2011年1月23日日曜日

GF2ケース試作 その7

タイトルが「試作 その7」とかなっていますが、もう生産準備のステージです。
本日2011年1月23日、日曜日。午前9時から始めました。平日と比べると少しゆっくり目のスタートです。スタッフが休みの日は私も30分とか1時間とか余計に寝ていられます。それだけが幸せです。


夜中中削っていたわけではありませんが、今朝治具が削り終わっていました。
材料は隣のデッキ工事屋さんでもらってきたハードウッドです。

今日の記事はすごく写真が多くて長いですので、続きを読む方はご注意下さい。






凸のラインが革の表面に押されて、革の表面では凹のライン(押し・ネン)となり、ステッチのガイドラインとなります。


刃型でカットした厚紙を嵌めてみます。
ほぼOKのようです。



凸の部分はレーザーで現在カットしております。


正直、凸型パーツの材料など何でも良いです。高価なハードウッドなど使う必要などなく、MDF4mmを2枚カットして貼り合わせた程度のもので何ら問題は起こりません。一応黒くスプレーを吹いておきます。



凹凸の各パーツを合わせた状態です。ピッタリですね。


凹凸の間に革を挟んで圧をかけると、上の画像のように押しが入ります。これがステッチのガイドライン。
それだけのことをやりたいがために、恐ろしい手間と時間がかかりましたね。
手間はかかりますが、1回作ってしまえばまず壊れたりすることはなく、1000個でもそれ以上でも問題無く使えますので、最初だけの苦労です。



そして次は荒裁ち用の刃型の製作に参りたいと思います。
実際にカットする刃型から4mm大きく作ってみたいと思います。

さて午前中はここまで、刃を曲げるのは、まあ昼からだな(笑)。

そして昼から始めました。


レーザーで型紙となる厚紙をカットします。レーザーで型紙カットなど本職の刃型屋さんよりも贅沢な設備です(笑)。


外周延長は 727mmとCADが計算してくれましたので、多少長めに刃をカット。
少しでも足りないと、刃の継ぎ足しという恐ろしく面等な事になって無性に腹が立ちます。

真っ直ぐの刃を型紙に沿って刃を曲げていきます。


スレート倉庫は寒いです。しかも今日は異様な寒さですから、ファンヒーターで足下だけでも暖めながら仕事をしないと凍えてしまいます。だからウチは灯油ファンヒーターが合計5台と、あちこちにゴロゴロしております。


曲げ終わりました。


裏から見るとこんな感じ。
余分な刃をトリミングして補強桟を溶接して刃型にします。


錆び止めのスプレーを吹いて、カメラ名「GF2」と書いておきます。実は刃型がたくさんあるのでわからなくなります。実際、何に使うのかわからない刃型というのがあったりします。

刃型にはきちんと何に使うものか書いておきましょう。


製作日も書いておくと、後々に良い記念になります。
10年後に見たら、おそらく号泣してしまうでしょう。



本日とあるカメラのカメラレスト用パーツの凹型を朝から削っていたのですが、午後3時半、削り終わりました。これも半日がかりです。すかさず凸型の切削も始めます。今晩11時頃に切削が終わると思います。気の長い話です。

同時にケースの手縫いなんかもやっています。


何でも良いけど、また隣のデッキ工事屋さんからハードウッドを貰ってきてしまったよ。
ホームセンターだとこれが1本1800円ぐらいです。
お礼はランチおごってくれれば良いんだってさ。悪いなぁ。
何か商品を考えて、頑張って切削しよう。

さて、荒裁ち用の刃型が出来ましたので、実際に作って参りたいと思います。


先ほど作った荒裁ち用の刃型でカットした革と心材を貼り合わせて圧着。


革に合わせて本カット用の刃型を載せます。


上から圧をかければ、カットされます。


問題ございません。端4mmを残して本カットされました。

本カットした革と心材を貼り合わせるという方法はダメなんですか?という疑問があるかもしれませんが、それはダメなんです。それでは端が揃いません。すべての端を揃えて貼り合わせることは実際のところ無理なのです。一回り大きくカットして貼り合わせて、その貼り合わせたものを本カットするということで、端(カット面)を揃えられます。

またちょっとのことをやるだけで、刃型を作ったりなんなり、多大な手間がかかっていることがおわかりいただけると思います。これほど手間をかける必要があるのか?という疑問もあるかもしれませんが、その手間をかけないよりもかけた方が、少しぐらい良いものができるのではないでしょうか。

いずれにせよ、荒立ち専用で刃型が用意できるというところにウチの強みがあります。荒立ちごときの事で、普通はなかなかお金を払ってまで刃型は作りたくないんです。私も外注するんでしたら、たぶん作らないでしょう。でもそれを用意すると、やっぱり効率が良いんです。たとえば1年間その効率が良くなった分を合算すると、やはり外注してでも作るべきなのです。幸いウチはこれぐらいの刃型が自前で用意できるので、荒立ち刃型は作り放題なわけです。寸法がシビアでないと困る本断ち用の刃型を外注すれば良いという使い分けですね。

同時に私が「ワンオフ」ものの製作を極度に嫌がるし、実際にやらない、ということもご理解いただけるのではないかと思います。



さてゴタクは切り上げて、制作を続けて参りたいと思います。
スクリーン回りに補強のプラ板を噛ませて、また補強の金属板も噛ませます。


スエード+補強PETのパーツを嵌め込みまして、圧着。



やっと出来ました。


実際に縫いました。ガイドラインがあると、精神的にとても楽です。実際にステッチはきれいに決まりますし。
それは良いのですが、ご覧下さい。このパーツは糸切りは1回のみです。つまりミシンがけが一筆書きのように始点から終点までステッチできております。


側面と底も縫い合わせて、とりあえず完成いたしました。
なかなか良い感じに仕上がったのではないでしょうか?

まだ刃型と治具を2点作らないといけませんが、今週末頃には販売出来たらいいな、という希望です。

仕事は山のように残っておりますが、GF2ケースの先が見えた途端、ちょっとフニャッとしてしまいまして、ちょっと早めながら7時前には帰宅することにいたしました。
久しぶりに自宅で夕飯を食べて、内風呂に入りました。あとはウィスキーを飲んで寝るだけですが、まだ8時前です。どうしよう。