ボロいものを直すというのはなかなか面白くてやめられなくなります。満足感が高いのです。かといってクラッシックカメラとかのオーバーホールは面倒くさく時間もかかりすぎるのでやりたくありません。そういう面でいうと製麺機というのは
- 構造がシンプルで部品点数が少ない
- 特殊工具が必要ない
- 細かい部品がほとんどない
- 丈夫な構造(アルミホッパーは衝撃に弱いです)
- 力技で何とかなる場合が多い
- 精度が甘い
- バネ、割りピン、平行ピンは汎用品が入手可能。旧JISネジも入手は可能。
という素人でも手を出しやすい実に適当なアイテムです。要は勝負が早く、ある程度の大きさがあり見栄えが良いので、結果の満足感に繋がりやすい。
今回は2台目となりますけど、田中式製麺機を送料込んで4000円ほどで入手してきました。
今回のはすごい。何がすごいというのはもう何も言う必要はないと思います。
この気合の入り具合はどうでしょう?凄まじいものがあります。
圧延ローラーが錆だらけ。普通ここは真鍮で作られているものなのですが、これは鉄ですね。
他の部分は錆なのか埃が付着して堆積しているのか不明ですが、産廃と言っても過言ではないレベルです。
デッドストックのきれいな個体を持ってこられるよりも、よくぞここまで朽ちているものだというほうが「よーしやったるでー」とやる気が湧き出ます。
田中式は一度バラしているので要領はわかります。とりあえず大まかに分解して、還元系サビ落とし液というものに一晩漬けておきます。
群青色の塗装が残っているところは錆びているわけではなかったようです。
ワイヤーブラシで残った錆を落とし、全部分解します。
サビを落とした瞬間から錆びてきますので、プライマーを塗ります。
ハンドルは3Dプリントで作り直すことにします。
スペーサー、送りローラー、ハンドルを3Dプリントしました。
ハンドルはM8ボルトを使うのでネジ切りをしました。
なかなかいい感じになりました。
3Dプリントの麺切りローラーのスペーサー。
圧延ローラーのスペーサー。
圧延ローラーは塩酸に銅を溶かして電気メッキをしたかったのですが、時間もなかったので塗装で誤魔化しました。
金属くずの産廃がここまできれいになった。どうでしょう、この満足感が伝わるでしょうか。
グレーの3Dプリントパーツが清潔感を醸し出しています。
同じ個体とは思えない変化です。
製麺機はこれ以上は全然必要ないですけど、朽ちた個体を見ると手を出してみたくなる、そんな週末でした。満足感を言えば4000円で十分以上な価値はありました。