2012年5月30日水曜日

OM-D E-M5スナップケースの試作 その1

昨日の記事で書きましたように、X-Pro1の試作が一段落しましたので、OM-D E-M5スナップケースの試作を始めたいと思います。


まずはお馴染み、フラットベッドスキャナでカメラの底部をスキャンしてトレースすることから始めます。

今回、チルトスクリーンで、しかも電源スイッチも妙なところについていたり、親指を引っかける部分もついていたりして、ケースがとても作りにくい形状ですが、まあそうなっているんだから仕方がないですね。
ウチでは初めてとなる、裏はザックリ空いてますという形状のケースになると思います。ケースは三脚ネジ止めです。


ザッとトレースしました。これを厚紙でレーザーカットして、実機の輪郭に合わせてみます。


ほぼ合っているようですので、これで刃型を曲げてみたいと思います。

外周延長は281mm。やはり小ぶりのカメラですので、300mmは超えませんね。


とりあえず刃型を作って、底部切り出し。


そして、側面を設計していきます。
まずはフラットベッドスキャナでフロント部分の読み込み。これを下絵にしてCADで線を引っ張っていきます。
毎度毎度、同じ事やっていますね。特に目新しいことはありません。


最初の一発目ですから、ザーッと大まかに線を引きます。


試作3号。黒い革ですとわかりにくいですが、こんな感じです。


背面ザックリタイプのものは本意ではないのですが、今回カメラの形状からして、それしかできないのでしたら仕方がありません。


補強の金属板をカットするための刃型を先に曲げておきました。これも設計変更になれば作り直しになりますけど、まあいいや。


試作4号です。

2012年5月29日火曜日

X-pro1スナップケース試作 その4

昨日に引き続き、X-pro1スナップケース試作です。今日こそはデータを完成させたいと思います。
今回15個ぐらいで試作終了できるかと思いましたが、何だかんだで結局20個ぐらいは生きそうな感じです。


朝、一番で試作18号を作りました。

で、やっぱり気になる部分があるので、データを修正して試作19号を作りたいと思います。



何だかんだで、試作21号。
今回も随分とたくさん作っては壊してを繰り返しましたね。これで完成です。
このデータで刃型を発注いたします。




さて次は、X-Pro1の合わない部分の刃型を作り直しが届きましたので、貼り革を合わせていきたいと思います。


ほんのわずかに合わない部分は、少々強引な方法ですが、ハンマーで少しずつ刃型を叩いて修正します。思い切り叩くとひずみますので、軽くちょこちょこと叩いて直します。



刃型の修正が終わったので、貼りつけてみました。
何かすごいね。メーカーさんもこういう無茶なカスタマイズを想定してなかったと思います。

これも刃型にゴムを詰めて数日養生が必要で、サンプル写真はそれからとなりますので、私は次の仕事に取りかかりたいと思います。

次はOM-D E-M5の試作に取りかかっていきたいと思います。

2012年5月28日月曜日

X-pro1スナップケース試作 その3

昨日に引き続き、本日もX-pro1スナップケース試作をやって行きます。


底部の形状を0.3mmほど訂正した方が良いだろうと言うことで、再度底部分のパーツを切り出す刃型を作り直します。


これで3個目ですが、試作中に何個作り直そうが構いません。完成してからやり直しとなると、もうこれは大変なことなのです。なので試作中に5個でも10個でも妥協せずに作り直す方が、後々問題が無いのです。


それにしても何度も作り直して、お疲れさんですね。


お次は補強の金属板のデータを作ります。外周寸法 162mm と 174mm という計算結果です。


そして、レーザーで型紙を切り出して、また刃を曲げます。


はい、曲げ終わりました。

では最終試作を作っていきます。


補強の金属板を貼り付けました。これが表革と裏革にサンドイッチされた状態になるわけです。



試作15号です。
結構格好いいと思っているのは、作っている私だけでしょうか?
なかなかすっきりして格好いいですよね?
もう1回試作必要な感じですね。

試作16号。
ほぼ完成なのですが、もう一度だけ試作したいです。


2012年5月27日日曜日

X-pro1スナップケース試作 その2

二週間ぶりぐらいになる気がしますが、X-Pro1の試作を続けて行っていきたいと思います。


まず、底部分の形状が気になったので、まずこの刃型を作り直し。
底部分はカメラケースがきちんとフィットするかどうかの肝心なパーツですので、試作中にたいてい何度かは作り直します。


側面をレーザー加工機で切り出します。

 試作7号です。フロントはAFモード選択のスイッチ穴をまだ開けておりません。

大まかな形状はほぼ決定で、あとは細かい部分を調整していくぐらいです。


USB穴はどうしようかと思いましたが、ちょっと場所的に穴を開けると強度が落ちると思いますので、ふさいだまま作りたいと思います。


ちょっとした工夫ですが、ボタン穴も長方形ではなく、左側はわずかに弧を描くようにカットします。


なぜかその方が真っ直ぐに締まって見えます。視覚効果のマジックですね。



試作9号です。


ここでほぼ午前終了。午後からも引き続きX-Pro1の試作を続けて参りたいと思います。




午後からは、試作も縫製をしながらやって行きます。


試作11号となりました。
フロント右にあるAFモードのスイッチ位置があっていないぐらいで、形状としてはほぼ完成に近いのではないでしょうか。
AFモードのスイッチ位置があっていないのは、革の厚さが違うためです。

再度、細かい部分のデータを詰めて、試作をしてみます。



試作13号、製作途中の風景です。


試作14号。もう完成で良いでしょう。念のため別の革で作ってみて問題が無ければ、刃型を発注いたします。

2012年5月25日金曜日

GR Digital III / IV 用スナップケース完成

とりあえず、刃型・治具類がすべて揃いましたので、1個作ってみました。


上は、GR Digital IIIに装着したサンプル写真です。
マイク穴だけふさがります。


GR Digital IVに装着したサンプル写真です。この4型をベースにしてケースを設計いたしましたので、マイク穴もふさがりません。

今回、カメラへの固定はネジ止めです。またケースを装着した状態で三脚の使用は出来ません。
縦吊りには対応をしておりません。

これで終わりなのではなく、サンプル写真を一通り撮るために、ケースを作りまして、それから販売となります。予定価格は8400円税送料込みです。

2012年5月22日火曜日

Leica M5、3ラグタイプの貼り革採寸続き

昨日に引き続き、Leica M5、3ラグタイプの貼り革採寸です。


昨日は10回ぐらい画用紙をレーザーカットしてデータ合わせをしました。
本日は木の皮を使ってさらにシビアにデータを合わせていきたいと思います。


チェリーウッドでカットして貼り付けました。
伸縮が全くないので、シビアなデータが取れます。




ほぼ合っておりますが、まだ0.1mm程の調整をしたい部分が数カ所ありますので、再度データを調整してカットしてみます。




午前11時頃、昨日データを送って発注した刃型がもう届きました。超特急ですね。ビックリしました。データをメールに添付して発注できるというのは、型紙を持って行ったりする手間と時間を節約できるので、大変有り難いです。

検品いたしましたところ、5つのうち2つの刃型が合いません。修正もしくは作り直しの必要があります。この刃型屋さんにしては非常に珍しいことです。というか、いくら何でも今回のこの刃型が細かくて複雑すぎるんですけどね。



M5の採寸も大詰めです。


ずれているのは、電池ボックスの穴の部分約0.1mmのみで、後はすべて合っております。


裏蓋のデータも取っておきました。


やっと採寸終了です。結構時間かかりました。


2012年5月21日月曜日

レーザー加工機のマイナートラブル

昨日の日曜日は仕事をしようと思ったのですが、土曜日にレーザー加工機の部品が一つ壊れて、レーザーが使えないので休みにしました。


以前も同じ部品が壊れたのですが、X軸のHOME位置を感知するセンサーです。矢印の先にあります。


拡大するとこんな感じです。


EE-SX674という型番です。
Googleでサーチしてみると、オムロン製の、フォト・マイクロセンサ 溝型コネクタタイプ(直流光)というものです。

それほど特殊なものでもないようで、何とAmazonでも入手可能です(リンク)。お値段974円です。
レーザーのメーカーから取り寄せたら4000円弱でした。そのうちにもう一台の方も同じ部品が壊れると思いますので、在庫しておくことにします。


Y軸側のセンサーは、EE-SX672というタイプです。こっちも買っておこう。


と言うわけで、本日の私の仕事は、お客様からお預かりしたM5(3ラグ)革の採寸。
2ラグ用は刃型を以前作っているので、データがあるはずなのですが、どこを探してもデータが無いのです。1から採寸のし直しという悪寒です。
データのかけらのタイムスタンプを見たら、2003年とありました。2003年って、私はもう10年も前からこんな事をやっているのですね。


そして、X-Pro1貼り革の採寸仕上げです。


X-Pro1ですが、グリップの貼り革の採寸を忘れておりましたので、こちらもついでにやっておきます。


図面に寸法を入れて、刃型屋さんにデータを送り、発注完了です。




そして次はライカM5の貼り革採寸をやって参ります。
以前作ったデータが探し出せないので、仕方ありませんからM5 2ラグの刃型を使って画用紙を切り出し、それをスキャンした画像を下絵にして、CADでトレースをしていきます。
2ラグ用のCADデータがあればほんの20分ぐらいの仕事なのですが、データを無くしてしまっているので、2~3時間の仕事となってしまいます。データの管理はしっかりとすべきですね。


まず画用紙を切って、大まかにデータを合わせていきます。


ライカM5の2ラグタイプと3ラグタイプの違いは、唯一このストラップラグがあるかないかだけです。
当てずっぽうの適当にデータを描いてみましたが、4mmほど合っていないようです。再度CADでデータを描き直してレーザーカットいたします。