2013年6月29日土曜日

Olympus Pen E-P5貼り革サンプル写真 - 販売開始しました

E-P5のサンプル写真を撮っていくことにいたします。


まずは手始めに4040。

この4040のシボがグリップのシボと割と似ているので、マッチング感がとても良いです。
しかもカメラボディが設計からして、革を貼るように作ってあるのです。本当かどうかわかりませんけど、どう見ても革を貼るように段差がついていますよ。

当店はオリンパスさんの関連企業でも何でもないただのそこら辺に転がっているサードパーティなのに、わざわざ当店のために革を貼るように設計してくださっているオリンパスさんは、やはり最高だと思います(ウチのためにやっているわけではないでしょうけど)。




4008。
4040はシボが細かいですが、それよりも多少荒いシボです。


4044。


オーカーリザード。本牛革型押しです。




昼過ぎに、神戸から田中ミシン(http://34n.co.jp)の専務がはるばる名古屋までいらっしゃいました。
田中ミシンさんは、靴用の縫製機械とかミシン業界ではかなり有名なところです。別に遊びに来たわけではないんですけどね。
田中ミシンさんでさえも、こういう突き合わせ縫いをするタイプは初めて見たそうです。そうなるとこの縫製機は相当珍しいですよ。


これはちょうど良いところに、ちょうど良い人が来た、ということで、先日ドイツから引っ張ってきたカメラケース縫製機(ブログ記事)の使い方というか、まず糸のかけ方を教えてもらいます。複雑な機械ですので、まずそれさえわからないんです。


やっと縫製機に糸がかかりました。こんな糸のかけ方などわかるわけねーつーの。自分でやれって言われてもできないかも。



なんか、色々なところを調整してもらって、ついでに正しい針位置も教えてもらったり。この機械に多用されている四角ボルトは、同じサイズの六角ボルトに交換したほうがメンテがしやすいとかのTipsも、さすがに普段から縫製機を整備している田中ミシンさんならではです。
田中ミシンさんがいなければ、一生この機械は使えなかったね。基本的にLandis(靴用の出し抜い機)と同じではあるそうです。


そして、私のグスタフ・ラフレンボイルMS55手動縫製機がご帰還。靴職人さんや靴修理やさんが結構ほしがる縫製機です。靴の底縫いはやっぱり縫製機なのだそうです。所詮手縫いとは糸締まりが違います。しかし、なぜか私は使いもしないのに持っています。
同型のMS200はたまに見るのですが、MS55はほとんど見ないです。MS200はモーター駆動仕様ですが、MS55はクランク駆動(=手動)で、それの何が良いのかというと、モーター駆動をしていないので、機械の状態が良いのです。

こういう半世紀も前の縫製機は、時代が下るに連れ、状態の良い物は入手が困難になってきます。古き良きヨーロッパの夢が目一杯詰まった機械が使えるのは、私の世代が最後かもしれません。このあたりの状況は中古カメラと同じですね。
ヨーロッパの縫製機どころか、最近は日本製の中古ミシンも枯渇して弾数がありません。中古の日本製革漉き機にいたっては、ほぼゼロ状態。これから手作りを卒業して、ミシンなどの設備を入れようと考えても、状態の良い中古が少ないので、簡単ではなくなってきてしまっているのですねえ。私は早いうちにそれを知っていたので、だいぶ得をしたわけです。

この機械はどこで買えますか?とか寝ぼけた質問がたまに来るのですが、そこら辺に売っているものじゃないから、私がいちいち見せびらかして自慢しているのです。お願いですから、私ではなく田中ミシンさんに聞いてください。しかも、壊れた時に直せるのは田中ミシンさんぐらいですよ。



さて、仕事に戻りましょう。


ベージュリザード。牛本革型押し。


ブルーリザード。牛本革型押し。


ブラックリザード。牛本革型押し。


キャメル。表面フラット。


ネイビーブルーリザード。牛本革型押し。


レッドリザード。牛本革型押し。


ディープピンクリザード。牛本革型押し。

続きはまた明日。


そして日付は変わって今日は6月30日。日曜日。
明日から新しいスタッフが来るので、ちょっと片付けをしておりまして、遅くなってしまいました。


ネイビーブルーシュリンク。牛本革。


チェリーウッド。

以上です。予定価格フロント2ピース+リア1ピース。予定価格、税送料込み2000円。

もうイエローリザードとか、ライトグリーンリザードは、売れない革ですので、今回はリストはやめておこうと思います。

結局三脚を立てて、ビデオは自分撮りをして、アフレコしました。
一カ所貼り付けが難しいところがあります。必ずビデオをご覧いただいてご理解をいただいてから貼り付けを行ってください。見ないと失敗すると思います。






Olympus PEN E-P5 貼り革キット





2000円税送料込み 
販売ページからどうぞ。

2013年6月26日水曜日

草刈り機ゲット

わざわざ金を出して買うほどものでもないし、それほど使う当てもない、でも何となく欲しいというものが、まあ誰にでもあると思います。私の場合は、草刈り機。昔から欲しいと思っていたのですが、とうとう手に入れました。親父がどこからかもらってきたのです。


おそらく前の持ち主も、買ったのは良いけど、大して使う用事はないので、そのうちに物置の隅に放っておかれて、邪魔になってしまったのでしょう。


エンジンがかからない状態でしたが、Googleで「草刈り機 修理」で検索すると、結構たくさん出てくるのです(リンク)。世の中にはこれほど草刈り機を修理する人がいるものなのか?と、驚いてしまいます。これだけページがヒットするのですから、実際にいるのでしょう。世の中は実に私の知らないことばかりです。

消耗部品をヤフオクで買い(数百円)、交換したら直りました。


刃もついていますから、後は天気が晴れるのを待つだけです。


何に使いたいのかというと、工房の隣が空き地で、草ボウボウで虫がわくので、これをグワーっと刈り取ってやりたいのです。
ちょっと暖かくなるとワサワサ雑草が生えてくるのです。どうです、これ?羊でも放し飼いにしたいぐらい生えてますよ。
こうなるとバッタやらカマキリやらムカデ、蚊、蝶、蜂、蛾、便所蜂、ケサランパサランやら何でもありで繁殖します。もうオマエらこっち来るな!と言ったところで、相手さん方はこっちの事情はお構いなしです。このまま放っておくと、きっとそのうち蛇も出てくるね。

鎌でチマチマ刈るとかは、「何で俺ほどの男がそんな老婆仕事をやらなくてはならないのか?」そういうことは嫌なのです。あくまで草刈り機を景気よく振り回してグワーっとやりたいです。
というか、去年と一昨年は建設会社が資材置き場としてこの土地を借りていたので、「草刈りしてください」とお願いしたら、監督さんが炎天下の中で汗だくになりながら鎌で草刈りをしていたのを見ているので、あれは絶対やるものではない、と知っているからです。

他人様の土地ですので、勝手に草刈りしてもいけないでしょうから、一応管理会社にTELしたら、不機嫌そうに「勝手にしてくれて良い」と言われました。金を請求されると思ったのでしょうか。


このワサワサした雑草軍め、首を洗って待っていろ。




雨が上がったので、晴天まで待っていられないということで、早速草刈り開始。
このエンジン音がまた気分をもり立てるのです。この俺が粉砕してやらんず!という感じです。




スカッとさわやかコカ・コーラ

実に気分爽快。雑草軍は見事に木っ端微塵となりました。
草刈りは満足感が非常に高いです。

刈った草は片付けずにそのままですから、その内に枯れて、土に帰ってまた養分になるのですよね。そうしたら、また幾ばくもしないうちに雑草がワサワサと生えてくるのでしょうね。

早くまた生えてこないかな?と期待しております。また草刈機を振り回して大暴れができる、という除草がしたいのではなく、草刈機をブン回したいだけという、何だか本末転倒な気がしないでもないです。この際だから、鶏糞でも撒いて雑草の成長をブーストしてやろうか?と、更にロクでもないアイデアも浮かんできます。

そう言えば、愛知用水の管理道路が夏になると、もう大変な勢いで雑草が生えてジャングル状態になっているのを思い出しました。管理道路ですので、普段は人間も車も通らないので、雑草が生え放題なのです。今度はぜひそこで草刈機を振り回して大暴れをしてみたいと思います。

2013年6月23日日曜日

幅広ストラップの試作

昨日の続きです。


とりあえずこんな感じの形状で線を引きましたので、これをカットしてみます。


カシメは本来必要ないのですが、折り曲げ時の位置合わせで仮につけております。
カメラのストラップは、カメラに傷がつかないよう、なるべく金属部品を使わないのが基本ですね。


ラグカバーの部分が大きいと、小さいカメラにつけたときに鬱陶しいですから、このぐらいの大きさで良いと思います。



試作3個目。


ストラップ部分のテープより1.5mmほど幅広です。


先ほどのものとどちらが良いとか何ともいえませんが、革の端を揃えるなら多少幅広にするしかありません。



試作4個目。カットしてくれない部分があるのは、ここがベジェ曲線のためです。


丸みを帯びさせてやると、先ほどの角張ったものと比べて、テープ幅と剣先幅の違いが多少目立たなくなるような気がします。


この多少丸みを帯びさせた方向で進めて参りましょうか。


こういう型押しも入れようと思えば入れられます。
アクリルをレーザーで削ればすぐに出来てしまいます。




試作5個目。
リングカバーの形状を多少いじってみます。


ちょっと細すぎかな。もうちょっと太くても良いですね。




 試作6個目。
リングカバー部分を多少太らせてみます。


これがベストとは言いませんけど、まあ、良いんじゃないでしょうかねぇ。


比べるとこんな感じです。
だいぶ雰囲気が変わりましたね。こうやって変化を見ると、試作というのは結構面白いもんだと思います。
まあ、どっちが良いか、というのは好みですけどね。

ここでちょうど午前中が終わりましたので、昼からは、刃型を曲げていきたいと思います。




日曜日なので、ずいぶんチンタラ仕事をしてしまって、2時半になってやっと3つの刃型を曲げ終わりました。


やっぱり刃型でカットすると、カット面が実に美しいです。ピシッとしますね。



裏はスエードを貼ってあるので、カメラボディに優しいです。


これはもしかして、と思って、ストラップ部分を短くして輪っかにしてつないでみたら、リストストラップになってしまいました。

何と!同じ部品でショルダーストラップも作れるし、リストストラップも作れてしまいます。1セットの刃型で2度美味しいという、作った自分でも想定外の驚くべき結果になったのでした。



あとは、ショルダーパッドを試作しようかと思いましたが、今日は日曜日ですし、ここまでにします。

2013年6月22日土曜日

みんな、ありがとう

また皆様からたくさんご注文をいただいてしまいました。


これでも一部なんですけど、忙しいことはありがたいことです。
言葉で「ありがとう、ありがとう」言っているだけではなく、たまには態度で示さないといけないですね。何が良いでしょうかねえ。考えておきます。

明日は何かまたストラップでも新しく作ってみようかと、以前受けた仕事で使ったストラップの剣先部分の刃型を引っ張り出してきて、それをそのまま使うわけにはいかないので、改良してみようかと、とりあえず現物をスキャン。


特に宣伝をしていないのですが、当店に「こういうものを作りたいんだけど」というご依頼があって、ウチで受けることはあるのです。デザイン画とかを送ってもらって、まず出来るかどうかから始まって、それが出来るならCADデータ起こし~試作~刃型の制作~型抜きまでという感じでやります。便利なのは面倒なことはすべてウチでやってしまうので、丸投げでできるということですね。
試作から完成まで、そのすべての工程をやろうと思えば私がやれますので(刃型は刃型屋さんに頼んだ方が間違いないですが)、そのすべてを一つのラインとして見通せるということに重宝していただいております。
たとえば、試作はあそこに持って行け、刃型制作はあそこに持って行け、型抜きはここに持って行けとか走り回るのは、実際にやってみると大変なんです。刃型の制作でも刃材はどれを使えば良いかとか、刃型屋さんだって知らない場合が多いですよ。刃型屋さんは革製品を作っているわけではないのですから、知らないのは当然ですよね。
型抜きも、何でもかんでも油圧クリッカーでガンガン打てば良いというものではなく、デリケートなものはハンドクリッカーの方が良いですし、裁断板もどれを使うかとか、ものによって変わってくると言う、なかなか奥が深いものがあったりもします。
また期待したものが出来なかった場合、一体どこが悪いのか調べるのも一苦労です。一カ所で完結できると、これが楽なわけです。

今回、テープ幅は30mmです。


とりあえずトレースしながら、自分好みの形状を作ってみます。

これはまた明日続きをやります。




3時過ぎたら、縫製にも飽きてきましたので、違うことでもやろうかということで、手縫い用のミシン目刃型でも作ってみましょう。


底面と側面のパーツを合わせて縫製するときの手縫い用の穴です。


こんな感じでミシン目の刃型を作るわけです。


底部のデータを引っ張ってきて、オフセットすればすぐにデータは出来ます。


場所によって、ミシン目のピッチが違いますので、線の長さを測って型紙に記入いたします。
線の長さは、定規やノギスを当てるとか、そういう情けないことをしなくても、CADが一発で計算してくれます。


実は私はこのトムソン刃を曲げるのは初めてです。
いつもはプロの刃型屋さんに頼んでいます。頼んでも高いものではないですけど、自分でやってみるということは重要です。


2x2mmピッチの刃を用意します。


トムソン刃は 23.7mm高で、いつも曲げているスエーデン鋼刃は、19mm高ですので、ベンダーの曲げ駒の高さが違うのですが、素人が見よう見まねでやっている事ですので、あまり深いことは気にしなくてOKです。


ここで 2.5x2.5mmピッチの刃に交換。


何とか、這々の体という感じで、汚い刃型ができあがりました。
こうやって実際に自分でやってみると、玄人がいかに難しいことを、見た目にはいとも簡単そうにやってしまっているということですね。

他人の仕事は簡単に見えるけど、実際にはそうではない、という良い再確認になりました。

逆に、実に簡単な仕事を、いかにも大したことをやっているように値打ちを持たせて、素人を騙したがる手合いが多いのも確かですけどね。