2013年9月6日金曜日

Pentax MX-1の貼り革 スナップケース試作 その2

先日、採寸をして発注をしておいたPentax MX-1用の刃型が出来上がってきました。



一度革をカットして実機に合わせてみて、ちょっとだけ合わない部分は刃型を叩いて微調整をしてから、刃型の弱い部分に補強をします。ドリルで穴を開けて、ボルトを通し、刃型が広がらないようにナットで締めます。ちょうど上の写真のように、細い部分は広がりやすいです。刃型が広がってしまったら貼り革の寸法が合いません。補強が必要なのです。

補強をしたら、刃型に詰め物を注入して乾かします。この詰め物が重要なのです。これも特に細い部分は革をカットすると、刃型にカットした革がはまり込んでしまい、出てこないのです。無理矢理引っ張って革を引っ張り出すと、当然革が伸びて、貼り革の寸法が合いません。
この詰め物を入れておくことで、プレスしてカットした革を詰め物の反発力で、刃型から吐き出してくれると、そういうわけです。

詰め物が固まるまでの養生に2日ばかりかかりますので、来週月曜日に一通り革をカットして、サンプル写真を撮ることにいたします。


刃型でカットした4008のサンプル写真。



今回、刃型屋さんが苦労されたのは、上の2カ所。SRのロゴと、3つのスピーカー穴(でしょうか?)です。データを送ったらこんな小さな四角(SRのロゴ)は出来ません、と言われてしまいましたが、何とかお願いします、お願いします、と無理を聞いてもらいました。
「3つの穴も間隔が狭すぎて出来ません」と言われましたが、細い吐き出しポンチを削って並べて、何とか出来ませんでしょうか、お願いします、お願いします、とこれも無理を聞いたもらったわけです。

簡単なことをやっているだけのように見えるでしょうけど、なかなか苦労は多いです。
何はともあれ、自分のやっている仕事に、これだけ小理屈を並べられるのは、我ながら中々のものだと思ってしまうのです。


さて、スナップケースの進捗状況です。


まず荒裁ち用刃型の製作。これは精度が甘くていいので、自分で曲げました。刃の延長は850mm。


先日削り出した凹凸の型にはめ込んで、荒裁ち用刃型でカットした革を整形します。
革の外枠線から一回り内側にある溝は、本裁ち用のガイドラインです。このガイドラインに本裁ち用刃型を合わせて革をカットします。ガイドラインが付いているというのは便利です。


本裁ちは、上のような感じですね。行程が綺麗に決まっていますね。