2010年8月1日日曜日
ホック打ちプレス
安定してホックを装着するために、正式な名称は知りませんが「ホック打ちプレス」という感じのものを使うのですが、通常ホックというのは アタマ/バネ/ゲンコ/ホソ という4種類のパーツがあり、2対になって1セットのホックとなります。
つまり アタマ+バネを革に挟んで圧着、ゲンコ+ホソを革に挟んで圧着。この圧着するのに使うコマが同じものではないのです。コマも4つあり、2対になって使います。
ということは、 1種類のホックを圧着するには、1台のホック打ちプレスだと、アタマ+バネを付け終わったら、ゲンコ+ホソ用のコマをプレス機に付け直さないといけないという重大な問題が発生します。
大量にやるならいいんです。100個アタマ+バネをつけたら、コマを交換してゲンコ+ホソを100個つける、これだとコマをセットし直すのは1回だけで何の問題もありません。
しかし当店のように、時には5個、時には2個、時には20個ぐらいという中途半端な量が一番いけません。 コマの付け替えをするというのは、大した作業じゃないのですが、こういうことが実は非常に邪魔くさいんです。1セットだけホックをつけたいとなると、ホック打ちをするよりもコマの交換時間の方があきらかに長くてウンザリしてしまいます。コマの交換ぐらい20秒~30秒程度の事なので、面倒がらずにやればそれで解決するはずなのですが、嫌なものは何をどうしようと嫌だね。
「30秒の手間が嫌だとは、何だ下らない」と思われた方、それは間違いです。そういうほんのちょっとした嫌な事が毎日積み重なると、それがジワリジワリと精神に効いてきて、終いに病んできます。塵も積もって精神病み、一番困ったパターンですよ。
ではどうするか?というと、解決は非常に簡単で、2台のプレスを用意すれば良いのです。
1台のプレスに、アタマ+バネ用のコマをつけておいて、
もう一台のプレスに、 ゲンコ+ホソのコマをつけておく
この方法でしたら、打ちコマを付け替えるという邪魔くさい作業から未来永劫・永遠に解放されます。
この解決案を思いついたとき、自分が天才じゃないかと思いました、が、何のことはなく、誰でも一瞬で考えつくと思います。
そういうことだから、もう1台買ってくれば簡単に事が解決するかというと、実はそうも行かない。新品のプレス機が6000円ぐらいするんです。6000円ならゴチャゴチャ言わなくても良いじゃないか?と仰るかもしれませんが、自分がちょっと怠けたいだけのことに6000円を払うのは、どうも嫌なんです。嫌というか気が乗らない。このあたりが人間の業ってもので、理屈で解決できる問題ではないんです。
6000円を払うのは気が乗らないから諦めるか、というわけにも行かない。じゃあどうしよう?と思案したところ、中古品がゴロゴロしているところが1件あるのをふと思い出しました。
というわけで、青春ミシンさんにクリッカーを納品するついでに、整備前の錆びだらけの中古ホック打ち機ものを適価で譲ってもらってきて、再塗装したのでした。
結果、四方丸く収まり大満足となりましたとさ。
というかさ、最初から青春ミシンでホック打ちプレスを2台中古を買ってくれば良かったんじゃねぇ? と気づいたのでした。