革漉き機というものありまして、厚い革を部分的に薄く漉くための機械です。革工房に行くと大概1台ぐらいは端の方に鎮座しております。
うちの場合はそれほど使うものでもないのですが、これが無いと言うのも不便なので、もう15年ぐらい前でしょうか、日本製が高かったので台湾製のものを1台買って使ってきました。
ただ薄く漉くときよく革を巻き込んで革に穴が空いたりするのです。刃が悪いのかなと諦めていましたけど、先日青春レザーミシン工房(http://www.dangu55.com/)の池田さんに聞いてみたところ、革漉き機は刃よりも刃を研ぐグラインダー砥石のほうがある意味重要だから、砥石を日本製のものに交換してみると良い、と言われ、池田さんのところから日本製のニッピの砥石を入手してきて交換してみました。
池田さんいわく、砥石はまだまだ日本製のほうが品質が断然良いということです。
グラインダー砥石って、ただの研磨砂を固めただけのものだろう?そんなものに大きな品質の違いとかありえるのだろうか?と疑いましたが、なんと言ってもこの道何十年とやっている人なので、プロの言うことを素直に聞いて交換してみました。
砥石の交換は割と簡単です。池田さんがビデオで手順を公開されております。
砥石を外してみましたところ、交換したことがなかったようで、もともとの台湾製のものがついておりました。オレンジのほうがニッピ日本製です。
一度、漉き機の刃を新しい砥石で研ぎ直して漉いてみましたところ、漉き具合が断然違う。もう何というかものすごくスムーズだ。刃先が綺麗に研がれている感じがする。
ここまで薄く漉いても穴があかない。
たかがグラインダー砥石だろう?と全く軽く見ておりましたが、砥石の品質というのはある意味刃よりも重要だということに、15年経ってやって気がついたのでした。
実は、革漉き機ごときに高価なサーボモーターまで装着して使い勝手を良くしていたのに、まったくお門違いの努力をしていたようです。サーボモーターは数万円、砥石は数百円、、、。物を知らないというのは余計な出費をして、更にしなくても良い苦労をする、ということです。まあサーボモーターは後悔していないですが。それよりも今まで砥石をバカにしていてスマンかった。
こんな感じで15年来イラつかされてきた問題に、今日という今日はとうとうケリを付けてやったのでした。