低気圧が居座っていても、雨が降っていない可能性があるところと言えば山間部です。山の天気は変わりやすいので、平地で大雨が降っていても、山間部なら降っていない場所がある場合もあるのです。その逆も然り。山で雷雨でも平地に戻ったらサンサン・サマーで「さっきの雨は?」ということもちょくちょくあります。
「国境の長いトンネルを抜けると、そこは雪国であった」
という有名な文章がありますが、「トンネル超えたらいきなり雪国ってアンタ、ちょっと大げさな表現じゃね?創作だろ創作」とずっと私は思っておりましたが、トンネル超えたら雪国に変わってました。
その場所は清内路トンネル。
さっきまで雨模様の天気がトンネル抜けたらいきなりこれ。何だ何だ?いきなりこの秘境感満点のエリアは、、、名古屋からたかだか100kmぐらい走っただけですよ。本気でしょうか?本気でしょうかも何も、実際にこういうところに迷い込んでしまいました。トンネルって言ったって、ここは1600メートルぐらいです。その2km足らずで別世界。とんでもないところに場違いな人間がうっかりやってきてしまった、という気分です。
要するに一言で言うと、川端先生、申し訳ございませんでした。
道路なんて一面雪で、ごつい除雪車が道路を走って雪かきしているという別世界です。除雪車が雪かきしている姿を見るなど私はこの人生で2回目ぐらいじゃないだろうか。
実はノーマルタイヤで、チェーンなんて気の利いたものを積んでいません。滑る滑るというかブレーキ踏んでも車が止まらないです。下るのは何とかなったとしても、登りは無理だろうなぁ(つまりすでに引き返そうにも引き返せない)と暢気に思いながらも、ちょうど良いところを見つけたと、ヘリを飛ばします。
峠は越えたから、後は下り坂だけだろうで何とかなるだろうと思ったら、大間違いでした。
車はちょっとした坂も上ってくれず立ち往生。ノーマルタイヤで雪国に来るというとんでもない非常識な人間が陥る当然の結果というのは明らかです。というか、いきなり雪国に迷い込むとは思いもよらなかったんだよ。いい歳した大人が、すみません、すみません、すみません。
同行者は「今日帰れるかな?大丈夫かな?」とビビってしまっていますけど、ヒマラヤで遭難しかけた川口慧海でもあるまいに、大丈夫に決まってるだろ?とJAFを呼ぶことにします。
こういう私の様な非常識な奴はきっと多いのだろうな、私がこのJAFの方だったら絶対に「お前バカだろ?」と言ってやるだろうな、と思いながらも、実に優しく丁重なレッカー車の運転手さんが1時間ぐらいで来てくださり、車を積んでさっき超えた雪のないトンネルの向こうまで運んでくださったのでした。
人に迷惑をかけておいて、反省も学習もなしでは大人としてあるまじき態度だから、早速タイヤチェーンをポチりました。チェーンが入ったら、弔い合戦に行くぞ、、、。
もう次の日に到着。
昔、高校生の頃ガススタでバイトした頃にチェーン装着をやった覚えがありますが、ジャッキアップでやったような気がするな。一度練習してみる必要があります。
薄いゴム手は入っていましたけど、軍手は入ってません。寒冷地でこんな冷たいものを触ったら泣くだろうな。軍手を一組入れておきました。