2018年2月27日火曜日

3Dプリント自己流 Tips

3Dプリンターで型を作っていると、結構な量のフィラメントを消費してしまいます。型作り専用に激安のフィラメントを10本ぐらい買い置いてあるのですが、それでも1週間に1本(1kg)ぐらいは余裕で消費してしまい、フィラメント程度のものとはいえ消費がかさんでしまうわけです。フィラメント代ぐらいは我慢できても、プリント時間が問題になってきます。プリント時間が24時間を超えると、次の型がいつまでたってもプリントできないという大変面倒な話になります。プリンターを2台用意して回すという手もあるのですが、使わない時は全く使わないので、これもあまり現実的ではない選択です。

そこで私は考えた。自己流なので他人様にはあまり役に立たないかもしれないけど、一応こういう方法をやっているということです。

大物のプリントは大体ガワだけ2mmぐらい infill 100%で、その中身を infill のパーセンテージを10%とか15%とか落として、中身スカスカのものをプリントします。



例えばこんな型をプリントするなら、



これで infill 10%。
型と言うのは圧をかけますから、この状態では中身がスカスカなので押し圧に耐えられません。



Bottom Solid Layersを0にしてプリントしておけば、底は塞がっていない状態になっているので、ここから、何と聞いて驚くな?FRPを流し込んでやる。正確に言うとFRP用のポリエステル樹脂ですね。ガラス繊維とか骨材も何もいらないです。そのまま液体を流し込んで固めます。これでinfillは無理やりだけど100%になり、粘土を押し込めるぐらいの加圧に耐えられる型になるというわけです。



Material Cost 1/3, Build Time 1/3。
左が infill 100%, 右が infill 10%。

どうでしょう?大変な時間とコストの節約になります。FRP用ポリエステル樹脂のコストは100gで60円ぐらいじゃないでしょうか。

この方法をみんなもやってみろ、という話ではなく、まあこういう方法を私が考えてみて実践して特に問題なくうまくいっている、という話です。
というかこういう方法は至って普通だよ、と言われたら、すみません、、、と言うしかありません。一応、私は自分でこういう方法を考えました。

あと、申し訳ございませんが、私はちょっといやらしい性格なので、いつもこういうところでは肝心なところをわざわざ説明しないというところがあります。このまま喜んで樹脂を流し込むとおそらく失敗します。一回失敗して対策を考えるか、流し込む前に考えるとよろしいありますね。書いている本人が「失敗します」と言っているということは、本人が「これは良い方法を思いついた、ウッヘッヘ」と、満面の笑みを浮かべながら樹脂を流し込んで予想外の失敗をして凹んだと、そういうわけですね。今回は妙な親切心を出して「そのままやると失敗しますよ」なんて書いてしまいましたよ(笑)。

以前、カメラケースを作っているときに、表革と裏革の間にステンレスもしくはアルミの薄板を噛ませてケースの型崩れを防ぐ、ということをここに書いて、それを100%真に受けてそのままやった業者さんがいたのです。結果、裏革(カメラに接する側)がカメラと擦れてステン板が露出してカメラに傷がついて大変なクレームになり後始末が大変な事になった、という話を聞きました。
あれも実は半分しか説明していなくて、実はステン板と裏革の間にPET板を噛ませていたのです。だから裏革(カメラに接する側)がカメラと擦れて擦り切れたとしても、露出するのはPET板だけですので、カメラボディに傷はつかないのです。そして裏革は擦れに強いピッグスエードを使うというのが鉄則なのですね。おそらく人工皮革でも使っていたんじゃないでしょうか。まあ他人が重要な情報をホイホイとおめでたくすべて曝け出しているわけではないというのが、世間の厳しさというものです。