2013年6月22日土曜日

みんな、ありがとう

また皆様からたくさんご注文をいただいてしまいました。


これでも一部なんですけど、忙しいことはありがたいことです。
言葉で「ありがとう、ありがとう」言っているだけではなく、たまには態度で示さないといけないですね。何が良いでしょうかねえ。考えておきます。

明日は何かまたストラップでも新しく作ってみようかと、以前受けた仕事で使ったストラップの剣先部分の刃型を引っ張り出してきて、それをそのまま使うわけにはいかないので、改良してみようかと、とりあえず現物をスキャン。


特に宣伝をしていないのですが、当店に「こういうものを作りたいんだけど」というご依頼があって、ウチで受けることはあるのです。デザイン画とかを送ってもらって、まず出来るかどうかから始まって、それが出来るならCADデータ起こし~試作~刃型の制作~型抜きまでという感じでやります。便利なのは面倒なことはすべてウチでやってしまうので、丸投げでできるということですね。
試作から完成まで、そのすべての工程をやろうと思えば私がやれますので(刃型は刃型屋さんに頼んだ方が間違いないですが)、そのすべてを一つのラインとして見通せるということに重宝していただいております。
たとえば、試作はあそこに持って行け、刃型制作はあそこに持って行け、型抜きはここに持って行けとか走り回るのは、実際にやってみると大変なんです。刃型の制作でも刃材はどれを使えば良いかとか、刃型屋さんだって知らない場合が多いですよ。刃型屋さんは革製品を作っているわけではないのですから、知らないのは当然ですよね。
型抜きも、何でもかんでも油圧クリッカーでガンガン打てば良いというものではなく、デリケートなものはハンドクリッカーの方が良いですし、裁断板もどれを使うかとか、ものによって変わってくると言う、なかなか奥が深いものがあったりもします。
また期待したものが出来なかった場合、一体どこが悪いのか調べるのも一苦労です。一カ所で完結できると、これが楽なわけです。

今回、テープ幅は30mmです。


とりあえずトレースしながら、自分好みの形状を作ってみます。

これはまた明日続きをやります。




3時過ぎたら、縫製にも飽きてきましたので、違うことでもやろうかということで、手縫い用のミシン目刃型でも作ってみましょう。


底面と側面のパーツを合わせて縫製するときの手縫い用の穴です。


こんな感じでミシン目の刃型を作るわけです。


底部のデータを引っ張ってきて、オフセットすればすぐにデータは出来ます。


場所によって、ミシン目のピッチが違いますので、線の長さを測って型紙に記入いたします。
線の長さは、定規やノギスを当てるとか、そういう情けないことをしなくても、CADが一発で計算してくれます。


実は私はこのトムソン刃を曲げるのは初めてです。
いつもはプロの刃型屋さんに頼んでいます。頼んでも高いものではないですけど、自分でやってみるということは重要です。


2x2mmピッチの刃を用意します。


トムソン刃は 23.7mm高で、いつも曲げているスエーデン鋼刃は、19mm高ですので、ベンダーの曲げ駒の高さが違うのですが、素人が見よう見まねでやっている事ですので、あまり深いことは気にしなくてOKです。


ここで 2.5x2.5mmピッチの刃に交換。


何とか、這々の体という感じで、汚い刃型ができあがりました。
こうやって実際に自分でやってみると、玄人がいかに難しいことを、見た目にはいとも簡単そうにやってしまっているということですね。

他人の仕事は簡単に見えるけど、実際にはそうではない、という良い再確認になりました。

逆に、実に簡単な仕事を、いかにも大したことをやっているように値打ちを持たせて、素人を騙したがる手合いが多いのも確かですけどね。