2010年12月12日日曜日

思いついたら一工夫

何かを作るというか、ウチぐらいの規模でも「生産する」と言ってしまっても良いでしょうけど、治具(じぐ)というものがあると何かと便利です。

ちなみにこの「治具」という単語は日本語だとばかり思っていましたが、本来英語の"jig"だそうです。驚いたな。そのJIGという単語を英辞郎で調べてみますと(以下英辞郎からの引用)、

《機械》ジグ、治具{じぐ}◆木工や金工において、穴開けなどの切削加工をするときに工作物を固定したり、穴開けの位置を指示したりする器具の総称。日本語の「治具」は英語の当て字である。

ウチも様々な治具を使います。ウチほど治具をたくさん使って革製品を作る業者があまりないと言った方が良いかもしれません。

何と言ってもだいたいの物が自分のところにある設備で作れますから、何か一工夫出来そうな治具を思いついたら、とにかく何でも良いから作ってみる、そんな感じです。却って非効率だという場合は、廃棄すれば良いんです。


これらはカメラ革ケース底部分のスエードを貼り付けるための治具。この部分のスエードは底パーツとは微妙に大きさを変えてありますので、ほぼ最後の工程で貼り付けます。スエードは伸びますので、手で貼ってもきれいに貼り付けるにはなかなか難しいものがあります。


治具の底にゴム糊(すなわち仮付け接着剤)がつけてありますので、ここにスエードを仮付けしてケースに押し込むと、予定な手間と時間をかけずに、誰でもきれいに貼り付けが出来ると、そういうわけです。

底部分のスエード貼りも熟練すれば上手くなるでしょうけど、それが上手くなったところで人生においては、ほとんど何の意味も意義もありません。そういう下らない作業は、治具が解決してくれます。

治具、万歳です。

まあ使い回しは効きませんので、すべてのカメラケース用に専用の治具を用意いたします。贅沢なものでもあります。