2010年11月2日火曜日

中国製油圧クリッカーを買ってみるの巻 その2

本日11月2日。荷物の引き取りにいってみましょう。


これが本日の相棒となる2トンユニックです。正しくはクレーン付き2トントラックとでも言うのでしょうか。

ユニックを運転するのも久しぶり、というかザッと10年ぶりぐらいです。



午前9時半頃。荷物が置いてある倉庫に到着しました。
大きなお世話ですが、これはまた随分と貧乏くさい倉庫ですね。


積み込みをしてもらう準備完了です。


前は海、後ろはハトヤでもありませんが、こんな倉庫しかない埠頭でも海ってのはいいねえ。


おぉ、私の荷物を積んだリフトが来た、来た。
が、、、何か雰囲気おかしいアルヨ。


おいおい!何だ何だ?この情けないスノコは、、、、。
それ本当に俺の荷物?、、、のようですね。


どうやら木箱のつもりらしいです。Wooden case Packagedとはとても呼べない代物です。
海上コンテナ輸送を完全に舐めているんじゃないでしょうか。
これで商品に傷が付いたりしていなかったら、幸運としか言いようがありません。



ゴタゴタ言っていても始まりませんので、レバーブロックで荷物を締めて、この場からずらかります。
あまり荷物をきつく締めると、この情けない木の枠が確実に壊れますので、とりあえず「格好だけつけておいた」といった感じです。


ウチの工房に到着して、木箱らしきものを解体します。簡易包装とでも言いましょうか。解体が楽で、木っ端の廃材が少ないというところが実にエコですね。
何と、クリッカー本体にアタリも傷もありませんでした。実に運が良いことです。


ユニックの竿が天井ギリギリいっぱいで、吊りきれませんので、クリッカーの位置を荷台の後ろの方までレバーブロックを使って引っ張ってワイヤーを引っかけました。


では吊ります。


自分の力を使うわけでもないのに 「よっこらせっ!」 のかけ声。
重量は570kgですので、大したもんじゃありません。割と余裕です。
何でも良いけど、これは片荷じゃないですか?でもこれが規定の場所で吊っている状態です。

大きな画像で見ると、ウチのスタッフが後ろの方で心配そうに様子を見ているのがわかります。


所定の置き場所に微妙な位置合わせをしながら下ろしているところです。
玉掛け時はかけ声が決まっていて、下ろすときは 「スラーぃ!」 と言います。
ちょっと下げるときは、「ちょい スラぃ」と言って、小指をチョイチョイと上下に振ってクレーンのオペレーターに指示します。
このスラですが、ちょいと調べてみましたところ、英語のSlack(ロープを緩める)から来ているらしいです。

いずれにせよ一人で作業しているときは、意思疎通をしなければならない相方というものがいませんので、かけ声など必要ありません。


水平の位置もほぼOKで設置完了です。

ユニックの操作など、今後の人生で果たして役に立つものだろうか?とずっと思っておりましたが、案外役に立つものですね。若い頃に何でもやっておいて良かったです。覚えたことは決して無駄になりません。


200V単相の電源に接続して動かしてみます。
これで動かなければ、ただの鉄クズ。まさに真実の瞬間です。

結果、見事動きました。



全然信用していなかったストローク高さの自動調節機能ですが、驚くべき事にきちんと機能しております。疑ってごめんな。

上の画像にある調節つまみでプレス圧を調節します。高さは自動調節ですので適当に合わせておけばいいです。ハンドルのボタンを押すとプレス天板が下りてきて、刃型に接触し圧をかけます。調節つまみでセットした分の圧がかかると、自動で圧抜けして天板が上がり(戻り)ます。
これは文章で説明しても意味がつかみにくいと思いますので、下の動画をご覧ください。
(まだパイポを咥えています)



高さ調整の必要なし、というのは恐ろしく便利です。

当店の場合、19mm、23.8mm、30mmの刃型が混在しており、裁断時に刃型の高さに合わせたプレス天板の高さ調整というのはかなり面倒なことです。高さ調整を間違えると切れが悪かったり、刃型が裁断板に食い込んで取れなくなってしまったりと、かなりイヤな思いをさせられます。

日本製のクリッカーのカタログを見ても、自動高さ調整機能などついている様子はありませんので、 これはすでに日本製を超えてしまっているのですね。

モーターが妙にうるさく唸るのが難点ですが、あとは特に問題はなさそうです。裁断板も付属しており、何とアルミヘッドですので両刃の刃型も使えます。三相動力電源をわざわざ引かなくても、どこの家庭でも引き込まれている200V単相電源で使用でき、油圧オイルも入っておりますので、1年で壊れたりしなければ結構お買い得かもしれません。



というところで、当店はすんなり油圧クリッカー2台体制となりました。
ハンドクリッカーはMAIIIが2台設置してありますので、クリッカーは合計4台という大変豪華な設備になったのでした。

こう言っては何ですけど、余程大規模な工場でもない限り、クリッカー4台設備しているところなどなかなかありませんよ。

今回の 人柱企画: 中国製油圧クリッカーを買ってみるの巻 は、私が予想した以上にしっかりした機械で、しかもなかなか良いものみたいだぞ、ということで、今回はひとまず成功ということで、めでたし、めでたし、となりました。