2014年3月15日土曜日

終わりよければすべてよし

この数年の間、私を含めて4人のスタッフがメインで当店を回してきました。
2人の女子スタッフが結婚と出産で当店を離れることになり、昨日が4人揃う最後の日となり、せっかくだから記念写真を撮ったのでした。普段、通常通り働いているときは、写真というのはなかなか撮らないものですから、こういう時にしか機会はないですね。


長いものは、8年勤めました。8年というのは、改めて振り返ってみると長いね。
ここで人生の一区切りがついたような気がします。

記念写真だけではちょっと寂しいだろうから、何か退職記念にプレゼントをしてやろうと思って、ふと閃いたのが、鍋だ。

鍋など貰ってうれしいのか?と思われるかも知れませんが、そこでルクルーゼですよ。

Le Creuset ココット・ロンド 20cm チェリーレッド


アマゾンで¥18,595 也。

20cmの鋳物ホーロー鍋ごときに2万円近い値段がついています。それだけの価値があるのかどうかわかりませんが、アマゾンのレビューを見ると「この鍋で料理すると味が全然違います」とか痛々しいことが書いてあります。こういうのは大概プラシーボ効果100%で、ただそういう気分になるだけで、実際に料理の腕前が上がるわけでも何でもないんだよね。そんなに鋳物の鍋が良いというなら、ダッチオーブンで良いだろう?5000円ぐらいでもっと立派なものが買えるよ。でも絶対に女の人はダッチオーブンなど使いません。可愛くないからです。

でも、お気に入りの鍋なら料理のモチベーションが上がるとか楽しくなるというなら、十分価値があるだろうな。

しかし、この色合いとレトロっぽいデザインが何とも素晴らしく、キッチンにあると実に様になります。そして鋳物ですので、とにかく重くて丈夫、きちんと使えば一生ものでしょう。

スタッフたちもルクルーゼの鍋が欲しかったらしいですが、ホームセンターで2000円も出せば普通に鍋が買えるのに、20000円は自分の金でなかなか出せるものではありません。そういうものこそ、誰かがお祝いでプレゼントしてあげるべきものでしょう。


というわけで、2個買ってやったわ。


Made in Franceざんす。


外側はチェリーレッドだけど内側は白っぽいんだな。
焦げは金たわしで無理矢理取るとホーローが剥げるので、重曹を使ってホーローを痛めないように焦げを取るそうです。

まあこれで美味しい料理を家族のためにいっぱい作ってくれ。

「この鍋は仕事していたところの親方に結婚祝いで貰ったものだ」と、子供にエピソードを話すこともあるだろう。そしてこの鍋のホーローが剥げて使えなくなった頃に、自分が若かった頃に当店で仕事をした日々の思い出や、仲間たちのことを思い出したりして、きっと懐かしい気持ちになったりするに違いありません。


その時、同封されていた記念写真が無くなっていたら、きっとこのページを見つけて、自分が確実に存在していた過去を、雑然とした工房の記憶と共に、懐かしく思い出すに違いないだろう。




そして将来このページを見つけたとき、まだ俺が生きていたら「鍋をもう一個買ってくれ」と連絡してこいよ。
そして、お前たちの写真をいっぱい保存してあるから、その時に送ってやるぞ。


お前たちはいつまでも俺の心の中に生き続け、そして俺はお前たちの心のどこかにいつまでも存在し、いつでもお前たちの幸せを願ってる俺がそこにいることに気づくだろう。遠い将来このページを探し出したお前たちへ、メッセージをここに託そう。