どうして作れないかというと、このグリップ部分です。見事な立体形状です。
誰がどう見ても立体形状です。
立体形状の場所には、革は貼り付けられません。なぜなら革は平面だからです。
無理矢理貼り付けようとしても、どうしてもこうやって皺が寄ります。当たり前ですよね。
これがオリジナルのグリップ部分の革を剥がした状態です。
これも立体成型の型を作れば、できないことも無いかも知れません。非常に微妙な物言いですが、おびただしい回数の試作を繰り返せば、できないことも無いかも知れません。
たぶん出来ないですが、一応やれるところまでやってみます。
初めてやることなので、全くノウハウがありませんが、とりあえず3次元デジタイザーで凸の骨組みを拾って、だいたいの感じでグリップ部分を盛り上げてみます。
3次元デジタイザーで拾った実測が上の画像です。とりあえずは適当で良いんです。もう何でも良いからグアーっと盛り上がり部分を計測します。カメラの設計データを持っているわけではないので、きちんとしたデータを取ることなど不可能に近いです。
だいたいで合わせて、多少のところは革の可塑性で丸め込むということでやってみます。
そして先ほど適当に取った実測線を下絵にしてトレースをしてみます。
そして、まあこんな感じで凹凸の絞り型をとりあえず作って、実際のカメラボディにこの3次元形状が合うかどうか、試作してみましょう。
合わなければ合わない部分を直して、再度ブロック型を作って、ということを延々と繰り返す羽目になります。やる前から気が遠くなるような話しです。
切削した凹凸のブロック。
上のブロックで成形した革です。
ボディに合わせてみます。
何とかいけそうな感じですが、どうだかなぁ。多少膨らみが違いますが、革の可塑性を利用して丸め込める範囲だとは思います。
これをもとに、今度はボディに合わせてカットする線を探し出します。