。安直なだけに、データはいい加減なものです。



ペン先みたいなものを対象物に直接当てると、そのまま三次元の座標でライノが認識するというのは感動的ですらあります。

例えば、上の画像の真ん中あたりに円がありますが、これなどは、ライノの円コマンドで「3点で円を描く 」を指定して、実際に対象物の円の輪郭3点拾ってやれば、円を描いてくれます。
直線部分は、ライノの直線コマンドで、2点拾ってやれば直線を描いてくれます。
こう書いてしまうと当たり前のことなんでしょうけど、実際の三次元空間と、PCモニタ上のバーチャル三次元空間がシンクロしているという事を目の当たりにすると、それを操作している本人がビックリしてしまうわけです。

これはしばらく楽しめそうです。楽しむために買った機械でもないのですが、道具って本当に面白いね。

2010年3月22日月曜日

すっかりシガーにノックアウトされてしまったのだが、、、

先日チューボと一緒にもらってきた1本のシガー。


この数日、昼休みの楽しみとしてくゆらせておりましたが、だいぶ短くなってしまいました。あと残り3日ぐらいかな、という感じです。

しかしながら、シガーの香り高さと素晴らしい味にはすっかり参りました。本来煙草というのは、これほど美味いものなのだ、ということを40になって初めて知りました。私は今まで20年ぐらい紙巻きを吸ってきましたが、煙草が美味いとか感じた記憶がありません。ただ惰性で吸っているだけです。というか正直紙巻きは不味いな。紙巻きは煙草じゃなくて、煙草らしきものだということに気づいてしまいました。要するに、この20年間私は騙されていたんだ。

今まででも葉巻ぐらい数十本は吸ったことがあるはずなのですが、なぜ今までその旨さに気づかなかったのか?お恥ずかしながら申し上げますと「間違った吸い方をしていたから」です。 紙巻きと同じだけ吹かしたら、そりゃあ美味しくないだろう。コツはとにかくリラックスしてゆっくりくゆらす、そして肺喫煙をしない。

というわけで、紙巻き煙草はもうやめよう。かといってシガーにするわけにもいかない。100本も吸ったら工業用のミシンが買えてしまいますからね。

苦し紛れの折衷案として 「シガーの味がする紙巻き煙草」 


何とこんな滅多に見ない煙草が、通り道の自販機に売っていました。
キャプテンブラック(左)とコイーバ(右)。
キャプテンブラックの方は、バニラ風味、、、却下。そんな風味はいらねーよ。

しばらくはコイーバで、という選択となりました。


 すみません
開け方わかんないんですけど、、、

2010年3月21日日曜日

E-PL1ケースの続き

朝からE-P1/E-P2ケースの縫製をして、昼からとりあえずかかりました。


刃型と側面の型枠は出来上がっておりますので、荒裁ち用の刃型データ・裏革のレーザーカット用のデータ・スクリーン周りの補強材のデータ・補強のステン板用のデータのCAD引き。
ちなみに私が使用している二次元CADは、AR CADというもの。何とフリーです。JWCADの方がユーザー数が多く、知名度も高いと思いますが、正直あれはインターフェイスが古くさく、MS-DOSのノリのままという感じで、どうも私には合わないです(私はDOS時代からのPCユーザーですが)。
革製品を設計する程度の事でしたら、このフリーのAR CADで充分以上に役だってくれます。タダで使わせていただいて、利益まで出させていただいて、何かホントすみません、というかありがとうございます、という感じです。
しかしCADというのはホント便利です。ほとんどマウス操作+テンキー操作少々で正確な図面が描けてしまいます。いつも自分でCAD引きしながら、この便利さに感心します。しかも二次元CADは非常に軽い。
よくあるパターンですが、ウチに設計図持ち込まれるときイラレのデータを持ってこられると、もうだいたいが寸法が支離滅裂で、角の面取りもRではなくベジェで引いてあったりして、もう頭を抱えたくなるようなものばかりです。CADを使えばいいだろう、一体何が気に入らないんだ?と叫びたくなることがしばしばです。

さて、本日曲げた刃は2点。


荒裁ち用の大きなものと、補強用のステン板をカットするための小さな刃型1点。
せっかくですから、実際に曲げている様子をビデオでご覧いただきましょう。



革というのは成牛革の場合、基本的に半頭分が1枚で販売されます(半裁)。だいたい230デシ~大きなものだと300デシ(1デシ=10cm x 10cm)ぐらいですから、結構大きなものです。そこから必要分をカットして使うわけで、普通はさみとか革包丁とか使って必要分をカットしますが、当店の場合、カメラごとに専用で荒裁ち用の刃型を作って持っております。その方が断然効率が良いからです。
ちなみにこの荒裁ち用刃型の使い回しは効きません。要するに上の写真にある刃型は当店のE-PL1ケースにしか使えないわけです。考えてみれば恐ろしく贅沢な話ですが、自分で刃型が作れると刃の原価と自分の労賃だけで作れてしまいます。なので当店の場合、刃型だけは贅沢三昧が出来ます。


油圧クリッカーの脇には、よく使う荒裁ち用の刃型が並べてぶら下がっております。
左からE-P1/E-P2ケース用、先ほど作ったE-PL1ケース用、GF-1ケース用です。




ついでに底部の型枠。点々としている部分が革に押しをつける山です。手縫いステッチのガイドラインの役割となります。

これでE-PL1ケースを生産する治具はすべて揃いました。あとは量産試作を進めるだけとなります。

せっかくですから始めてみましょう。


 荒裁ちした革と心材を貼り合わせて圧着します。


ゴムのり塗り機で裏の面に糊付けしておきます。
山田さん、これホント便利ですよ。


1枚だけですので、MAIIIハンドクリッカーでカットいたします。


刃型でカットされた状態です。


荒裁ち用刃型のおかげで、革の無駄は非常に少なくて済みます。


縁返しのために、縁漉きをします。縁漉き機という便利な機械があります。ちなみにこの縁漉き機ですが、プロは様々な工夫をして便利な使い方をします。以下、青春ミシンさんのビデオを載せておきます。










革漉きというのも奥が深い世界です。革漉き専門のプロがいるぐらいです。

つづく。

2010年3月20日土曜日

毎度、どっちゃりなわけですが

E-PL1ケース、まだですか?というお電話とメールを結構いただくのですが、現状は以下の通りです


毎度毎度なんですけど、E-P1/E-P2ケースとGF-1ケースで大変な量のオーダーをいただいており、優先順位というものがございまして、なかなか難しいところなのでございます。上に写っているのはほんの一部でございまして、毎日激闘の日々でございます。

誤解されるといけませんので、大きな文字で強調させていただきますが、

たくさんオーダーをいただけて、心から有り難いと思っております。
これだけヒットすれば、もういつ死んでも心残りはないです。
でもとりあえず死ぬのは将来の楽しみに残しておくことにして、明日の日曜日も店主は仕事をいたします。

代理店から連絡があって、MicroScribe G2X(三次元測定器)は来週の納品になる予定です。こんなに忙しくて、使う時間があるのでしょうか。しかも頼みのウチの年金生活者は、ちっともライノの教習が進みません。一応毎日PCの前に座るのですが、最近は一日に2時間ぐらいしか教習をやりません。暖かくなって、庭いじりをしたいばっかりのようです。さっさと覚えて、数千万円でも稼げば、そこらへんに売りに出ている市街化調整区域の土地ぐらい、自分の小遣いでポンと買ってやるから、そこで好きなだけ庭いじりでも菜園でもやればいいじゃないかと思うんですけど、もう仕方がないです。

しかしながら私の周りを見渡すと、事業主とか経営者という人は、ほとんどみんな気でも狂っているのではないか、というぐらいよく働くきます。まあ働かざるを得ないんでしょうけど。それを見ているので、私も「さて今年はいつ休みを取ったかな?」というぐらい働いていても、たいして苦になりません。あぁ、あれが普通なんだと、そして私もやっとその普通に近づいてきたのだと。

2010年3月19日金曜日

シガーチューボ、再利用のアイデアはありませんか?

そのうちにシガーケースを作ってみようかと思いまして、葉巻を吸うようなお金持ちの方からチューボを山のようにもらってきました。100本ぐらいあるんじゃないでしょうか(チューボのみ:中身なし、、、)。



高い葉巻はホントに立派なケース(チューボというらしい)に入っていますね。捨てるのは勿体ないです。これって、何か使い道というか再利用方法はないもんでしょうか?何か良いアイデアがありましたら、ぜひ私にお知らせください。これは!というアイデアでしたら何か粗品を差し上げます。

ついでに1本、ダビドフNo2もいただいてきてしまいました。
タバコってこんなに美味いものなのかと感心するぐらい美味いです。お値段を調べたら1本2300円ぐらいみたいですから、これで不味かったら暴れますけどね。

これに比べたら紙巻きタバコなどクズかカスに近い気がしますが、実は葉巻のように肺喫煙をせずに紙巻きを吸うと、ちょっとだけ美味いです。コツは肺に吸い込まない。ほんの少しだけ口に煙を入れる、そして吐き出すときには、少しずつタバコの中に(逆流させる)勢いでゆっくり吐く。これで断然味が違います。
肺喫煙しないので、健康にも良いです。

2010年3月17日水曜日

E-PL1スナップケース in progress

昨日刃型が出来上がって、すぐにケースが出来上がるかというと、そうもいかないです。ウチの場合、なかなか段取りが多いです。

本日は昼からレーザーを占有して、型枠作り。このブログではそろそろ毎度お馴染みとなってきていると思います。


革の表面に ステッチラインのネン(押し)を入れるための型枠です。要するにミシンのガイドラインです。美しいステッチを入れるために、大変な手間をかけてわざわざこんなものまで作るわけです。


 ステッチが綺麗な製品と、ヨタヨタしたステッチの製品を比べたら、お客様に喜ばれるのはどちらかと言われたら、もう今更言うまでもないことだと思います。

美しいステッチラインだからこそ、Aki-Asahiの革製品、そうありたいと思っております。



4mmのアクリルを貼り合わせるときに、案外微妙にずれますので、データにφ2.5の位置合わせの穴を開けておいて、今回手っ取り早く竹串で位置合わせをして貼り合わせます。



我ながらなかなか芸が細かいと思います。



さて、出来上がった型枠に、昨日上がってきた刃型でカットした革を嵌め込んでみます。
刃型の寸法と、型枠の寸法が違っているとピッタリ填りません。毎度の事ですがピッタリです。こうやって寸法通りということが一目瞭然に証明出来てこそ、設計データ通りの正確な刃型と言えます。

ここまで見事に正確なカットが出来るとなると、「革の手裁ちなどアホ臭くてやってられるものではない」ということがおわかりいただけると思います。何と言っても何万枚でもキッチリ同じものが1枚わずか数秒でカットできてしまいます。


型枠のメス型に革を嵌めてオス型をかぶせて、Lucris MAIIIクリッカーで圧をかけます。
こういうときハンドプレスであるLucris MAIIIクリッカーは、ジワッと圧をかけられますので非常に役に立ちます。油圧プレスだと、高さ調整を失敗したりした場合、これぐらいの型枠程度ですと一発で破壊されてしまいます。


革の端にネン(押し)が入っているのがおわかりいただけますでしょうか。まさにこれがミシンが走るガイドラインとなります。これに沿ってミシンを走らせれば、設計通りのステッチが入るわけです。

詰まるところ、当店のやっていることは神秘的な職人技でも何でもなく、工程を一つ一つブレイクダウンして、誰でも理解できる理屈通りに積み上げていっているだけのことです。なので基本的に素人でも出来るようになっております。
おそらく明日から日本語が通じない外人が来たとしても、同じケースが出来るはずです。もちろん行程に熟練したスタッフがやった方が、私のストレスが少ないのは間違いないですが。

トヨタに勤めている知り合いが言いました:「それトヨタ方式だ
それが良いのか悪いのか私にはわかりませんが、、、効率を追求していく(=無駄を省いていく)と、行き着くところはそこなのかもしれません。もちろんこういう方式は私が考案したわけでも何でもなく、私が行っていたかばん屋の社長が、一つ一つの行程を事細かくノートに書き記して、それに沿ってカバンを作っていたのを、私が真似しただけです。


目出度く型枠も完成して、生産開始となるかというと、まだまだそうもいかないんですねえ。
底部用の型枠と、革の荒裁ち用の刃型の製作が残っています。生産前の段取りというか準備が非常に多いのですが、これがきちんとやってあれば、いざ生産に入ったときには、そのスピードはまさに鬼神。

他のケースを作りながらやってますので、すみませんけど、まだ少々お待ちください。

2010年3月16日火曜日

E-PL1スナップケース用の刃型完成

更新が久しぶりですが、書くネタがなかったからです。朝から晩までE-P1/E-P2ケースとGF-1用のケースを作っており、毎日がすてきなルーティーンワークです。

今回、刃型屋さんが混んでいて、一週間ほど時間がかかってしまいましたが、E-PL1スナップケース用の刃型が上がって参りました。


 相変わらずプロは見事な刃曲げです。


 刃はオーストリアのボーラー。薄めの刃ですので非常に良く切れます。実際指などが刃先に触れて切り傷を作ってしまうことなど毎度のことですが、まだ指を落としてしまったりしていないですからラッキーです。

専用刃型を作るとなると、結構イニシャルコストがかかりますが、最近は有り難いことに、発売初日にたくさんのご注文をいただけて、開発費用(試作にかかる材料費と労賃+刃型代金)が回収出来ております。つまり発売後2日目から利益が出ているわけです。これもすべてお客様のおかげです。ありがとうございます。

新しい刃型が出来るとともに、廃棄する刃型も出てきます。
今回廃棄となったのは、E-P1用の刃型とそのステッチラインを入れる型枠です(現在販売しているE-P1/E-P2ケースより前バージョンのもの)。


かなり稼いでくれた刃型ですが、 もう使いませんので勿体ないですけど廃棄です。
1000セット以上は余裕でカットしておりますので、1カットあたりの費用は40円以下です。私がいつも言っている「革の手裁ちなどアホ臭くてやっていられない」を見事に具現してくれた刃型です。お疲れ様でした、そしてありがとうございました。

話は変わって、納税も終わりまして(まだ所得税だけですが)、MicroScribe G2X(アーム型三次元計測器)の購入に進みたいと思います。本日お値段の折り合いが付きましたので、明日注文書を出して、あとは納品を待つ、という進行状況です。

さてこの三次元計測器ですが、一体何に使うのかと申しますと、当店の場合、非常にシンプルです。

ライノ(三次元CAD/モデラー)のプラグインとして、MicroScribe G2Xが直接認識できますので、この計測器でカメラの表面をなぞる。とりあえずはカメラの革を貼ってある部分の輪郭にそってなぞると、そのラインがライノに直接、三次元のラインとしてライノにリアルタイムで線が描かれる、その三次元の線を二次元展開すると、あっという間にカメラ貼り革のデータが出来てしまうわけです。

貼り革の採寸と言っても、35mmフォーマットのカメラぐらいでしたら、それほど手間がかかりませんが、中判カメラ(特に二眼レフ)、大判カメラ(特にリンホフ)となってくると、正確な採寸をするのに一日がかりで、現状では当店は忙しすぎて、お恥ずかしながらお客様の貼り替え依頼をすべて断っている状態です。

三次元計測器→三次元CAD→二次元展開という方法なら相当手間が省けて、お客様からの貼り替え依頼も、すべて当店で「やらせていただきます」と言えます。

おそらく当店は、カメラ貼り革の販売を8年ぐらいやっているのですが、やっとこのレベルに達しようとしております。これもすべて、お客様に当店の商品をご購入いただくというサポートがあったおかげで、大変有り難いことだと思っております。

そして、その計測器オペとCADオペ要員として、現在ライノを仕込んでいるウチの年金生活者ですが、どうもまだライノの肝が今ひとつ理解できないようです。客観的に見て、私の方が数倍物覚えがいいような感じです。うーむ、本当に親子かねえ?と心配になってきました。

2010年3月9日火曜日

ああ納税

申告税額決まりました。
「(しばし沈黙)、、、チーン、、、(黙祷)」

なんだこれ?正直こんな税率見たことないぞ。
去年、当店でお買い上げいただきましたお客様。お客様からいただいた貴重な浄財の数割は、当店を素通りして国庫金として社会に還元されます。ありがとうございました。

あり得ない話ですが、私は運転資金ショート寸前でございます。それでも誤魔化したりせず男らしくスパッと払います。よく考えてみれば、今まで随分と日本社会には厄介になったもんです。小中と9年間もタダで教育をつけてもらって、高校も公立だから内容から見ればタダみたいな費用とも言えます。もらうものだけはもらってあとはすっトボけて、自分だけいつでも得をしていたいというのは人間としていかがなものかと。納税ぐらいでガタガタ文句をいうのも見苦しいもんです。

納税が終わったら資金も怪しいですが、恒例の設備投資の買い物を始めたいと思います。これだけが楽しみで仕事をやっているんです。資金は財政出動という手もありますし。
今年は、三次元測定器のMicroScribe GXぐらいをポチってみようかなという意気込みです。

レーザープロッター(一昨年)、三次元切削機Roland MDX40(去年)に続いて、三次元測定器とくれば、まさにハイテクノロジー路線まっしぐら。その割に仕事は革製品製作販売という、恐ろしくローテクな世界なんですけど、そういうローテクな世界に21世紀の先進技術を無理矢理持ち込んで突っ走ってやろうという変人が一人ぐらいいてもいいんじゃないかなあ。

まあ買ってもいいけど、現状では店主が朝から晩までミシンを引いていて、使うヒマがあまりなさそうなのが頭の痛いところです。その為に70歳の年寄りにRhinoceros(三次元CAD・モデラー)を、これまた無理矢理仕込んでいるわけなのです。

2010年3月7日日曜日

E-PL1スナップケース試作

新しいネットブックをいじり倒して遊んでいるヒマなどなく、早速、E-PL1の試作に取りかかっております。GF-1スナップケースもご注文は山のようにいただいております。今日は日曜日ですが、休んでいる時間はありません。

現状プロトタイプ15号。おそらくあと3つぐらいで形状は完成して、刃型発注ができると思います。







当店のPenライト用貼り革を貼り付けたままでも問題なくフィットするように作っております。
EV-2ビューファインダーも問題なくお使いいただけます。

というわけで、本日はGF-1のケースも作りながら、親父のライノ教習もしながら、E-P1の試作も1個進めました。もうこれで完成形で良いんじゃないかな。試作16号です。


 液晶ファインダー部分のプラスチックは、製品ではザクッとカットされてなくなります。液晶周り3mmほどの部分はこの0.4mm厚のプラが形状保持のために、サンドイッチされるわけです。

2010/03/08(月)追記

本日刃型屋さんにデータを送って、E-PL1用の刃型を発注。
しかし刃型屋さんが忙しく、できあがりが16日火曜日予定という、今までに無かった長期の納期。
カバン業界が新製品ラッシュなのでしょうか。景気が回復しているとも思えないんですが。
というわけで、E-PL1ケースも計画が一週間遅れとなってしまったのでした。

2010年3月6日土曜日

ネットブック SX3KX080AL

工人舎のアウトレットでネットブックが激安という話を聞いて、一台ネットブックが欲しいな、と思っていたところでしたので、飛びついてしまいました。SX3KX080AL というタイプ。

お値段が、何と19800円(+送料2000円)。新品ですよ。佐川の送料ってそんなに高いかと思いますが、まあそういうことは言わないのが大人です。

スペックは以下の通り、少々ショボいですが、送料込んで22000円という恐るべき価格ですから、何も文句は言いません。というかこれ原価は一体いくらよ?

Windows® Windows XP Home Edition SP3正規版
Intel®Atom™ processor Z520 ( 1.33GHz )
メモリ 1GB
HDD 80GB
無線LAN: IEEE802.11 b/g準拠
8.9型ワイド TFTカラー液晶
WSVGA (1024×600ドット)
Webカメラ搭載
ExpressCard/34スロット
約1.1kg(標準バッテリ装着時)

付属品
標準バッテリ
ACアダプタ、ACコード、他


 アウトレット(箱破損品)とありますが、箱はどこも破損しておりません。10台限定って謳っていても、100台でも200台でも売ってしまいそうな勢いです。


 どんどん開けてみましょう。



 小さいノートPCという感じです。


 スーパーキングサイズのタバコの箱と比較です。


 ACアダプタとコード類が少々でかくて邪魔なんじゃないでしょうか。でも値段が値段ですので、文句を言ってはいけません。




 XPが立ち上がります。


 初期設定画面です。

Atom Z520 って、デュアルコアなんですね。低スペックなのにデュアルコア。ちょっと怪しいなと思って調べてみたら、どうも見せかけデュアルコアみたいです。
スーパーπ100万桁は2分ぐらいです。信じられないぐらい遅いですね。ウチの最速マシンだと12秒ですが、そういうことを求めるPCではありません。

仕入れに行った出先で無線LAN借りて、その場で銀行振り込みするとか、Roland MDX40のコントローラーPC代わりにするとか、そういう役に立つと思います。

間違っても、意味もなく街に持ち出してオープンカフェで佇みながら、
「ボクはカフェ人(かふぇびと)だから、こうやって街ゆく人を眺めながら、Webをやるのが好きなんだよね」
といった頭が涌いたような事は言いませんので。


それは良いんですけど、ちょっと負荷かけるとCPU温度が60度とか、大丈夫なんでしょうか。



Operaブラウザだと、こんな感じ。Operaだったらなんとか使えますね。



何と、Rhinoも使おうと思えば使えます。とても使う気にはなりませんが。



AR CADはコマンドのアイコンが半分隠れてしまって使えませんでしたが、Root Pro Cadでしたら、これまた何とか使えてしまいます。しかし画面が小さいと細かいことをやろうとすると非常に疲れます。