この前までインドネシア人だった(というか今でもインドネシア国籍ですが)養女が4月から高校に入学するので、先に国語の教科書を買って予習させているのですが、高校の教科書ぐらいになると、小学生用の国語辞典では載っていない語句がチラホラ出てきて不便なので、国語辞典を選んでみようということで、Amazonで色々探してみました。Amazonのレビューをみているとなかなか役に立ちます。一口に国語辞典と言っても、それぞれ色々個性があって、色々なのです。知らなかったな。
一番個性派と言われる新明解国語辞典(三省堂)。
語句の解説が非常に個性的というか、アクが強いというか、毒が盛ってある。これは非常に有名で、この辞書にまつわる本が出ているぐらいです。版によっても毒の盛り方が違うらしく、最新版ではなく、第3版と4版を買ってみました。
その面白おかしい語句の解説は、検索してもらうと出てきますが、例えばこんなページやこんなページを見るとわかるかと思います。
「火炎瓶の数え方、1本」ってのがあるぐらいですから、溲瓶はどうか?と調べてみますと、あるんだな。
やはり溲瓶の数え方も1本、、、ですね。これは第4版ですが、第3版だと以下の通り
溲瓶の数え方が載ってません。何かしら編者の意図があるに違いありません。
パラパラとめくっているだけで、先鋭的な解説が目に飛び込んできます。
化粧の項目(第4版)。
(人に見られて恥ずかしくないように)という、お節介な解説が練り込んであります。
こちらは第3版。(人に見られて恥ずかしくないように)という解説はついておりません。
うーん、これだけを見る限り、第4版で暴走が始まったのか?という予想が出来ます。
この辞書を手にして、徹夜で読み続けてしまったという人が多いのも頷けます。
消す、に至ってはヤクザまで登場します。
関白では、亭主関白が登場。家庭内で威張っていること、実によくわかります。反対語で「かかあ天下」も出してきます。編者さんありがとう、実によく理解できます。
ちょっとパラパラと開いただけでこれだけ出てくるんですから、掘り下げていくと一体何が出てくるのかという深い興味がわいてきます。私も徹夜で読みふけってしまいそうです。
辞書は合う合わないがありそうですので、別の評判が良さそうなのも入手してみました。
ベネッセの表現読解国語辞典。
ケースとカバーのビニールは早速捨ててしまいます。辞書は飾るものではありません。
これはなかなか初級学習者に親切な国語辞典という感じです。
基本的な語句はピックアップされて用例、類語などが丁寧に解説されています。
こちらの方がうちの養女には合ってるような気がしますが、あれこれ使ってみて、自分が合うものを使えば良いです。さらに数冊手に入れてみます。
私は広辞苑を使っていましたが、これらに比べると、ただ当たり障りがない解説がしてあるだけで、素っ気なかったなという気がします。違う辞書に当たっていれば、また違った日本語能力になっていたかも知れません。
日本人の平均的な成人が理解する語句というのは約5万語という話ですが、そんなにもあるのか?俺も本当にそれぐらいあるのか?と思いましたけど、7万5千五収録の新明解国語辞典をずらーっと眺めていくと、大体2/3ぐらいの語句はわかるような感じです。やはりザッと5万語ぐらいなのでしょう。なぜだかわかりました。見たことがない語句でも漢字の字面を見れば、あらかた意味が想像出来てしまうからです。こう考えると表意文字である漢字というのは便利です。常用漢字2000ほど+αを覚えるのは大変ですけど、覚えてしまえば後は字面を見れば割と何とかなってしまうわけです。初期投資は大変だけどリターンは大きい、そんな感じでしょうか。
日本語は実に奥が深いし、辞書ってのも個性があるのだということを、この歳になって始めて知ったのでした。しばらく辞書を読んで楽しめそうな気がします。