2010年9月30日木曜日

フォトキナ デビュー

とても信じられないお話しなのですが、今回のフォトキナでは、オリンパスさんのブースでウチの貼り革が展示されました。

フォトキナですよフォトキナ。 デパートの展示会とかそういうレベルとは完全に次元の違う話です。
かなり以前にですが、日本カメラ博物館で講演をやらせていただいた事があるのですが、これも大変に名誉な事で、これで私も殿堂入りと思いましたが、今回は世界で殿堂入りです。日本と世界で殿堂入りしたら、これはほとんど殿上人と言っても間違いないです。私を見ても誰もそうは思わないでしょうけど。

フォトキナで展示される予定は無かったのですが、せっかく現物があるから、ということで急遽展示したのだそうです。驚きです、というよりも、カメラアクセサリーを作っている業者として、果たしてこれ以上の名誉があるでしょうか?何たる幸運。生きていると非常に希ですが、こういう幸せあったりします。生きていて良かったと思います。もう思い残すことはたぶん無いです。

というよりも、皆さん、オリンパスさんがどれだけ親切な会社がわかりますよね。

現地から送っていただいた写真です。











さて、ステージは華やかなフォトキナ会場から、一気に名古屋郊外の小汚くて見るからに貧乏そうな町工場にスリップします。フォトキナ会場とウチの工房、この2つが同じ時代の同じ地球上に存在していることが不思議だという気さえします。別世界という方が近いです。

大変な名誉を受けたAki-Asahiですが、店主の私は本日も新しい工房でにわか大工をやっていました。これが日本と世界で殿堂入りした殿上人の実際にやっていることです。これで殿上人とか信じろと言う方が無理があると思います。



やっと完成です。外壁も張って塗装もいたしました。
ちょっと雑で素人仕事丸出しDIYのバラック小屋が、我々の新しい事務所というか作業スペースとなります。
あんないい加減な仕事で、よくここまで完成したものだなと作業をした私でさえ感心します。


換気扇もつけたよ。
すぐ北の敷地は建設機械のリース屋です。囲いのトラ柵がまさに建設関連という感じですね。
この建設機械リース屋は、以前毎度毎度利用していた懐かしい場所でもあり、朝一番で掘削機械(ユンボ)をここで借りて4トントラック(キャリア)に積んで現場に走るとかよくやっていました。

建設機械はもう10年以上も乗っていませんけど、たまにちょっと操作してみたいなと思うときがあります。現役の建設機械オペレーターだった頃の私は、下水道の管路掘削をさせたらなかなか上手いオペレーターという評判でしたよ。もちろん私よりも上手い人はいっぱいいましたけど。


換気扇の屋外側にはフードもつけました。



内装も床張りを終えました。もういつでも引っ越し可能です。

本日の出費は、

ペンキ、フロア釘など 約8000円
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現状材料費などの合計、約265000円

何だかんだで材料費は30万円を切っているようです。計上し忘れているものもあると思いますので、30万円ぐらいということで。

去年8畳弱ぐらいの増設をしたときも材料費は同じぐらいだったと思います。今回は完全な屋内ですので、雨風の事を考えなくてもよいわけで、屋根がない分安上がりでした。

2010年9月29日水曜日

LX3用ケース制作中

9月も終わり、ようやく涼しくなり秋が感じられる季節となりました。
というこのブログでは珍しい時候の挨拶ですが、地獄のような夏が終わってちょっと疲れが出てきました。まともに休みを取っていませんから仕方がないんですけどね。


先行注文をいただいた分のLX3ケースに手をつけております。これでやっとサンプル写真が撮れます。
サンプル写真を撮ったら、やっと商品としてリストできます。

何でこんなに時間がかかるのかと申しますと、新しい工房の事務所スペースを自分で作ったりしているからです。
やはり何が困るというと、週に2日ぐらい休みがないと試作を進められないことです。それって休みとは言わないんですけどね。結局何だかんだ働いているわけです。それでも私自身は働けることは有り難いことだと思っております。

工房の工事もそろそろ片が付きつつありますが、明日も変わらず、新しい工房でにわか大工仕事を続けます。

2010年9月27日月曜日

#4044廃番

ライカM6やPentax LXのオリジナル貼り革に非常に近い4044番のメーカー在庫が無くなり、入手不可能となりました。当店での在庫もほぼ残りは無いので、現在ショップページの選択リストから削除しております。
しかしながら、このショッピングカートスクリプトというのも不便なもので、全部のページをいじらないといけないので、革種類の追加と削除は気が遠くなる作業です。何とかならないものでしょうか。

カメラ革メーカーに「再生産の予定はありますか?」と訊いたところ、

「今度ラ○カさんが発注するときまで作らない」

というお返事でした。やっぱりライ○で使っている革だったんですね。

正直なところ、カメラ革(専門)メーカーは、現在カメラボディに革を貼ってあるカメラというものが市場にほとんど無く(デジカメ見ればわかりますよね)、ほとんどボランティアでやっているような状態で、私のような貼り革業者・クラッシックカメラの修理業者さんが細々使っている程度で、これぐらいの需要のために再生産をしないわけです。一回生産するとなると何百万円かかり、売れる量は年間100万円ぐらいかそれ以下となると、ほとんど丸損ですから、まともな会社でしたらやるはずがありません。まあ、次にどこかのメーカーが発注をかけてきたら余分に作っておきましょうか、という感じになるのは仕方がないでしょう。

フィルムカメラを取り巻く状況は、年々厳しくなってきております。時代とは言え寂しいことですねえ。


4044のサンプル写真

2010年9月26日日曜日

工房の事務所スペース製作編 その8

もう何だかんだで1か月ぐらいやっています。


だいぶ完成に近くなってきております。

床は「冬寒くてかなわんから」と奉行相手に強硬に主張して、床を張ることにいたしました。

朝、カインズホームで床を張るための木材一式を購入して、サービスカーで運搬。
4万円ぐらいベニヤと2x2の木材を買って、クレジットカードを通そうとしたら通りません。今月はもはや限度額目一杯になってしまったようです(30万円)。
別に作っておいた法人名義のクレジットカードで通して事なきを得ました。何と言ってもあまり現金を持ち歩きませんので、クレカが通らなければ困ったことになっていました。


昼から床張りの作業。


2x2の角材を井桁に組んでいってベニヤを張る。井桁に組むのは結構面倒です。十字に重なる部分は丸ノコとノミを駆使して加工します。本職はこういう面倒な仕事をどうやっているのでしょうか?



今日は8畳分ぐらいです。約半分ですね。まだ並べただけで床の固定はしておりません。

本日の出費は、

ベニヤ、角材 約40000円
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現状材料費などの合計、約257000円

しかしながら、たかが16畳ぐらいのバラックを建てるのに、何だかんだで金と手間ががかかりますね。

来月8日に光ファイバーの工事ですので、引っ越しは何とか10月中にやりたいところです。


奥の方から撮った工房ですが、撮影場所あたりからバラックの端ぐらいまでの半分は革をストックする棚を作るわけです。そして、油圧クリッカー2台、MDX40、刃型のベンダー、1畳ほどの作業テーブル、ストラップカットマシン、ラフレンボイル縫製機、等を置いたら、もうそんなにスペースが残っていないような気がします。ここ60畳ですよ、、、頭が痛くなってきました。


さて話は変わって、以前ロディアのメモ帳というのを、「こんなもの100円ショップにあるメモ帳と何が違うんだよ?」という気持ち買ってみましたが、100円ショップのものと比べると、紙の厚みが違ってしっかりしているので、結構使いやすいです。


買い物リストを書いて財布に入れておく、という使い方なのですが、長い間財布の中に入れておいてもロディアの方(左側)がよれずにシャキッとして気分が良いです。

2010年9月24日金曜日

LX5用スナップケース試作 その1

LX3用のスナップケースは片が付いて、後はサンプル写真用に作るのみとなりましたので、LX5用スナップケースの試作に取りかかります。




前回LX3用のスナップケースを再設計するときに、ついでにLX5用の刃型も作っておきましたので、これを元に試作をいたします。底部分のパーツです。まず何はともあれ、これが必要です。


プロトタイプ011号。11個目の試作です。
レーザーで切り出しております。


形状といたしましては、ほぼ完成に近いところまで来ております。
あとは細かな部分を調整するという作業が残っております。
細かな部分を調整というのは、本当に文字通り、細かく調整するわけでして、0.3mm設計の線を移動して、カットして組み立てて、という結構気の長い作業です。


外付けビューファインダーには対応いたしません。一応やってみましたが、液晶ビューファインダーの下端がスクリーンにかかっているような状態ですので、スクリーン上の革部分がクリアー出来ません。この点、申し訳ございませんが、ご了承お願いいたします。


LX3とはボタン配置が違いますので、ボタンのえぐり形状もLX3とは違ったものとなります。
ボタン周りのステッチがくどいと思いますので、少しステッチのラインを変更する予定です。


USB穴もストラップラグ部分のえぐりの下端からクリアランスが取れませんので、USBもふさぐ格好となります。カメラが小さくなればなるほど制限が多いので、設計には苦労します。

本日はここまで。
また折を見て試作を進めていきます。

2010年9月23日木曜日

工房の事務所スペース製作編 その7

本日は工事の奉行をしている親父が会社に行ってしまいましたので、店主一人でペンキとローラーを買ってきて、天井と壁の塗りをやりました。


コンプレッサーを持ってきて吹き付けでやれば早いんでしょうけど、コンプレッサーなど移動してくる方が大変ですので、ローラーで手塗りです。一日がかりです。


 だいぶ完成に近づいてきました。おそらく床は元のコンクリのままやらないつもりなのだと思います。冬は寒いから床は欲しいんですけどね。


外壁も張り始めて、だいぶ立派なバラック小屋になってきたという感じです。
そろそろインターネット回線を手配した方が良いですね。Wimaxが良いぞと言われたのですが、やはり安定した光回線が欲しいところです。

本日の出費は、

ペンキ、ローラーなど:約8000円
業務用の掃除機:7000円
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計 15000円

現状材料費などの合計、約217000円


さて話は変わって、革製品を作る場合、工業用ミシンと並んで無くてはならない機械に縁漉き機というものがあります。これがないと縁返しが出来ません。


私の使っているものは台湾メーカー製で、2台持っています。実際は1台しか使わないんですけど、何かあったときの部品取りみたいな感じです。

案外減りそうな丸刃は全然減りませんけど、グラインダー砥石の方が良く減ります。縁漉き機で、刃を研いでも綺麗に漉けないという場合、グラインダー砥石の方が汚れている場合が多いです。ドレッサーで綺麗に砥石を削ってやると刃が良く切れるようになります。

グラインダー砥石とついでに送りローラー(通称 ビヤ樽)も買っておきました。


グラインダー砥石680円。ビヤ樽石:5480円。
ニッピの純正パーツで随分と安いものですね。丸刃も大して高いものじゃないのですが、あと10年は余裕で使えそうですので、まあ今回は要らないと。

こういう一般的にはなじみの全くない機械のメンテ方法もYoutubeにアップロードしている変わった人がいます。青春ミシンの池田さんなんですけどね。


革漉き機・・グラインダー砥石の交換


2010年9月22日水曜日

LX3ケース再設計 ようやく完成

とりあえずフラットブラック+レッドステッチの完成サンプル写真です。


ダークタンとライトキャメルも作る予定でしたが、スタッフが作り方を間違えて、作り直しとなり、また明後日となりました。販売前に失敗をさせておくというのもある意味重要な事でもあります。

去年作っていたタイプのケースよりも、だいぶ良くなったと自負しております。 まあ去年よりも、当店の腕と経験値が上がっておりますので、当然と言えば当然ですけど。

価格は以前予定したように7800円送料込み。ダークタン8800円。ブライドルレザー(ダークブラウン・ブラック)8800円。ストラップはパナのデジカメで毎度の事ですが、ウチのストラップはラグに通らず使えません。ネックストラップでしたら、先がひも状のデジカメアタッチメントをつけて使えないことはないですが、あまり推奨はしません。

サンプルを一通り撮って載せないとショップページで販売しにくいのですが、上のサンプル写真を見て、色とステッチは適当に他のケースのサンプル写真を探して決めるという方は、革素材・ステッチ色・ホック色を明記して info@aki-asahi.com までメールをいただければご注文を受けさせていただきます。

販売の際にご了承いただきたいのですが、フラット系の革では、下の部分に軽く皺が寄ります。


山折りだと皺は入らないのですが、このように谷折りの場合はどうしても皺が寄ります。なにとぞご理解をいただければ幸いです。

2010年9月21日火曜日

LX3ケース再設計、最終試作

本日はLX3ケース再設計バージョンの最終試作です。


側面用の型枠に表革をセットして、スクリーン回りの補強心材とステンの心材を噛ませます。




レーザーで切り出した裏革(インナーのスエード)をセットします。


圧力をかけて表と裏の革を圧着をするとともに、治具に仕込んであるエンボスが表革の表面にステッチのガイドラインの押しを入れてくれます。


 ガイドラインに沿って縫製。ガイドラインに沿ってミシンを走らせる、これだけのことでステッチはシャキッとピシッとに綺麗に決まります。当たり前と言ってしまえば、当たり前なんですけどね。


 側面パーツと底部のパーツを組み上げて縫製。



昨日の投稿で底部パーツのミシン目入れをご覧いただきましたが、底部も綺麗に縫製が決まりました。


ほんのちょっと(約0.5mm)左にずれてしまいました。まあ試作と言うことで。


というわけでこれで完成で良いですね。
あと数個サンプル写真を撮るために実際に作ってみます。

おまけ


LX5とサイズは似ているので、LX3用の革ケースに入ってしまったりします。
ボタン配置と底部形状が違いますのでLX5には使わないでください。

LX3の再設計が方付いたら、即座にLX5に取りかかります。

2010年9月20日月曜日

LX3ケース再設計、最終段階

本日LX3用ケースの底部パーツの縫製ガイドラインを打つための治具を削りだし、やっと刃型治具類がすべて揃いました。

さて、せっかくですので、ここで底部パーツの作り方を手順を追って見ていきましょう。


 心材と革を貼り合わせたパーツを用意いたします。この長方形を切り出す刃型というものも当店には当然用意してあります。


底板をカットするための刃型をセットします。 この刃型はLX3用ケースでしか使えない、つまり使い回しがきかない特製刃型です。自分で曲げましたけどね。


MAIIIクリッカーでガシャコン!というよりもサクッと一発でカット。


 本日削りだした治具を用意します。


底部分のパーツを治具にセットして、MAIIIクリッカーで圧をかけます。


 革の表面に押し(ガイドライン)が入りました。


 先日曲げた櫛状の刃型をガイドラインに合わせてセットして、これまたMAIIIクリッカーで押します。


 お見事。綺麗に手縫いのミシン目が入りました。
 ガイドラインが無いと案外正しい位置に押しを入れるのは難しいです。だいたい微妙にずれてイヤな思いをしますが、正しいガイドラインさえ用意されていれば、百発百中で正しい位置にミシン目が入ります。

実はこういう作業は圧力の力加減を手先で調整できるMAIIIのようなハンドクリッカーの方が得意です。特に櫛状の刃型は油圧クリッカーで押しすぎたりすると、パーツが崩壊します。いちいち高さ調整をするのも面倒な話ですので、実際のところMAIIIが一番便利です。

当店の場合、MAIIIの使用頻度が高く、スタッフが使っていて空くのを待っていたりしますので、新しい工房に移ったら、思い切ってMAIIIは2台体制にする予定です。油圧クリッカーも現在使っているものの調子が今ひとつで、こちらもついでに新品を輸入しますので、油圧クリッカー2台+MAIIIハンドクリッカー2台という、当店程度の規模ではあり得ないほど贅沢な環境になる予定です。

大規模な工場でもあるまいし、クリッカー4台常備している工房などそうそう無いですよ。

やっとこれですべての刃型と治具が揃いました。明日、最終の試作をいたします。

2010年9月19日日曜日

工房の事務所スペース製作編 その6

本日日曜日、また本日もにわか大工仕事を続けます。8時始業。


サッシの枠と勝手口ドアの枠の取り付けです。


サッシの取り付けは2箇所です。元からある窓を合わせると、窓は3箇所という結構開放感がある仕事場になります。



窓のサイズは W1780 x H770。お値段は10800円。そんなに高いものではないです。


元々付いていた洗面台は取り外します。流し台を探してこないといけません。


この縫製機も欲しいという打診がありました。送らないといけないのですが、何と言っても梱包が面倒です。

本日の出費は、

ビス類:約3000円
ベニヤ板:1000円
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計 4000円

現状材料費などの合計、約202000円

とうとう20万の大台を超えました。