スイングアームの油圧クリッカーを持っていても、なかなか頭を悩ますのが、長尺物のカットです。
スイングアームというのは上のようなタイプの物です。実際にどう動くかはYouTubeのリンクをごらんください。
スイングアームのクリッカーだと、長尺物は1発のクリックではカットしきれませんので、2回クリックする必要が出てきます。上のリンク先にある動画の通りです。
実は2度打ち厳禁と言われておりまして、長尺の刃型は刃型自体が反ってくるのです。反りすぎるとそのうちに刃型が使えなくなります。上の動画で二度打ちしているのは、それしか方法がないから仕方なくやっているだけです。これもそのうちに使えなくなります。
1発でカットしたければ、ビームプレスという倍ぐらい大きなクリッカーを使う必要があります。
お値段を調べたところ
1: 62万円:日本製中古。1200mm(長) x 300mm(幅)までカット可能。設置料金別途。
2: 0円。日本製中古。鞄屋などが廃業すると真っ先に処分に困るのが実はクリッカー。今時置き場所に困る巨大なビームプレスを欲しがる人はほとんど居ません。「タダでええから持ってってくれって言うとったでー」という情報あり。運搬設置は自分でユニック借りてきてやれば2万円ほど。
3つの選択肢がありますが、困るのが電気料金。5kwぐらいの三相動力電源を引く必要があり、基本料金だけで毎月5000円ぐらいかかります。朝から晩まで使う物ではないどころか1か月に数時間使う程度の物に毎月5000円の固定費を払うのは非常にバカらしいですね。しかも物が大きいから邪魔なんです。
そこでMAIIIハンドクリッカーを使って、何とか長尺物をカットできないか工夫してみる企画。
MAIIIハンドクリッカーとは何ぞや?という方は、こちらのリンクを見てから読み進めてね。
企画と言っても、思いつきでやっているので、余っている材料を組み合わせてとりあえずやってみようか、というところです。
まず使っていない裁断板(まな板ソックリの物)にMAIIIの高さに合わせた木材を貼り合わせます。
上に乗っかっている一斗缶やポリタンクはいわゆる「重し」です。接着剤が完全に乾くまでこうしておきます。
別の角度から見るとこんな感じです。
接着剤が乾いたらまた追ってレポートします。これで上手くいったら1500mmの超長尺物がカットできるようなタイプを頑張って作ってみたいと思います。
さて、午後3時。接着剤がそろそろだいぶ乾いたので、MAIIIクリッカーにセットアップしてみます。
「思いつきでやってみた」という程度にしては、なかなか上手くできていると思います。
角度を変えて見てみますとこんな感じです。「長尺に自信あります」という雰囲気が漂ってきているような気がします。
革と長尺刃型(700mm長)をセットして、裁断板(まな板)を端に寄せてクリックしていきます。
もちろん1回でカット出来ませんので、何度も裁断板をずらしながらクリックしてカットをしていきます。
二度打ち厳禁なのでは?と思った方、MAIIIは手動なので二度打ちによる弊害の影響が少ないです。
とりあえず、問題無くカット出来ているようです。
まずまずといったところですね。今度は製品にするストラップの革を実際にカットしてみたいと思います。また追ってレポートいたします。