画像で説明すると、上の矢印部分の物体ですね。
これがウレタンのスポンジのようなもので出来ていて、長年の使用で擦れてきてしまい、あまり見栄えの良いものではなくなるのです。所詮ウレタンスポンジですので、元々味気なく、格好の良いものではないです。格好悪いから何とかしようと思ったとしても、こんなところに金をかけたがるユーザーはいないのは間違いないことです。
しかし、こういうどうでも良いようなところこそ何とかしたい、ということで、革の膝パッドを作ってみたいと思います。
こんなものを作るのも、簡単とはいえ三次元で凹凸一対の絞り型を設計して、CNCマシンで削り出して、刃型も30mm高の刃を曲げて、と大変な手間がかかります。絞り型切削・刃型の製作が自分で出来るから手間だけですんでいるのですけどね。こういうことも実際にやろうとしたら、結構な外注費用がかかりますので、思いついて気軽にやってみるということは出来ないんですよ。
しかも、模様を入れる転写型を作るという細かい芸も忘れてはいけません。この模様がないと滑って使いにくいのです。
この際だから、きちんと染めも入れて、ブラッシングして輝かせます。
どうよ、これ?
あまりに気合いの入ったものが出来てしまって、作った本人の私が気絶してしまいそうです。
なぜこの模様か?と言われると困ってしまいますけど、ちょっとビックリさせてやれ、という気分でやっているだけです。
布で作ったカバーを膝パッドに巻いているのは見たことがありますが、こんな立派な膝パッドをつけている仕事人は、おそらくいませんよ。少なくとも私は見たことがないです。
あまりに気合いの入ったものが出来てしまって、作った本人の私が気絶してしまいそうです。
なぜこの模様か?と言われると困ってしまいますけど、ちょっとビックリさせてやれ、という気分でやっているだけです。
布で作ったカバーを膝パッドに巻いているのは見たことがありますが、こんな立派な膝パッドをつけている仕事人は、おそらくいませんよ。少なくとも私は見たことがないです。
うーん、まさに三国一の膝パッド。
仕事人ならここまでやってみたいところです。あなたが仮にミシンを使う人だとして、よその工房に行ったらそこの職人はミシンにこんな膝パッドをつけているのを発見したとしたらどうします?こんなものにまで、この力の入れようか?と、私だったら間違いなく腰を抜かすと同時に、「きっとこの人には勝てない」と、そう思うような気がします。いわば、物事のわかった玄人にだけ理解される、という「まさに粋」というもんです。
そういえば、他人様の雑然とした工房に行ったとき、Jieldeのランプがそこらへんのリサイクル屋で拾い上げてきたような無造作加減で普通にデスクランプとして使われているのを見たとき、かなりの衝撃を受けました。しかもどう見ても昔のJieldeをレストアしたものです。この人はJieldeということをもちろん承知で、わざわざ中古品を探してきて、一見無造作(というよりJielde本来の製図用ランプとして)に使っているんです。何となく勝てないと思いました。
しかし、この転写は凹凸が逆のような気がしますね、、、。マヤ暦の模様というよりも、猿みたいです。
こういう作ったのは良いけど決して売れそうにもないアイテムは、なぜか作るのに気合いが入ってしまいますね。売れないものこそ創作が面白いという一例でした。売るのなら2900円税送料込みって感じかな、ちょっと高いかも、でも欲しい人しか買わないから良いかな。
ウチで売ってもまず売れないアイテムですので、どうしようかな?田中ミシンさんかDANGUMANさんに売り込みにでもいこうか、それとも思い切ってJUKIミシンに売り込みにいこうか、そんな感じですね。
まぁ、別に期待していませんけど、もし扱いたいという業者さんがいらっしゃいましたら、お問い合わせください。模様部分は別のデザインも出来ます。
そして、転写部分を反転させた改良型。
なんと言いましょうか、自分で言うのも何ですけど、ミシンの膝パッドとしては芸が極まってしまった感があります。
皮革オイルを入れて、ブラッシングして、ストッキングで磨いたら、もうピカピカに光るね。光るよ!光っちゃうよ!
しかし、何だなぁ。わかる人にはわかると思うんだけど、こういう変なものを一から10まで全部自分で作ってみると、「世の中にはこんな面白い世界があるんだなぁ」としみじみ思うのですよ。
模様も変えて、ツートンカラーにしてみました。
もうなんだか、大満足なのでした。
せっかく、転写型を作ったので、何か出来ないか?とスタッフに聞いたら、こんなものが出来ました。
何かというと「髪留め」な。
生のままのヌメ革なので、パッとしませんけど、使い込んでいくうちに色が深くなってとか、染めても良いですね。
赤茶で染めたら、ウェスタン風になってしまいました。ナチュラル系女子に好まれるんじゃないでしょうか、というスタッフ談。