また高速をぶっ飛ばします。案外遠いです。往復で70kmぐらいあるのではないでしょうか。
まず伊勢湾岸道。
次に知多半島道路→セントレアライン。
セントレアの貨物地区。旅客地区には未だ一度も行ったことがありません。
先回、ドリームリフターがちょうど駐機しているのを見かけたのですが、今回はいませんでした。
セントレアの税関は年中無休・24時間営業です。不景気で荷物が減って随分とヒマらしいですけど。
ちなみに航空貨物の通関は、海運の通関よりも楽です。余程怪しくなければ、税関職員立ち会いで荷物を開けて調査とかはないと思います。私は今まで2回ぐらい立ち会い検査に遭ったかな。私は余程怪しいんですね、きっと。
いずれにせよ、通関申告書の書き方さえ知っていれば個人で通関できます。
必要なものは、インボイス(に代わるもの)、B/L(Bill of Loading)、Package List、海外送金の伝票控え、印鑑、運転免許証ぐらいですかね。高くないものでしたら、何の書類もなしでも何とか頭を下げて適当に書類を作って消費税を払えば通してくれる場合もありますが、それは航空貨物の場合で、海運の場合はきちんと書類が整っていないと、かなり面倒なことになると思います。
だいたい20分ぐらいで輸入許可の判を押してくれます。
今回、荷物はANAカーゴに到着。
私の荷物を運んできました。
また軽自動車の後部座席を倒して無理矢理積み込みます。
持ち帰ってきました。木箱を開く瞬間はワクワクします。この期待感は、新しいデジカメの梱包を開く瞬間とは比較になりません。アドレナリンの上昇度は、おそらく遺跡の発掘しているときと同じぐらいなのではないかと思います(遺跡の発掘はしたことありませんけど)。
「おーい、何か出てきたぞー!!!」
ぐらいの気持ちです。あと500年ぐらい経てば、それぐらいの価値になる気もしますが。
しかし開いてみると、結構いい加減な梱包です。ドイツ人がやっていることとは思えません。
ドイツ人技術者の英知の結晶に対して、こんな扱いをするとは、、、と憤慨したくもなりますが、超弱気な販売価格からすると、販売者はこの機械に対して私ほど価値を見いだしていないようです。
「こんなものを欲しがるとは、まったく地球の裏側には珍しい奴がいるものだ」
ぐらいの感覚かもしれません。送料もちょいと負けといてやれ、というぐらいの勢いでしたので、倉庫の肥やしを処分できたぐらいなのでしょう。ちなみに個人売買ではないです。ドイツではこういうものが粗大ゴミの日にゴロゴロ放り出されているぐらいたくさんあるんでしょうか。
いずれにせよ、
売り手は「ちょっとぐらい安くしても良いから」と言い、
買い手は「まあまあ、ちょっとぐらい高くても良いんだからさあ、思い切って値段言って見ぃ」という非常に珍しいケースで、取引がまとまったわけです。
テスト縫製したサンプルがくっついています。
何と美しい。古き良き縫製機械という雰囲気満点です。
ラフレンボイル MS55。ユーロが暴落しているときにこの機械を買えた私は、かなり幸せだと思いました。中古の縫製機一つでこれだけ幸せになれるってのは、結構安上がりな男だなと思いますが、クランク式の靴底縫製機なんて、おそらく日本に何台もないですよ(モーターが付いているものでしたらいくらでもありますが)。
釜の部分です。実は下糸の巻き方がわかりません。釜からボビンが抜けないです。何か特別な方法で巻くのでしょうか。
靴用の縫製ミシンですので、田中ミシンさんだったら間違いなく使い方を知っていると思いますので、今度神戸に持って聞いてこようかな。しかし名古屋から神戸は遠いな。
つまり、使い方ぐらいすぐわかるだろうと甘く見ていたのが、全然さっぱりわからないという、ちょっと間抜けな状態です。
しかし見てください、この美しいメカ。どこもかしこも金属パーツで、プラスチックの部分など一つもありません。しかも不思議なことにどこも錆びていないです。おそらく50年かそれ以上昔に製造されたものだと思いますが、何と言いましょうか、ドイツでは鉄自体の根性が違うんじゃないだろうか?という気がします。設計者は「耐用年数200年」という事を平然と言いそうな感じですし、定期的に注油さえしていればあと100年はノートラブルで動くだろうという勢いが感じられます。
このメカ部分をカバーするガワも金属製で、厚みは7mmあります。銃撃にでも耐えることを想定しているのでしょうか、、、誰も攻撃しませんから、、、。
ハンドルを回すと、あちこちのパーツが規則的に動いてダンスをしているようです。しかも、電気仕掛けなし、油圧もなし。ただ機械仕掛けだけで複雑な動きを実現しています。これに比べるとライカぐらいは子供だましに近いような気がしてきます。
何かに似ているなと思ったら、未来少年コナンに出てくる機械のような雰囲気です。
もう何十分もハンドルを回して機械の動きに見とれているのでした。
その後、
誰もが思いつくだろうアイデアの中で、おそらく一番情けない方法で下糸を巻いて縫製してみました本当はどうやって下糸を巻くのだろうか?とにかく下糸のボビンが釜から外れないんですよ。
表側
裏側
糸は上糸・下糸ともに00番。
何と言っても釜が大きいですので、糸締まりがとてもいいです。
簡単ですが、ビデオも撮っておきました。
縫製時の複雑な動きをスローでご覧ください。
完成された一連の運動を繰り返します。 これはもはや芸と言っても良いでしょう。