2011年4月20日水曜日

FinePix X100 ケース試作 その3

今回、なかなか底パーツをカットする刃型が上手く決まらず、昨晩再度作り直して、結局こんなものだけで4つ作ってしまいました。


1mmも2mmも違うわけではなく、0.2mmとか0.3mm程度のわずかなことが気に入らないということなのです。底部画像をスキャンしたものをトレースして、レーザーでカットして底部にピッタリ合うデータから刃型を作っても、実は上手くいかないのです。

なぜ上手くいかないか?というと刃型というのは、ウチの場合、刃の片方が比較的真っ直ぐのもの
(Martin Millerのプロダクトリスト〔リンク〕のBEKというタイプ。普通はBEという刃先形状のタイプが多い)を使っているのですが、6mm厚ぐらいの硬い厚物をカットすると切り口が末広がり:つまりわずかに台形になるのです。これは刃型の作り方が悪いのではなく、そうなるものなのです。切り口が完全直角にカットしたければ、かなり特殊な刃型を使わないと出来ません。
末広がりの割合が、ものの形状によって変わってくるというか、要するに一定ではないので、実際に何個も作り直して、底部のパーツにきちんと合うように詰めていくしかないです。

結局、この程度の割と単純な形状の刃型なら自分のところで作れるというのは、きちんとしたものが出来るまでやり直せるので、大きなアドバンテージになります。あくまできちんとしたものを作る確固とした決意があるという大前提があっての話ですが。

気に入らない刃型(上の画像のうちの左3つ)は、捨ててしまって良いかというと、実はこれがそうも行かない。試作を進めていくうちに没になる予定の刃型の方がやっぱり合うようだ、という可能性も捨てきれないのです。正直もうわけわからんですけど、やっぱり自分で刃型を作ってみると、刃型を外注しているだけではなかなかわからないこういう癖が自分の経験として理解できるわけです。

まあ、ぜひ下の2つのリンクをご覧ください。

リンク1
リンク2

たかが刃型の刃先形状のことですが、こんなに様々な形状が存在するわけです。一体こんな不思議な形状の刃を誰が使うのだろうか?と首をかしげてしまいそうなものまでありますが、需要があればその需要に見合う製品を提供するという、この人類の英知と努力。実に驚くべきものがありますね。

さて、話は試作とは関係ないのですが、NEX5にパノラマ撮影補助機能というのがついていて(ずっと知らなかった)、回転椅子に座って回りながら工房内を撮影してみました。


18畳もある割にはもう結構狭いというか、雑然とした様子が良くおわかりいただけると思います。


プロトタイプ010号です。つまり10個目の試作です。まだ床革を使ってカットをしている状態です。
床革の問題は、芯が無いことです。つまりフニャっとしておりますので、シャキッとさせるために芯を貼り合わせて使っております。


シャキっと美しいCADダイレクトのレーザーカットです。


縫製するまでの段階に至っていないので、組み立てただけなのですが、ほぼ形状は決まりということで良いのではないでしょうか。