2013年12月28日土曜日

スメハチの衝撃

今日、ニュースサイトを見ていたら、懐かしい物を発見。

【衝撃】 「写真を撮るほど思い出が薄れる」 ←都市伝説じゃなくマジだった件・・
http://alfalfalfa.com/archives/7018590.html

タイトルに【衝撃】というセンセーショナルな文字が入っていますが、私が衝撃を受けたのはニュースの内容ではなく、その中に入っている写真。


思わずスクリーンショットを撮ってしまいました。
これはスメハチですよ。正式名称は Lomo Smena 8M。プラスチック製で写るんですぐらいのチープさに関わらず、順光で恐ろしく良く写るレンズがついていてカルト的な人気があったものです。ちなみにロシア製。Lomo LC-Aは知ったかぶりの素人が使うというものになっていた頃、もう少しディープな人はこれを熱狂的に求めたのです。

日本にあまり入ってきていなかったことと、ロシア人も今ほど商売熱心ではなかったためもあり、需要に対して供給の方が格段の細いため、何とこれに10000円ぐらいの値段がついたのです。

当時ロシアにコネがあった私は、サンクトペテルブルグのどこかの倉庫に眠っていたスメハチを根こそぎサルベージしてきて、売りまくったのです。こういうものはだいたい競合して別の業者が出てくるものですけど、当時はロシアで信用できて台数をまとめられるブローカーにコネをつけるのが難しかったので、結局ウチと鈴木商店さんというところが組んでほぼ独占的にさんざん市場を食い散らかしたわけです(とは言ってもほんの小さな市場ですけどね)。

また当時、Lomoという名前のカメラを日本で扱うと、Lomo Japanから嫌がらせがあったのです。別にLomo JapanがLomoの商標を取っていたわけではなく、なんら法的規制も受ける謂われはなかったのですが、鈴木商店さんは「法的措置を検討する」とかLomo Japanにゴニョゴニョ言われてLC-Aの扱いを辞めました。私にも第三者を通じてそういうのが来たのですが、「こっちだって数千万円ぐらいの金をこれで作ってるんだから、人に物を頼みに来るつもりなら1億ぐらいの交渉材料を手土産に挨拶に来ていただくとか、そういうところから話を始めましょうか?」と伝えたところ、すんなりお引き取りいただきまして、沙汰止み。

その間、1万台とは言いませんけど、5000台は余裕で超えている量を引っ張ってきたのは間違いないです。スメハチのデッドストックを探したら、躊躇せずにすべてそのまま名古屋空港止めでエアカーゴに乗せてくれ!という威勢の良いことをやっていました。
これで一財産とは言いませんけど、プチ財産が出来たのは、もう懐かしい思い出です。

それはいいんだけど、知っている人は知っている鈴木商店さん(http://suzuki-shop.com)、Webサイトを見ていただければわかると思いますが、どこかに行ってしまいました。事件に巻き込まれていないと良いのですが、、、。