20年前ぐらいに知り合いだった人で今は全く連絡も取り合っていない人がいるのですが、1年に一度ぐらいその人のWebサイトを見て、近況を知るみたいなことをしています。
最近、その人はクロスバイクにハマっているらしく、それがまた随分と熱が入っていて楽しそうだなという雰囲気で、電動ママチャリしか持っていない私もここは一つクロスバイクを買ってみようかと思い、早速買ってみました。
今自転車がコロナの影響で売れに売れていてかなり品不足で、なかなか手に入らないのですが、ちょうどKhodaabloom Rail Activeという車体がコストパフォーマンスが非常に高い(ただそれほどメジャーではない)ものが入手可能だったので、早速それを購入。
その20年前の知り合いだった人はデザイナーというご職業柄でしょうか、Tern RIPというとてもおしゃれな自転車を選択されていましたが、私は自分らしく割とダサめのものを選んだという、なかなか所持するものの選択で人間性がよく出るという良い例ですね。
注文して4日ぐらいで納車されたので今の時期結構早かったと思います。
地味な色を選んだのは盗難防止のため、それだけです。目立つ色は盗まれやすいという話を聞きますからね。それよりもまず私は割と年寄りくさいものを選択する傾向にあるのです。
それにしてもこのフレームの色はどこか見慣れた色だなと思っていて、ふと気づいたらこれはまさに塩ビ管の色そのものだよね。ちょっと失敗したかな。
車体9.8kgというのは、いつも25kgの超重量級の電動ママチャリに乗っている人間からするともうバチクソ軽い。ショルダー・プレスのようにこれを片手で天高く持ち上げても余裕でモンキーダンスできるぐらいの驚くべき軽さ、この軽さは感動的でもあります。とにかく泥除けとか、前かごとか余計なものを極力つけず、という姿勢です。
また自転車というのは、人力でもこれほどよく走ってスピードが出るものなのか、という感動もありました。しかもブレーキがよく効くのです、というよりもこれが普通のレベルで電動ママチャリのブレーキが効かなすぎということが理解できました。超重量級の電チャリにあのチープなブレーキは危険だろう、あれはちょっとおかしいぞ。
上り坂は電動アシスト自転車に比べて全然辛いけどね。でも往復70kmぐらいは脚力のない人間でも普通に走れました。
ただ私の住んでいるところとか、私のライフスタイルでは、クロスバイクというのは非常に不便なことに気が付きました。
荷物を積んで買い物とかなら電動ママチャリに乗るわけで、前カゴひとつつけていないクロスバイクでは何も荷物が乗りませんし、クロスバイクに前かごやリアキャリアなんぞはつけたくもない。そしてどこかに走りに行くとなると、自分の家が起点になるのであまり遠くに行かれないわけでクロスバイクでの行動範囲が決まってしまう。つまり名古屋郊外在住の私が豊田安城サイクリングロードを走ろうと思うと、まず自転車を漕いで豊田まで行かないといけない。サイクリングロードを走り終わってやれやれと思ったら、また帰りというものがある。
クイックリリースだから前後タイヤを簡単に外せるので、輪行とか自分の車(軽自動車)の後ろに積んで目的地に運んで、そこで組み立てて自転車に乗るという選択ももちろんありますが、結局面倒なのでやらないんです。(この自転車自体には何の不満もありません。価格を考えたらもう満点)
何かもっと簡単な方法はないかな?ということで折りたたみ自転車。
これあれだろ?酔ったようなオジサンがでかいケツ乗せてチンタラ漕いでパチンコ屋に行くオモチャみたいな自転車。あれを見ると「いい大人がこんなオモチャみたいなのにしか乗れないのか、気の毒に」みたいなイメージを持たれる方も多いかと思います。
こんな子ども用自転車の車輪に長いハンドルポストとシートポストで車高を無理やり稼いで大人が乗れるようにしたみたいな、それでいて折り畳めるみたいな無茶な構造の危なかしい自転車が走るのか?という疑問がわきますが、これがある程度しっかりしたものならかなり走るのですから驚きです。スポーツタイプもあるし高いものは何十万円するものもある。
とりあえずリサイクルショップで雨ざらしでサビサビ・コテコテのDahon Routeを1台購入してきました。12000円。今から考えるとちょっと高いですが、自転車整備の勉強になりました。
前後Vブレーキ新品交換。
グリップ、シフター新品交換。
前後のハブを分解清掃グリスアップ。ボトムブラケット分解清掃グリスアップ。当然ベアリングの玉当たり調整。
スプロケット、チェーン、ディレーラー、タイヤ、チューブ新品交換。
やれることはほぼ全てやったという感じで、とても良い勉強になりました。このコテコテの自転車がなければ自転車の整備ということを絶対に覚えなかったでしょう。ピカピカの自転車を捨てるつもりでバラすなんてことは素人はやりたくないものです。ただ部品代、自転車用工具などなどを総計すると新品のDahon Routeが買えてしまうぐらいになってしまったのにはちょっと閉口します。
この自転車の名前は「ぬらりひょん号」としておきます。
リムの振れ取りも横ブレ縦ブレともにやりました。
自作の振れ取り台。8000円ぐらいで売っている振れ取り台よりも全然安定していて使いやすいです。エンド幅もミリ単位で自由自在。縦ブレ取りも使えます。
折り畳み自転車が一台だけだと夫婦でサイクリングということができないので、もう一台購入。Dahon Suv-D。ほぼ新品で近所の人から譲っていただきました。12000円。これはほぼいじるところがなかったです。やったのはディレーラー調整ぐらいでしょうか。
ドルフィン形状のフレームで非常に美しいシルエットです。ただ鉄フレームなのでちょっとだけ重い(13.7kg)のが難点です。
しかし、友達がこの自転車を15000円で売って欲しいというのですぐ売却。
速攻で次の自転車を購入。
CBAアルブレイズ、ほぼ新品タイヤなんてヒゲまでついている状態のピカピカのものです。これもリサイクルショップで購入。防犯登録などこんで13000円ぐらい。フレームに転んで付けたような傷が一箇所あったので、新品で買っていきなり転んで、そこで嫌になって乗らなくなって売り払ったという経緯が想像できます。
これはサイクルベースあさひの出しているものなのでルック車(見掛け倒しの安物自転車)と思われがちですが、実は相当気合入っていて本格的なものです。ただデザインはDahon Suv-Dに比べてだいぶ落ちますが。
まず8段変速。今までのDahon RouteとかDahon Sub-Dというのは6段とか7段変速なのですが、実は自転車というのは7段変速(それ以下)と8段変速には超えがたい高い壁が存在しているのです。ボスフリーハブとカセットハブというシステム自体がぜんぜん違うもので、7段以下(14段21段という7の倍数も含む)はぶっちゃけチープな部品をかき集めて組んだ安売り専門に作られた自転車。8段変速以上から普通の自転車の世界に入るという、そういうものです(例外はある)。リアスプロケットが8枚以上ついていれば、まあルック車ではないな、というのが判断材料です。
こんな折りたたみ自転車にシマノのラピッドシフターがついている、これはすごいな。実にシフト操作が小気味よいです。ギアチェンジがパシパシッと決まるのは非常に気分が良いです。
とにかく走りやすいので70kmぐらいの距離は特に問題なく走れました。
これはハンドルポストが少々高い以外は特に不満もなく、ほぼ新品だったので全くいじるところもなしという完成度が高いお買い得なものでした。
このアルブレイズはカミさん用になっています。老齢期に差し掛かった夫婦がひなびた中古の折りたたみ自転車を買ってきて、日曜日に川沿いを夫婦でのんびりとサイクリングする。これまた慎ましい庶民生活の中、身の丈にあったやり方で精一杯人生を楽しもうとしている健気な姿を感じさせ、なかなか意地らしくもあり微笑ましくもあり、ちょっぴり哀愁をも感じさせるものがありますね。一種「わび」の世界をまさにここに体現している、そんな気がします。秋のうららかな気候のもとでサイクリングは爽快ですよ。でもカミさんは半分渋々サイクリングに付き合っています。
このアルブレイズの名前は「ねこ娘号」にしておきます。
しかしながら8段変速は実に乗りやすいです。というのは6段変速のトップの上にもう一枚重いギアがあり、ローの下にもう一枚軽いギアがあるという余裕はとても良いです。実際のところ普段使いは6段で特に問題はないですが、しかし両側にもう1段ずつ余裕がある、これは素晴らしいことです。きつい坂道を登っているときにもう一段軽くできる、見通しの良い下り坂でトップギアを踏みきってしまっているときにもう一段重くできるということです。
私の脚力で最高速40km出せるのは相当な驚異です。小径ホイールのため見た目が子供用自転車とそう違いはないので、これで40kmオーバーのスピードって気違いかという気がしますが、シマノのVブレーキは本当によく効きます。スピードが出ることよりも制動がしっかりしているほうが機械としてはより重要なことだということが深く理解できます。
Dahon Routeが6段変速なのが気に入らず、8段カセット化などというこれ以上金がかかることをやる気にもならないので、8段変速がついている折りたたみ自転車を探すことにしました。
そしてヤフオクで4200円で落札してきました。直接引き取りなので4200円ポッキリ。それプラス防犯登録で600円。
自動車のMINIブランドで出しているDahonのOEM。説明文にDahonと入っていなかったので、価格がせり上がらなかったというラッキーな一品。
見た目ちょっとボロかったですが、タイヤ、チューブ交換、ディレーラーの調整ぐらいで全然普通に乗れる状態になりました。チェーンの伸びを測ったらほとんど伸びていないので、あまり乗られず放置されていたということがわかります。泥除けはかっこ悪いから速攻取り外し。雨の日には乗りません。
デカデカとしたMINIのロゴがかっこ悪いのでDahonのロゴをレーザーカットして貼り付けました。Dahonの工場で作ったんだから良いよな?これを騙して人に売りつけようというわけでもないし。
レボシフトが気に入らないのですが、今はパーツ不足でシマノの8速ラピッドシフターが手に入らないからしばらくレボシフトで我慢。
これこそが私の乗る自転車だということで、徐々に手を加えていきます。
サドルとグリップは新品交換。
折りたたみ自転車にはハンドルがクイックすぎるという構造的問題があるのですが、ステムエクステンダーでハンドル位置を50mmほど伸ばしたらハンドル操作がとても良くなりました。ただ折りたたみ時にきちんと畳めなくなるという問題もトレードオフで出てきますが、そっちの方を我慢します。

グリップは革巻き。ノグチグリップの形状を2次元展開して型紙作ってケブラー糸で縫製。
グリップを革巻すると一気に高級感が出るのは不思議ですね。
ちなみにまだこの自転車に名前はつけていない。