2014年1月24日金曜日

Sony α7/α7R 貼り革キット サンプル写真 &販売


大きな仕事が入ってかかり切りになってしまっていて、すっかり遅くなってしまいましたが、販売いたしました。

こちらのページからご購入いただければ幸いです
http://aki-asahi.com/store/html/A7/Leather/A7_LeatherKit.html


サンプル写真です。


4008(合皮)


4040(合皮)


4044(合皮)


ベージュリザード(本牛革)


ブラックシュリンク(本牛革)


ブラックリザード(本牛革)


ブルーリザード(本牛革)


キャメル(本牛革)


ディープピンクリザード(本牛革)


ライトグリーンリザード(本牛革)


ネイビーブルーシュリンク(本牛革)


ネイビーブルーリザード(本牛革)


オーカーリザード(本牛革)


オリーブグリーンシュリンク(本牛革)


レッドリザード(本牛革)


イエローリザード(本牛革)


チェリーウッド


ウォルナット


カーボンパターン(リアルカーボンではありません)


現在、貼り付けガイドビデオを編集中です。販売価格は2100円税送料込み。



貼り方ガイドビデオを撮って編集しました。
貼り方はそれほど難しくありません。割と誰でも失敗なく貼り付けられると思います。

ミシンの減速プーリー 続き

一昨日の投稿で、ミシン用のアイドラープーリー(減速プーリー)を手に入れてきたという投稿をしたのですが、これはまたいつものごとく青春レザーミシンから強奪してきたものです。


強奪してきたというのはウソですけど、よくあるアイドラープーリーとはちょっと違います。
何と青春レザーミシン自家製なのです。簡単に分解できます。


止めネジを外します。


ベアリングがついていますけど、簡単に外れます。


小径プーリーも引っ張れば簡単に外れます。


大径プーリーも同じく外れます。
この2つのプーリーは特製ではなく、ミシン屋さんで普通に手に入る汎用のミシンプーリーです。1個数百円で買えます。
つまり、減速比の変更は径の違う汎用プーリーを買ってくれば自由に出来るのです。


プーリーがはまる軸です。


プーリーの切り欠きに合わせて凸になっておりますので、プーリーが滑ることはありません。


ベアリング、プーリーともに汎用品。軸は削り出しで特注だと思います。L型ステーは、レーザーカットしている感じです。このL型ステーは汎用品で手に入るような気がしますけどね。

汎用品を組み合わせてここまで作ってしまうとは素晴らしい。アイデア勝ちという商品です。でも削り出し部品が高いでしょうけどね。簡単なものに見えても、削り出しをするとなると市販品と比べると桁違いに高いのです。

さて、また親父を呼んできて、ミシンに取り付けしてもらおうかと思います。


さて、親父はいるかな?防犯カメラでチェックしてみましょう。
古いスマートフォンを防犯カメラのモニタとしてデスクトップの横に置いて使っております。PCのモニタに映せばいいのでは?と思われるかも知れませんが、これが案外作業の邪魔になるのです。別のモニタにした方が便利です。上の画像の矢印先が防犯カメラのモニタです。


おぉ、いるいる。ここに親父の自転車が写っているということは、今日は隣のデッキ工事屋にアルバイトに来ています。昼頃終わるでしょうから、その後はウチに来てもらいましょう。





そして、昼から親父登場。
これはサーボモーターだから減速プーリーは必要ない、と言い張ります。やらない理由を探すことは名人芸の域に入っていると思います。
それはもっともなことなのだが、モーターで減速するのと、プーリーで減速をするのでは、ミシンの走り方(針の動き方)がどういう理由かわかりませんが微妙に違うのです。だからわざわざ減速プーリーを手に入れてきたんですよ。


そして、ベルトの長さが合わないだのなんだかんだすったもんだして、何とかアイドラープーリー取り付け完了。


下糸巻きを犠牲にしましたが、サーボモーターで減速した時と比べて、あきらかに微妙にミシン針の動きが違います。この動きが私の踏み方に合っているので、快適そのもの。


うーん、大満足。

2014年1月22日水曜日

また機械の故障

あれこれ機械を持っていると、年がら年中とは言いませんけど、ちょくちょく故障して修理をすることになります。機械というのは基本的に壊れるのが当たり前というものなのですから仕方がありません。

今回は、油圧クリッカー。30年ものの中古で、2年前に故障してこれはもうダメかな?と諦めかけたのですが、モーターを新品に交換したら何の問題もなく復活という矢鱈目ったら丈夫な機械です。仕事で酷使される機械が、故障するとは言え30年も動くというのはすごいことですよ。つまり構造が単純なのです。

今回は、油圧の高さ調整が故障しました。
数年前に一度故障している部分ですので、故障している理由と、直し方はわかります。


毎度の事ですが、親父を呼んできて修理してもらいます。
親父もいい加減にこういうことをやらされるのが嫌だと思っているようで、見る前から「こんなもの直らんぞ」と言い張りますけど、「絶対に直るから、とりあえず機械を開けて見ろ」と無理強いしてやらせます。まあ、毎度の事です。


油圧と、多少の電線と、高さを調整するワイヤーのみというとても簡単な構造です。


高さ調整のワイヤーが切れているだけのことです。

ワイヤーが足りないだの、ワイヤーが太いだの、ゴチャゴチャ言って逃げようとするのですが、
「合わないなら、合うワイヤーをホームセンターに行って買ってこい」と一喝。結局親父もホームセンターまで行くのが面倒なので、黙ってそのまま直していました。
またもや正義が勝った瞬間です。

毎度毎度、ブツクサ言って逃げようとしても、結局
「もうご託は結構だから、俺の言ったとおりのことを黙ってやってくれれば、それでうまくいくんだよ!わかったか」
と一喝されて、結局やるんですから、はじめから黙ってやれば良いと思うんですけどね。それぐらいもう学習したらどうか?と私は思うのです。しかもちゃんと小遣いをやっているのですよ。



1時間ほどで修理完了。



見事元通り。今後もたまに故障すると思いますが、あと30年は動いてくれそうな勢いです。私が購入して6年ぐらい経過しているのではないでしょうか。お値段42万円。この機械がウチに来てから稼いだ金額を考えると42万円などほとんどタダみたいなものです。

とにかく丈夫で、良く稼いでくれて、かなり気に入っている機械なのですが、この色は何とかならないのか?と思うのです。いくら色のセンスの違いと言っても、よりによってピンクを塗るメーカーのセンスは一体何なのだろう?しかもボディの方はコクヨの事務机みたいなネズミ色ですよ。ピンク+ねずみ色のツートンカラーって一体どういう感覚なのでしょうか。中古なので、私もこの色以外選択がなかったのです。


これに限らずクリッカーというのは、どの個体を見てもたいがい個性的というか不思議な色をしています。黒ではダメなのだろうか?と思って、私がこのMAIIIクリッカーの日本輸入代理店を始める時に、日本向けは黒にして欲しいとお願いしたら、日本向けだけではなく、すべてそれまでの水色から、日本向け以外もすべて黒に変わりました。この水色も決して悪くはないのですが、塗装が剥げたところをタッチアップする時に、こういう微妙な色はホームセンターで手に入らないのです。黒のラッカースプレーだったらどこでも売っていますよね?


こんな感じで、私はカラー変更前のMAIIIを使っていますけど、長年の使用でハンドル部分の塗装が剥げてしまっております。でもこの色が手に入らないので、再塗装できないのです。

これも私がMAIIIクリッカーの正規輸入代利店をするときに購入したものですのでかれこれ5年ですね。この5年でだいぶクリッカーも広まって認知されてきたことと共に、小規模な革製品制作という分野が、ひたすら革包丁でカットするという非能率でさっぱり利益が出ないものから、刃型を使って効率的に正確なカットをして、それなりの利益を出せるというものに変化しつつあるのです。大げさな言い方かもしれませんが、MAIIIクリッカーが産業構造(家庭内手工業的革製品制作分野)に改革をもたらしているわけです。
ここで思い切ったことを言ってしまうと、ほとんどのハンドメイドで革製品を作っている業者さんは利益らしい利益が出ていません。一人親方で、5年前と同じく自宅の一室で手作りしているというのなら、客観的に見て利益が出ていないという明らかな証拠なのです。これが今までの日本の普遍的な小規模な革製品製作業。これがMAIIIが普及することによって変わってきたわけです。

サポートでMAIIIクリッカーのユーザーさんと話すことがよくあるのですが、ほぼ誰もがが一日たりとも手放せないアイテムになっています。それとなく聞いていると、どうも結構儲かっているらしい、という話しぶりが実際多いです。一日たりとも手放せない道具になれば、そのうちに無理に勧めなくても自然に2台目を持つという考えになります。

当店はもちろん2台持ちですが、ユーザー様の中にも2台目の購入という方さえ出てきています。基本的に常用の機械というのは、もし故障した時でも仕事を止めないために、余裕があれば普通に2台持つという思考が、誰に押しつけられることもなく、ごく自然にわいてくるのです。当然ですが、ウチは油圧クリッカーも2台持っています。レーザー加工機も、ミシンも2台。仕事が止まれば、機械が直るまで毎日指をくわえて売り上げゼロに耐えるなどと言うことは、普通出来ないのです。特に人を雇っていると、仕事が止まることによって被る損害は、死活問題になりかねません。

ついでに言わせてもらいますと、これは油圧クリッカーよりもさらに構造が単純ですので、5年ぐらい使っておりますが、まったく故障しません。


修理後は、高さの調整ダイヤルの位置が変わってしまうので、19mm、23.8mm、30mmの刃型の高さに合わせて目印をつけておきます。これをやっておかないと、刃型が裁断板に食い込んで、大変厄介なことになります。



さてお次は、ミシンの縫製速度を落とすための物体


アイドラープーリーというものです。これだとモーターの速度を1/3に落とせます。


ウチのミシンはサーボモーターを積んでいますので、速度はサーボモーターでいくらでもゆっくりに調整できるのですが、アイドラープーリーで速度を落とすと、理屈としては3倍のパワーが出るので(速度は1/3になります)、針の貫通力が出るのです。厚物を縫う時に重宝します。と言っても、ウチは厚物はほとんど縫わないのですが。
まぁ、ゴチャゴチャと機械に手を入れるのが好きなのです。



メインのミシンにはアイドラープーリーをつけてあるのですが(上の写真)、サブのミシンにはつけてないのです。
ミシンというのは、複数台あって踏み具合が違うと非常に苦痛なのです。本当は同じメーカーの近い型番のミシンを使って、同じサーボモーターをつけて同じ設定にすれば良いのですが、そういうわけにもいかないので、少しでも似たような設定にして近い動き具合にしたいわけです。

また親父に装着させないといかんのですが、親父はクリッカーを直したらさっさと帰ってしまいました。

2014年1月19日日曜日

三次元形状のグリップの貼り革を考えてみる

デジカメについているグリップですが、よくこういう形のものがあります。


自由曲面とでもいうのでしょうか?とにかく複雑な三次元形状のものです。

三次元CADで設計したと言うよりも、ポリゴンモデラーで作ったような形状ですね。こういう形状はメーカーの設計者さんたちは、どういうソフトを使ってどうやってモデリングしているのでしょうか。私のようにRhinoceros  + TSplinesでやっているわけではないと思います。こいうことは私は全くわかりませんが、興味がそそられるところです。


こういうグリップの貼り革を作って欲しいというリクエストが多いのです。


ただ、革というのは皆様もご理解されているように平面です。平面のものを曲面に貼るということは基本的に理論として出来ないのです。これはつまり、世界地図を思い浮かべていただいて、球面の地球を平面の地図に無理矢理描くと、グリーンランドがやたら大きくなってしまったりする、それと似たようなものです。あの平面の世界地図を球体の地球儀に綺麗に貼れたら、私が何か好きなものをご馳走してあげますよ。

これは一枚の紙を用意していただいて、この自由曲面形状に貼ってみても一目瞭然です。
革というのは紙よりは多少伸びたり縮んだり融通が利きますが、それでも平面の革をこういう形状にうまいこと貼り付けるのは無理でしょう。


当然と言えば当然ですが、こうやって皺が寄るのです。つまり貼りきれないわけです。

革絞りをやって作るという方法なら可能でしょうけど、この自由曲面を綺麗にトレースするということは、リバースエンジニアリングという分野で、当店ではちょっと難しいです。うちの作業スピードだと1年かかっても難しいと思います。

基本的に出来ません。

ただ1枚ものでは出来ないですが、2ピースにしたら出来るかも知れません。


こんな感じで、ベースとなる1ピースの方は進めてみます。
適当に線を描いているように見えると思いますが、この形状の線を描くのに10個以上切って貼ってを繰り返しております。



何か少しだけ光明が見えてきたような感じです。


残りの部分のピースの形状を探りながら描いていきます。


線の描き方には何の理屈もありません。合わない部分の線を引き直してカットして、また線を描き直してと言うただの根気勝負を繰り返します。
直線とか、Rの数字がきちんと決まっている曲線とかはありませんので、自由曲線の制御点をちょっとずつ動かしながら曲線を調整していきます。


20回ぐらい繰り返して、やっとここまで。だいぶゴールに近づいているようです。あと2,3回繰り返せば継ぎ目が合うと思います。

どうしても柄物は継ぎ目が目立ちますので、これはツートンにすれば割と見られるようになるのではないでしょうか。