2人の女子スタッフが結婚と出産で当店を離れることになり、昨日が4人揃う最後の日となり、せっかくだから記念写真を撮ったのでした。普段、通常通り働いているときは、写真というのはなかなか撮らないものですから、こういう時にしか機会はないですね。
長いものは、8年勤めました。8年というのは、改めて振り返ってみると長いね。
ここで人生の一区切りがついたような気がします。
記念写真だけではちょっと寂しいだろうから、何か退職記念にプレゼントをしてやろうと思って、ふと閃いたのが、鍋だ。
鍋など貰ってうれしいのか?と思われるかも知れませんが、そこでルクルーゼですよ。
Le Creuset ココット・ロンド 20cm チェリーレッド
アマゾンで¥18,595 也。
20cmの鋳物ホーロー鍋ごときに2万円近い値段がついています。それだけの価値があるのかどうかわかりませんが、アマゾンのレビューを見ると「この鍋で料理すると味が全然違います」とか痛々しいことが書いてあります。こういうのは大概プラシーボ効果100%で、ただそういう気分になるだけで、実際に料理の腕前が上がるわけでも何でもないんだよね。そんなに鋳物の鍋が良いというなら、ダッチオーブンで良いだろう?5000円ぐらいでもっと立派なものが買えるよ。でも絶対に女の人はダッチオーブンなど使いません。可愛くないからです。
でも、お気に入りの鍋なら料理のモチベーションが上がるとか楽しくなるというなら、十分価値があるだろうな。
しかし、この色合いとレトロっぽいデザインが何とも素晴らしく、キッチンにあると実に様になります。そして鋳物ですので、とにかく重くて丈夫、きちんと使えば一生ものでしょう。
スタッフたちもルクルーゼの鍋が欲しかったらしいですが、ホームセンターで2000円も出せば普通に鍋が買えるのに、20000円は自分の金でなかなか出せるものではありません。そういうものこそ、誰かがお祝いでプレゼントしてあげるべきものでしょう。
というわけで、2個買ってやったわ。
Made in Franceざんす。
外側はチェリーレッドだけど内側は白っぽいんだな。
焦げは金たわしで無理矢理取るとホーローが剥げるので、重曹を使ってホーローを痛めないように焦げを取るそうです。
まあこれで美味しい料理を家族のためにいっぱい作ってくれ。
「この鍋は仕事していたところの親方に結婚祝いで貰ったものだ」と、子供にエピソードを話すこともあるだろう。そしてこの鍋のホーローが剥げて使えなくなった頃に、自分が若かった頃に当店で仕事をした日々の思い出や、仲間たちのことを思い出したりして、きっと懐かしい気持ちになったりするに違いありません。
その時、同封されていた記念写真が無くなっていたら、きっとこのページを見つけて、自分が確実に存在していた過去を、雑然とした工房の記憶と共に、懐かしく思い出すに違いないだろう。
そして将来このページを見つけたとき、まだ俺が生きていたら「鍋をもう一個買ってくれ」と連絡してこいよ。
そして、お前たちの写真をいっぱい保存してあるから、その時に送ってやるぞ。