2009年12月23日水曜日

E-P2ケース その2

発注していたE-P2ケース、本カット用の刃型がもう出来上がってきたので、早速生産に向けて準備を始めます。
まずは荒切り用の刃型制作から。これは自分で曲げます。だいたい20分ぐらいでできます。使用した刃の長さは87センチメートル。幅30cmぐらいの小さな刃型の割には、結構長い刃がいるものですね。



なんと言っても簡単な形状ですし、ぶっちゃけ設計寸法から1mmぐらい外れていても特に問題ないものですから、気楽なものです。鼻歌歌いながら、フィーリングでフットベンダーを踏みながら刃を曲げちゃいます。



それでも割と型紙通りにできていると思います。




上の画像の上のものが私が曲げた荒切り用の刃型。
下のものはプロが曲げた本カット用の刃型。なぜ本カットの刃型も自分で曲げない?という質問はご遠慮ください。私にそんな腕はないです。結局こういう複雑な刃型は、プロに頼んだ方が時間の節約になりますし、結果的に安上がりです。
上の2つの刃型を比べて、私が作った上のものは補強の桟が少ないですが、これは使用している刃の厚みが違うためです。上は厚み2mm、下は厚み実測1.1mm。厚みがある分、剛性がかなり違います。



重ね合わせてみましょう。荒切り用は一回り大きいです。




クローズアップすると、一回り大きいことがよくわかると思います。
荒切り用にも刃型を専用に用意するというのは、ある意味、超贅沢なことです。普通荒切りなど革包丁を使って手でカットするものですが、作業効率最優先の当店では革包丁は使用禁止ですので、わざわざ荒切り用の刃型も製品毎に用意いたします。



 

本カット用の刃型と、設計寸法がどれぐらい違っているか、一度チェックしてみます。
まず上の画像のように刃型で厚紙をカットしてみます。



CADデータからレーザーで切り出して、先ほど刃型でカットした部分に合わせてみます。
ほとんどピッタリ合います。多少隙間が空く部分もありますが、革ケースぐらいのものを制作するのでしたら誤差レベルと言ってもよいと思います。
設計通り正確に作られた刃型は気分がいいですね。これが設計寸法と比べて0.5mmとか狂ってしまっていると、今度は設計寸法の方を変えないといけません(刃型を作り直すという方法もありますが)。

次は型枠作りです。これは延々と半日ぐらいレーザー加工機でアクリル板を削っていく作業で、時間がかかりますので、また明日となります。