2015年2月3日火曜日

Phantom IIを卒業してRCヘリを自作する企画

ちょっと前に買ったPhantom IIですが、正直ちょっと飽きました。
既製品というのは何と言ってもカスタマイズ性が乏しいので、改造好きな人にとって飽きるのも早いのです。空を飛ぶようなものを物事を深く考えずにカスタマイズするのは如何なものか、というのは深い考察と論議が必要な気がしますが、まあ飽きたのは事実です。

あと、Phantomをフライアウェイ(どこかに飛んでいって見失ってしまった)とか墜落したとか、そういうビデオを色々見ていると、ひとつの共通点を見いだします。それは、

「フライアウェイや墜落させる人は、どうやらPhantomしか飛ばしたことがないようだ」

全部が全部そうだとは言いませんが、私は恐らくここに肝があると見た。実はまだ私はPhantomでフライアウェイも墜落もありませんが(着地時の立ち転け程度)、これは運が良いという話だけのことです。そこでだ!先人たちの痛い失敗を踏襲しないために、ここでひとつ経験を積むことにする。

しかし毎月RCヘリコプターを買うほどの余裕はないので、ここはひとつDIYで行こうではないか。
何と言っても物事を理解するのには自分で作るということが一番手っ取り早い方法です。経験を積むということはDIYをすることだけではないけど、間違いなく重要な最初の一歩だ。

実は、世界的に見れば自作RCヘリというのは結構熱いホビーのようで、英語ならいくらでも情報が転がっています。ただ日本語の情報はほとんどありません。
情報を拾うと、それほど構造として難しいことはないようです、というよりもぶっちゃけ構造としては単純明快。フライトコントローラーというマイコンボードでESC(Electric Speed Controller)というモーターの回転制御ボードを管理して、モーターの回転を決めて、上に上がったり、舵を切ったり、まっすぐ進んだりバックしたり、横にドリフトしたりする、それだけ。機体の水平を保つとか、まっすぐ飛ばすにはどうやってプロペラ回転数の調整をするとか、そういう小難しくて面倒なことはすべてフライトコントローラーがやってくれます。そうでなければそこら辺の一般人がヘリを作って空を飛ばせるものではありません。ヘリのホバリング(空中停止)って、マニュアルモードでやったら、私のような素人は3秒間でさえも出来ません。要するに今は優秀なフライトコントローラーがあるから、素人でもラジコンヘリを飛ばせるという、革命的な技術的進歩があったわけです。そんなにすごいフライトコントローラーというものですが、安いものだと何と15ドルぐらいで購入できます。価格まで革命的に進歩しているようです。
あとはお好みでGPSボードをつけて飛行中にヤバくなったら自動で離陸した場所まで戻ってくるとか、そういう機能をつけると、そういうわけです。



「よーし、オジサン頑張っちゃうぞ!」ということで適当にパーツを見繕います。
ただマニュアルも何もありませんので、私のように右も左もわからない人がやるには少々敷居が高いですが、まあ失敗しても諦めがつく金額ですし、他人様の生命財産を傷つけたり損壊しない限り失敗も良い経験だ、ということで、ここはひとつやっちゃうよ?


モーターの取り付けぐらいわかるけど、プロペラの取り付け方さえわかりません。WebとYoutubeが頼りです。


取り合えず組み上がりました。
何でも自作するとき重要なのが予備パーツを買っておくと言うことで、私もクアッド・コプター(4枚プロペラ)を作るのに、ヘキサ・コプター(6枚プロペラ)分のパーツを買ってます。プロペラをよく損壊させるのは素人でもわかるので10台分ぐらい予備プロペラを買っておきます。おかげでプロペラだらけです。
しかし案外足りないのがコネクタ類。想像以上にコネクター類が必要になります。その逆にどう見ても必要がないパーツもあれこれ買ってます。中には一体何に使うのか買った本人もさっぱりわからないものもあります。売り手もヘリのことなどほとんどわかってませんから聞いても無駄です。どれだけ予備パーツがいるかとか、やっぱり経験がないとわからないことですね。

組み上がって、PCにつないで設定して、さあ飛ぶか?と言われると、まずモーターが回りません。配線など単純なものですので、配線が間違っていることなどあり得ません。
モーターをどうやって回すか(つまりエンジン始動)の方法さえわかってないんです。そういうことはもう誰もがわかっているという前提なので、あまり情報が載ってないのです。あちこち探し回ってやっとわかった。送信機のpitchスティックを目一杯下げて、Yaw(舵)スティックを目一杯右にするとエンジンがかかります(エンジンじゃないですけどね)。エンジンを切るのは送信機のpitchスティックを目一杯下げて、Yaw(舵)スティックを目一杯左。こんなことがなかなかどこにも書いてないです、というのはみんな知っているからです。

不親切というわけではないのです。Youtubeを見ると、もうこれでもかと言うほど丁寧に設定方法を説明しているビデオがあります。それがなければ私などとても作れません。



何とかモーターだけは回せた。ちなみに上のビデオGPSアンテナの方向が間違ってます。

また変な設定をしているとフライトコントローラーが、「こんなので飛ばしたらマズい」と、始動してくれません。これを知るのにも数時間かかりました。これはGPSのアンテナの向きが悪くコンパスのキャリブレーションがきちんと出来てなかったからです。GPSの正しいアンテナ方向というのは、これもWEB探してもなかなか書いてありません。これも同じくDIYするような人は普通知っているからです。

ちなみにアンテナのコードが後ろで、青いLEDが光る方が前。というか、こういう一番大切なことはアンテナに書いておいてくれよ。マニュアルですか?そんなもの附属してませんよ。

やっと飛んだと思ったら、今度は安定しないです。これは自分の機種とお好みの飛び方に合わせて設定を煮詰めていくしかないです。



まあ色々苦労しましたが、何とか飛んでいるというレベルになりました。
自分で撮っているということは手放しで飛んでいるので、つまり割と安定しているとそういうことですね。GPSで自分の位置を拾って風が吹いて煽られても流されずに、ヘリが自分で当て舵を切ってその位置に自動で留まろうとする、そういう初心者に優しい飛行モードです。

ただこれをPhantom IIのように500メーター先まで飛ばしてビデオを回してくるとか、ちょっとまだそれをやる度胸はありません。もちろん高価なGoPro4BEを積む勇気などありません。そこで安いGoProパチを購入しました。あれこれ買い足していると、結果的に高いんだか安いんだかわかりませんが、Phantom II + GoProだと一回の事故で20万円というしばらく寝込みそうな大金ですが、DIYヘリ+GoProパチですとその半分以下ですので、まあ何とか諦めきれない金額ではありません。



こんな感じで1台組み上がったところで、「うぇーい、もう一杯!」じゃなくてもう一台。今さっきパーツが届きました。

今度は250mmサイズの小さなタイプを作ってみます。1台目は500mmのフレームですから、面積で言えば1/4ですか?宙返りしたりするアクロバット飛行タイプのフライトコントローラーを積みます。アクロ飛行もいつの日になるかわかりませんけど、練習あるのみですね。


これ、一丁前にカーボンフレームだけど、アクロ飛行の練習なんかしたらボコボコ墜落してすぐ壊れるだろうから、CADで寸法トレースしてベニヤをレーザーカットして作ってもええよね?問題無いよね?きっと。



とりあえず広いところに行って第一号機のテスト飛行してみました。