試作というか、製品準備段階です。
本裁ち用の刃型が上がって来ましたので、本裁ちよりも一回り大きな荒裁ち用の刃型を作ります。
黄色い線が本裁ち用の設計線。
その一回り大きな荒裁ち用の刃型の線を描きます。
荒裁ちというのは、表の革と芯材をカットするためのものです。表の革と芯材を貼りあわせて、本裁ち用の刃型でカットするわけです。本裁ち用で表の革と芯材をカットして貼り合わせると、端が揃わないのです。貼りあわせてからカットすれば、端が揃います。それだけの事と云えば、それだけのことです。
荒裁ち用の刃型を本裁ち用の刃型に合わせてみますと、一回り大きいということがお分かりいただけると思います。
では、この荒裁ち用の刃型を曲げます。型紙の表と裏を間違えて、逆向きの刃型を作って失敗してしまうというウッカリミスが、案外多いので、何度も確認をして刃を曲げます。
型紙の外周延長は、717mmですので、多少余裕を見て730mmの刃を用意すれば十分でしょう。
型紙に沿って、刃を曲げるのであります。
大体2cm弱、刃が余りました。刃の無駄は2cmほどで収まったわけです。これが逆に足りないと、刃を継ぎ足さないといけませんので、結構面倒なことになります。
錆止めのスプレーを吹きます。
内側が本裁ち用刃型。外側が一回り大きな荒裁ち用の刃型。
ここでRX1とは関係ないのですが、SX70用の革をチェリーウッドで作って欲しいというリクエストがあり、とりあえずやってみました。オイルを入れているところです。
さて続きまして、表の革と芯材を荒裁ちしてゴムのりを塗ります。
クリッカーで叩いて圧着。圧をかければ強力に接着されます。
そして本裁ち用刃型でクリッキング(カット)。
芯材と表革の端が揃った状態でカットされました。
たったこれだけのことをやるだけで、荒裁ち用刃型というものをわざわざ作るわけです。
当店にある刃型のほんの一部です。どんどん増えて収納に困っております。
型枠を削り出します。
型枠に表革、裏革、補強のステン板などを押し込みます。
そして、MAIIIクリッカーで軽く加圧します。
表革と裏革が接着されると同時に、表革部分にステッチ・ガイドラインの押しが入りました。このステッチガイドライン(溝)に沿ってミシンを走らせれば所定の位置に綺麗なステッチが入ります。
またミシン針が自然に溝の中心に誘導されるので、細かいステッチの場合でもズレにくいです。
ステッチ終了です。綺麗に決まっていると思います。ガイドラインにそって縫うだけですので、職人技も何も必要ありません。
次は底部の型枠製作となります。
底部の型枠切削完了です。
第1号出来ました。無骨だねえ。
底部の三脚ネジが0.5mmほどずれているようですので、ちょっと底部の型枠を切削しなおしですね。