NEX3用ケースから作り始めて、正直NEX5用ケースは相当難しそうだったので、今回はパスしようかと思って、今回の担当者さんである澤村徹さんに
「NEX5用ケースは要らないですよね?」とお伺いを立てたら
「僕(=澤村さん)、NEX5を買ったのでぜひ作ってください」
しょうがない。茶を濁す程度にやってみるかと、一応やってみてダメだったら、やっぱり無理でしたすみません と言えば格好がつくかな、といい加減な事を考えながらも、手をつければ私も意地ですよ。
難関の底部形状は、三次元切削機MDX-40を使って革絞り型を当店で内製。
凸型を当てた状態です。
絞り型が一発で決まって、一気に難関クリアー。
楽をしたいなら、へこんでいる部分に革を重ねて段積みにしてそれらしくやるという方法もあるでしょうけど、私は出来れば製品を美しくスマートに作りたいんです。
絞り型を自分のところで内製するためだけに、深いこと考えずに Rhinoceros 4.0 と Roland MDX-40を導入してしまう店主の男気を買ってくれ。
そして立体成型底。
やっと完成しました。自分で言うのも何ですが、会心の一作だと思います。
鳴り物入りの立体成型底のおかげで、もうカメラの据わりが良いこと良いこと。フィット感も抜群に来てます。
そして、何よりも近未来デザインのカメラが一気にレトロに成り下がります、、、(な、成り下がるのか、、、?)
でもスクリーンのチルトだけは許してほしい。
上向きのチルトぐらいでしたら、こうやって使えないこともない、という感じですが、きっとちょっぴりイヤな気分になると思います。
そして、狂っているとしか思えない膨大な刃型治具類。計12セット。すべてNEX-5ケース専用。
良いですかな?皆さん。気違いってのは、うっかり意地になってここまでやってしまうんです。
しかし何ですな。仕事で一番面白いのは、ここまでのステージという気がします。この後、当然受注をして生産にかかるわけですが、生産のステージに入ると、それほどチャレンジングなわけでも醍醐味があるわけでもありません。ルーティンワークです。まあ、効率がよいルーティンワークに嵌め込むためにここまで試行錯誤して苦労しているわけなのですが。