この時期、大きなご注文が重なって大忙しなのですが、昼休みと休日をあてがって、前回よりもちょっと大きめのタイプを作りたいと思います。
サイズを大きくすると言っても、横には広げられませんので縦方向に長くします。径26mm以下を堅持するのは、売るときの送料の問題です。定形外規格内サイズに収めないと送料負けするのです。商品企画から販売まですべてをカバーする(というかしなければならない)ウチのような業者は、デザインの段階から送料や梱包のことまで考えてしまう、という周到さというか厳しさというか、まあそういうものです。
今回、ちょっとだけ装飾を入れます。側面の5本線がそれです。
こんな感じの押し型でいきます。実際に作る型はこのままではないのですが、まあこれに近いものです。重要な部分を隠しているのです。型というのは離型というのがかなり重要で、私は素人ですのでこれはというノウハウはありません。離型しやすいような形状を試行錯誤しながらやっております。でもこんな形のまま型を作ると離型できずに苦労すると思います。
しかしながら良い時代になった。私のような個人の業者が、Rhinoceros(3Dモデラー)で型をデザインして、安物の3Dプリンターで型を作り、実際にものが作れるわけです。3Dで型を作るなんてことは20年前にはとても小さな業者では出来なかったわけです。マスターモデルを造形粘土なり木を削るなりして作って、それを石膏で反転して、型を作るという工程をやればできるわけですけど、そんなの造形の才能がいりますよ。そこら辺のアニキやオヤジがホイホイできるものではないです。
最近Rhino6にアップグレードしたのですが、アップグレード価格は何とたったの6万円。5年ぐらいに一度アップグレードで6万円ですから、私は何の文句も言わず喜んで払いました。
今回、割とすんなり離型しました。
そして素焼き。
外側のみ釉薬をかけます。ボウルの部分は素焼きのままです。内側に釉薬をかけると煙が湿っぽくて不味いわけです。
所詮クレイパイプは安物ですが、根竹継ぎで高級感を出します。
2グラムから2.5グラムぐらいのタバコの葉っぱが入る量ではないでしょうか。計ったわけではないですけど、3グラムは入らないかな。ボウル内径約15mm x 深さ約37mmのサイズです。
縦方向に長いパイプは、スマートなシェイプで割と好きです。5本線の装飾がスリム感とスピード感を醸し出しています、かな?
実はうちに来ているパートさんもパイプスモーカーになっていて、最近パイプスモーキングが板についてきたのでした。
車を運転しながらパイプを吸うと、紙巻きのように灰を落とさなくていいから便利だそうです。そして信号待ちのときにタンパーワークをする。なんというか、ちょっと理にかなっている気がします。