2014年8月31日日曜日

石膏型の研究

当店では、現状ほぼ本業の片手間ではありますが、革絞り成形ってのをやっています。



こんな感じのもので、革を立体成型するものです。


まずこんな感じで凹凸の型を3次元で設計して、


その凹凸型をCNCで切削して、


出来上がった凹凸型に革を挟み込んで圧をかけて成形をするというものです。


ついでに言うと、こういうカットをする専用の刃型も自分で曲げて作ります。
なかなか気の長い作業です。

凹凸型は現状では樹脂で作っております。
革は濡らして成形します。しかし樹脂の型というのは熱がかけられないので、乾燥に時間がかかるというのが問題です。生産力があまり高くありません。あまり売れてしまうと困る商品なのです。

これを何とか出来ないものかと色々考えてみるのが本日の課題です。


樹脂入り石膏というのが、これは石膏という割りには結構硬くて、普通の石膏みたいにもろくないのです。名古屋市内で入手出来るところを探したのですが探しきれず、瀬戸の工場まで行って25kgを一袋買ってきました。


一度試しに樹脂の型で成形をした革の上からこの樹脂入り石膏で反転型を取ってみます。というか取ってみたのでした。


革の床面なので、反転も汚いですが、それなりに型が取れております。


拡大すると、汚いですね。これは仕方がありませんね。


革の銀面の方も反転型を取ってみます。


これは銀面だけあってなかなか綺麗です。


これで革を挟んでじわじわと圧をかけてみましたところ、割れました、、、。
やっぱり硬い樹脂入り石膏とは言っても、それなりかな、というか表面の平面出しをして、一週間ほどきちんと乾燥させればまた違うかも知れません。

ここで私は閃いたのでした。石膏って色々な種類があって、鋳物用の石膏というのがあるようなのです。温度的にはアルミ鋳造ぐらいならいけるもののようです。鋳物型って砂型ぐらいしか知りませんでしたが、石膏型なんてのもあるのですね。鋳物はまったく知らない世界ですが、色々調べてみると、これが結構面白そうなのです。

樹脂型→鋳物用石膏で反転型を作る→反転型にアルミ鋳物を流し込む→アルミ凹凸型のできあがり(ウマー)

という流れに、もしかしてなるのではないか?恐らくなかなか簡単な話ではないと思いますが、とりあえず知り合いを当たって、アルミ鋳物業者さんを探してみることにします。

これが出来るのなら樹脂型を1回切削しておけば、それほど手間と費用をかけずにアルミの凹凸型ができそうです。石膏などそれほど高いものではありません。
それなら最初からアルミを切削して凹凸型を作れば良いだろう?という意見もあるかと思いますが、私も色々考えていることがあるのです。



さて先日、台湾の15歳の女の子と最近チャットしているという話を書きましたが、先週妙な展開が起きました。
女の子が「ママが話したいっていうからLineに入れてあげて」と言われたのです。親が出てくるというのは、これは色々釘を刺されたり怒られてしまうのかな?とちょっと心配したのですが、嫌だというわけにもいかず、思い切って友達追加したのでした。


プロフィールを見るとこうだ。
何だ何だ?このスイーツ好きの若い娘みたいな背景は。


本人写真らしきものを拡大したところ、
オイちょっとそこのオバサン、いや奥様!これはまた随分と昔の写真を引っ張り出してこられたようですね(ToT)。カメラをもう少しだけ右に振った方が構図としては良いような気がしますけど、まあそんなことは言いません。

それでもアラフォーなので私よりも若いようです。そんなことはどうでも良いんですけどね。
これでだいたいどんな人かわかったような気がする。


いきなり「ニーハオ、オジサン」だとよ、オイこら!ババア、じゃなくて奥様、いきなり他人をオジサン呼ばわりするんじゃねえよ。でもまあその通りなんだからいいや。
この初めての挨拶で、さらにだいたいどんな人かわかったような気がする。

そして、釘を刺されたり怒られたりするどころか、これはちょうど良い暇つぶし相手が見つかった!ぐらいの勢いで、キンコンキンコンとLine鳴らしっぱなしだぞ、、、。ご婦人、あたしはこれでも昼間は仕事をしてるんですけどね、、、。
どこの親も言うことは同じようで「娘はラインばっかりやっている」と愚痴るんですけど、あなたも大概なものですよ?


しかもチャットもこの突っ走り加減です。


何と、娘のビデオまでちょくちょく撮って送ってくる。怪しい日本人に対する警戒心はゼロ。

娘が年頃なので親にあまり色々話さず、私の方には娘が色々なことを話すことを知ってて、どうやら迂回して知りたいような感じです。こうなると、私という何の関係もない第三者が、家族の構成員よりも家族のことをある意味よく知っているという不思議な状態になってしまっております。

この奥さんもまたチャッカリしているというか、「今日は娘はお昼何食べたのかしらねぇ?」なんて聞いてきて、そんな事は本人に直接聞いたらどうですか?と思いながらも「雞腿便當」(鶏肉弁当です)などと私が答えていたりします。

「娘にもうちょっと勉強するように、ちょっとあなたから言ってくれない?」とか、もう自分の旦那にモノを言いつけるぐらいの気軽さで他人を使おうとするんですから、大概私も「調子にのるんじゃねえよ、このアマが」と言いたいところなのですが、
「まあ折を見てやる気を出すように私の方から励ましてみましょう」とか、こんなところでもいつも通りの人の良さを存分に発揮しているのです。

なんか便利に使われてしまっているなあ、とちょっと複雑な気分になってくるのでした。




先日ふとパソコンショップに寄ったら、ちょっと古いですけどAMD FX6100が9000円、さらにレジで1000円引きますって言うから、衝動買いしてしまいました。現状PhenomIIの4コアなのです。


転けたという大変評判の悪いAMD FXですが、私は誰が何を言おうが男らしいAMDのCPUが好きなのです。仕事でメインで使っているのはi7ですけど、メイン機もAMDで組み立てておけばよかったと、大変な後悔をしております。


早速PCを開いて取り替えます。CPUは2年ぐらい前に交換したような気がします。
2コア→4コア→6コアとステップアップしてきました。今度交換するときは8コアですね。


もうスパーッと交換してしまいます。簡単なものです。CPUとCPUクーラー以外は何もいじる必要はありません。


BIOS設定画面を開いて、Cool&QuiteとTurbo Coreを設定しておきます。
Six-Core Processor。実に嬉しいです。


Windowsは1回自動で再起動しただけです。後は何も設定せずにきちんと動いております。
タスクマネージャーも6個グラフがでています。何とも幸せな気分です。8個だったらもっと幸せだろうなぁ。実際のところ6個ついていても、大して必要ではないんですけどね。このPCで6個フルに稼働するのは動画のエンコードぐらいでしょうか。


8640円で大変な満足感。マザーボードの息が長いので、CPUを取り替えるだけですぐにパワーアップできるって、私はやっぱりAMD。

2014年8月25日月曜日

からくり茶運び人形の試作 その14

からくり茶運び人形の試作 その13 の続き


もう一方の半割れ部分を固めましたので、取り外します。


左右を合わせたらとりあえず頭部らしきものになりました。
本来ならつなぎ目はパテで埋めるべきですが、それは後回しだ。


髪を被せたら、なかなかそれなりになりましたけど、、、ちょっと怖いかも。


張り子の方はと申しますと、これはなかなか良さげですよ。もっと薄い習字紙などを使ったほうが良いのかな?試行錯誤が必要ですね。

の文字が泣かせます。

2014年8月24日日曜日

才能を感じる女の子

またまたどこからともなく、チャットの相手をしてくれる若い女の子を釣ってきてしまっているのですが、今度は知り合いの娘さん、と言うことにしておいてくれ。また例によって台湾の女の子。何と15歳だ。


実に可愛らしいです。
これぐらいの年頃というか私もそれぐらいの年頃というのがあったわけですが、色々なことに興味があるのです。外国人の友達とか持ってみたいとか、色々違う文化のことを知りたいとか、そういう年頃なのです。40過ぎてしまうとそんなものはあまりありません。やはり若いうちなのです。

でも問題は言語。日本語を母国語としているなら、日本人ぐらいにしか当たらない。英語って言ったってバイリンガルでもない限り、中学高校で数年授業で習った程度では話せる内容など知れてます。その証拠に日本人で英語が使える人が実際のとろこ実に少ないです。私のように毎日英語のメールでやりとりをしている人間でも、英語で電話がかかってくると気が滅入ります。

またこの娘の場合は母語が中国語で、中国語圏は広いとは言っても、まあ該当するのは華人。似たような文化を知ったところであまり刺激はないのです。それでもっと違った文化となると、言語が壁になるわけですねぇ。例えばこの女の子が日本の文化を知りたいとか、日本人と友達になりたいとか考えると、まず日本語を習わないといけないという、たいそう気の長い話しになるわけです。これだと一体いつになるかわかりません。自分が日本語を覚えずにすましたいのなら、中国語を話す日本人を捜さないといけない。しかし日本人で若くてイケてて中国語が使える男子など、そんなの一体どこにいる?いるとしても一体何人いる?そしてそれを一体どうやって探すんだ?という話だ。結局もっと手っ取り早い方法となると、多少でも中国語で会話が出来るような日本人ならもうこの際何でもいいやと、思い切ってハードルを下げて、私にお呼びがかかるというそういう流れになるのです。

よくぞお呼びいただきました。太鼓持ちの中村でございます。お客様は神様でございます、10代の女の子は女神様でございます。というお座敷がかかった幇間の気分で、調子の良いテケテンテンテンという三味線の出囃子と共に日本一調子の良いような男が登場するのであります。


もう何でも聞いてね、私は知らないこと以外は何でも知っているんですから。と更に調子よく舌が回ること回ること。
まず話しをつなげる小ネタはLineショップで100円で売っている上の舞妓さんスタンプだ。


日本の風景が見たいと言われれば、Google+に置いてある自分の写真ストックから適当に選んで送れば良いです。スマートフォンって便利だな。
気に入った写真はチャッカリと自分のホーム画像に流用していたりします。おじさんはもう大歓迎だ。どんどん使ってね。

話していると、この子は内向的な雰囲気を感じるので、


「あなたもしかして絵を描いたりするのが好きではないか?」

当たり

ちょいと描いた絵を見せてもらえないだろうか?


絶句、、、。これ、本当に自分で描いたの?

私は小中学生の頃、ずっと油絵を習っていて、ある程度絵の善し悪しがわかるような気がするのですが、これは冗談ではなく何かちょっと並々ならぬ才能を感じます。私は大して良い絵が描けなかったです。要するに私は邪念が多すぎるのです。それが正しいかどうかは別にして、私が考えるに絵画は心の表現ですから、私はこんな絵は描けなかったなぁ。というかこんな絵を描きたかった気がします。
もうちょっと詳細を描いたらとか、そういう意見もあるかと思いますが、そういうのは技巧で、また歳を重ねて落ち着いてくればそのうち出来るようになるのです。じっくり詳細まで描き込むなら水彩よりも油絵でしょうから、これは水彩画としてはもう充分作品になっていると思います。

才能があるというのは実に素晴らしいことだと、そう思ったのでした。

からくり茶運び人形の試作 その13

からくり茶運び人形の試作 その12 の続き

前回頭部を作ったら割れたと書いて、再度切削してみたのですが、やっぱり割れるのです。
これは流し込みブロックをもう一つ割ってやらないといかんのだろうということで、前後割りをいたしました。


とりあえず深いことを考えずに、だいたいこのあたりでいいだろうというところでスパッと割ってやります。

そして、何と言っても重すぎますので、中身を空洞にしてやります。


つまり一回り小さい凸ブロック(上画像右端)を作ってやるのです。別に難しいことではなく、3次元縮小してやればそれなりに一回り小さいものになります。Shellコマンドを使っても良いような気がします。
これも経験が無いので、だいたいこれぐらいで良いのではないかな、と言うあたりまで縮小してやります。シェルが厚ければ丈夫でしょうけど、それなりに重くなるし、薄ければ軽量化できますが丈夫さは犠牲になります。どの当たりが最適ラインかということは、これは経験値を積まないとわかりません。

これで、理屈では頭の中に空洞が出来るのです。たぶん現実でも出来るはずです。


切削終わりました。


オッとその前に、前後割りしたブロックに石膏を流し込みますので、流し込んでいる間は枠が広がらないように押さえを作っておきます。レーザーでベニヤをカット。


こんな感じで前後割りした凹のブロックに嵌め込んでやります。


ここに流し込みます。


石膏を流し込んで、凸ブロックを押し込んだ状態。


だいたい30分。半日とか1日とか待っていられませんので、まず凸ブロックから外します。


そして前後割りした凹ブロックを外します。


何と。今回は割れませんでした。遺跡物から進化いたしました。
ただいい加減に攪拌をしているので、気泡が問題です。

気泡を抜くのに生コン(コンクリート)だとバイブレーターというものがあるので、恐らく石膏にもそういうものがあるのではないか?と思って調べてみましたところ、石膏用バイブレーターという歯科用のものがありました。本格的に石膏で頭を作るならバイブレーターを買うことにしましょう。
気泡が入らないように攪拌するなどという面倒なことをするよりも、大雑把な人間のやることだから何をやっても気泡は入るものだと諦めて、気泡を抜く機械を買ってしまった方が手っ取り早い、というのが私の思考方法です。


合わせ目の筋が目立ちますが、これは削れば良いです。


しかもきちんと内部は空洞になって、軽量化されております。

何ともはや、驚きだ。
ついにここまで自分だけでやった。突っ込みどころは満載ですし、まあからくり人形の元データはありましたが、結局自分で3次元でモデリングして、間違っているデータを直して、設計変更して、自分のところでレーザーカットして、頭部も手前でモデリングをして、流し込みブロックを自分のCNCで削り出して、という一連の工程を、すべて半素人みたいな私がやったと言うことになりました。外注一切なし。

皆さんウチの名前を知っていますか?Aki-Asahi Custom Camera Coveringsですよ。カメラとはもう全く関係のないものではないか?まさにその通りなのです。
新しい世界にたった一人でも裸一貫で飛び込んで切り開いていってやろうという反骨精神と気概に満ちあふれているのが、何を隠そうこの私だ、ということになるわけです。まあ、そういう人は案外そこら中にいますけどね。



さて、顔は半分ではいけませんので、今日はもう一方の半分を切削します。
なかなか気が遠くなる作業です。


さてこの切削用の樹脂板ですが、今回35mm厚のものを削っております。この樹脂板が実はなかなか高いのです。しかも厚みのあるものは高いどころか、不思議なことになかなか入手出来ないのです。20mm厚ぐらいのものでしたら普通に手に入るのですが、30mm厚以上のものを1枚2枚で買おうとしても難しいのです。これは私が気の利いた入手先を知らないだけなのかもしれませんが、需要の問題なのかもしれません。何十枚何百枚と使うところが普通の取引先で、1枚2枚というところは取引先にはならないということも普通に考えられます。
30mm厚ですとPP製の業務用のまな板という手もありますが、まな板だと押し型として使うには柔いのです。MCナイロンですか?うちで使うには高すぎ。一個失敗したら数週間は立ち直れません。

また大概のものはそうですけど、こういう材料というものは小分けしたものは妙に高いです。例えて言うならスーパーで鮭の切り身が300円で2切しか入っていないとしましょう。でも一匹丸ごと買うと1500円~2000円ぐらいだったりする感覚と似ていますね。切り身何枚取れるのこれ?まあそんな感じです。


そこでだ。ここは一つ思い切ってトン単位で輸入してやれ、という無茶な行動に突っ走ります。1.5トンぐらいでしょうか。これだと単価はだいぶ安くなります。でも今の調子で切削をしても10年分ぐらいはありそうな感じです。
ここまで単価が下がって在庫に余裕があると、失敗を恐れずにガンガン切削できます。

しかも知り合いの業者さんに話したら50mm厚のものを分けてくれということで、これなら意外と早く在庫が裁けてしまうかも?そんな感じです。

ちなみにブツはPP(ポリプロピレン)ですので、クリッカーの裁断板として使えます。というか元々苦リッカーの裁断板用です。15mm, 20mm 25mm, 30mm, 35mm, 40mm, 50mm厚があります。サイズは1000mm x 1300mm
ご希望がありましたら、ご相談ください。


さて、ここでまた一つ別な可能性を見つけてしまいました。
頭部は重量というのが鬼門ですが、非常に軽い頭部を作る方法として、張り子という選択があるのではないかと、ふと思ったのでした。

からくり人形が出来上がったら、実は組み立てキットとして売るつもりなのです。
なので、頭部も凹型のブロックをつけておいて、自分で張り子をして頭部を作ってください、というのもキット売りとしてなら充分ありでしょう。しかもですよ、凹型のブロックがついているなら、何度でも気が済むまで作り直しが出来ますよ。
用意するのは新聞紙とかの薄い紙と小麦粉だけ。私は新聞を読みませんので、糞忌々しい税務署の書類を使いますけどね。


凹型のブロックは毎度毎度いちいち削り出さなくても、上の画像のように流し込みの升を一回削り出して、そこに石膏を流し込めばいくらでも作れてしまいます。でも石膏じゃあ水に弱いから張り子には向かないかな。ダメならまた別の素材を考えればええです。モルタルを流し込むという力技もあります。

張り子が面倒くせえって言うのなら、軽量紙粘土を100円ショップで買ってきて詰めて乾かせばええですよ。

これは良いアイデアかも知れません。ぜひ一度試してみましょう。