2010年2月6日土曜日

シルバー人材活用大作戦

今年に入って、ケースがまたこれがよく売れておりまして、作っても作っても足りない状態です。ダークタンに至っては30個を1ロットで並べて作っております。30個も延々とミシン掛けしていると、気が遠くなってきます。

今週はGF-1の製品に取りかかるつもりだったのですが、とてもそんな状態ではなく、E-P1/E-P2ケースの製作に必死でした。たぶん来週もそんなに状況は変わらないと思います。

とにかく現状当店は労働力が足りていない、このヒトコトにつきます。

店主の私はケースとストラップのミシン掛けと手縫いを朝から晩まで延々とやって手一杯。

スタッフ1号(女)は貼り革のカットでレーザー加工機をブン回して、クリッカーと刃型でカットしまくって、袋詰めして梱包で手一杯。

スタッフ2号(男)は、ケースの縫製前下準備:裁断、表裏革の貼り合わせ、縁返し、側面と底面の仮組。また縫製が終わったケースやストラップの仕上げと磨きで、こちらも手一杯。

スタッフ3号(女)は、仕事をするということにあまり向いていないような気がしますが、本人は決してサボっているわけではないようです。宛名書きしたり、梱包の手伝いをしたり、コバ仕上げをのんびりやっていたりします。仕事場の殺気だった空気が全く読めていませんが、まあ、いないよりは多少マシかなという感じです。

こんな感じで、3人プラスαで、現状いっぱいいっぱい。この状態で何か他のことをやろうとか、完全に無理だと思います。今年からガンガン動かす予定だったRoland MDX-40 三次元切削機も、ちっとも稼働しておりません。非常に勿体ないです。木型の依頼は来るのですが、私が3D CADを引いている時間がこれっぽっちもない。

そこでだ、CAD引きが出来る人間を捜してくるとか、誰かヒマな奴に三次元CADを覚えさせれば、鳴り物入りで導入した三次元切削機も活用できるのではないかと、一筋の光明とも言えるグッドアイデアが私の鈍い頭にひらめいたのでした。

三次元CADが出来る人間を探してくるのはこれまた面倒ですから即却下。そうなるとヒマな奴にRhinocerosを覚えさせればという選択肢が残るわけです、というよりもそれしかない。そして、私の周りにヒマしているヤツとなると一人いた。

ウチの年金生活者(父親:70歳ぐらい)。

そうだ、これで行こう、、、。
スタッフ3号にやらせてみたら?と思われた方もいらっしゃるかと思いますが、 人間というのは能力とか才能とかいうものがあってだなぁ、、、(一応)経営者というのは、雇っている人間の能力がどれぐらいかということが、案外良く把握できているものなのです。

ウチの年金生活者は、週に4日はヒマしていて、鉢植えに水をやったり、読書したり、昼間からビールを飲んだり、ホームセンターで木材を買ってきて帆船を作ったり、いかにも私は暇人というオーラが漂っている(実際ヒマしてます)。それでも帆船模型はなかなかのもので、キットではなくホームセンターで材料を買ってきて切ったり削ったりなどの加工して、結構立派な帆船模型を作るのは、なかなか根気の要る仕事だと思います。ヒマじゃなければとても出来ないとも言えますが。


しかも暇な老人の割には二次元CADはかなり熟練している。

週に3日は会社に行って、設計図面を描いたりしているようです。ウチの工房のDIY増設時も設計図面は親父が引きました。実際に工事したのも私と親父ですけどね。

私と違って根気は良い方ですから、Rhinoが動くパソコンと教材を渡せば、コツコツと覚えると思います。だいたいからして、MDX40で革絞りの木型を作る程度の三次元図面が引ける程度で結構なのですから、二次元CADにないコマンドを覚えて(それが膨大なのですが)、流れさえつかんでしまえばたぶん大丈夫でしょう。
しかも初期投資は10万円ぐらいでそこそこ速いパソコンとモニタを買ってくればOK、という気軽さで、もしダメだったとして、それぐらいは来世への餞別ぐらいに思っておけばいいです。

とりあえず本人に「三次元CADは二次元と比べてコマンドがやたら多くて習得に時間がかかるけど、パソコンを買ってきて、教材は渡すから覚えてみないか?」 とお伺いを立てたところ

「難しそうだから出来るかどうかわからんけど、ヒマだからやってみるか」と。
多少偉いなと思うのが、やらないうちから出来ないと言わないところです。老人の割にはチャレンジ精神があるな。

安易に決めつけてはいけませんが、ダメな人間はだいたいやる前から出来ませんという答えが返ってくるものです。

もしかして出来るかもしれないぐらいに考えて、四の五の言わずに少しはチャレンジしてみれ、と思います。

ちなみに親父のPCはWindows98, セレロン333Mhz、メモリ64MBという、過去の遺物みたいな驚くべきマシンを使っています。2次元CAD(jw cad)ぐらい、それで充分実用的に動くから偉いものです。
そのPCで三次元CADが動かないか?というので、

そんな10年以上前のスペックで三次元CAD(Rhinoceros 4)が動くわけないだろ

そんなこんなで、シルバー人材を活用してみるか、という大きな賭けに出たのでした。

さて、またパソコン買わないかんのか、、、。サーバー合わせて7台あるところに、さらにもう1台。人間よりもPCの方が多いという不思議な職場になっています。もう何が何やら。