2017年1月31日火曜日

レーザー加工機が2台壊れてオーダー休止

昨日、何と予備機のレーザーも逝かれて、何とかつなぎの機械を手配しておりますが、まあこれが無いことには何ともならないので、一旦オーダーを休止しております。

たぶん一週間はかからないと思いますが、しばらくオーダーストップ状態となりますことをご了承いただければ幸いです。ご不便をおかけして申し訳ございません。

2017年1月27日金曜日

従業員の離職と今後の展望

何でこんなに忙しいのかと思ったら、年末に一人の従業員が離職したからでした(笑)

現状、当店は資金的に特に困っていることはなく(全くの無借金)、赤字もとりあえず出したことは無い(今年度もたぶん黒字決算で法人税納税業者)という、相当恵まれた環境にあるのですが、この事業が今後20年続くかどうか?と言われると、事業を運営しているこの私が自信を持って
「10年は何とかなったとしても確実に20年は無理でしょう」
と言わざるを得ません。全般的に言ってカメラ市場はかなりの縮小傾向です。今の状況を見て、10年後にこのカメラ市場が大きくなっているか小さくなっているか、どちらかに100万円賭けましょうか?となったら、私は迷うことなく小さくなっている方に100万円を張りますね。
こうなると事業拡大を考えるとかとんでもない話で、市場縮小に合わせて何とか自分が引退するぐらいまでは上手いこと生き残って利益を確保していこう、という相当な消極的経営です。消極的経営というのは、ぶっちゃけ言って夢がない事業で、身軽でもあるので、私の気が向かなければいつでもやめてしまいかねない、そういう感じのものです。

「事業を辞めてあなたは食って行かれるのか?」
とか心配していただくこともありますけど、そのお気持ちは有難いことですが、そんなことはまったく心配していただく必要はありません。20年もこういう感じで何の組織にも属さず、事業は決して大きくならなかったけど(そもそも未だになぜ会社とか事業規模というものをわざわざ大きくする必要があるのか、さっぱりその意図がわかりませんし)、小さな利益は手堅く確保してきて、無借金。無駄な見栄を張るのが嫌いで、清貧を理想としている、大体どんな人間かわかると思います。親しい人は「これで食いっぱぐれたら奇跡だ」と評される、まあそんな感じです。あなたはおそらく私よりも才覚のある人でしょうけど、私はあなたが考えるよりもずっと甘くない人間である可能性はかなり高いです。退路は必ずガッチリ確保して行動するような人間に、何の心配もする必要はありません。自分でこう言ってしまうのは気が引けますけど、大概腹黒い人間なわけです。

ただ気がかりなのは従業員の将来で、まだ私より10歳若いので、彼が引退するまでこの事業が存続していない可能性は、かなり高いです。基本親方一人で回している個人経営みたいな形態は、親方が辞めたら大体そこまでなのです。その時47歳で、さあ次の仕事を探しましょうと言っても、間違いなく上手く行かないです。そこで、高く売れるときに売る、そしてそれはまさに今。このあたりで真剣に彼の将来を考えよう、ということで、やっぱり今後それなりに存続しそうな企業に就職を探してみることにいたしました。

時はまさに求人倍率が高い絶好の時期です。それでも闇雲に探してもなかなか良いところに当たる可能性は低いです。そこで私は考えた、色々な地元企業を財務状況から経営状態など実によく知っている組織というものが、案外知られていないけど身近に存在します。それは何かと申しますと、

税務署と銀行です。
しかし税務署はそんなことを面倒見てくれませんので、選択肢としては銀行になりますね。

ウチのつきあいがある銀行様は信金です。完全地元密着型で、実にあちこちの地元企業をよく知っている。毎月かならず担当している企業に顔を出して、どうですか?なんて話しているのですから当たり前ですよね。景気よさそうな顔をして実は青色吐息だとか、苦しそうな顔をしながら裏では実は左うちわで大笑いだとか、表面では決して見えないところまでよく見えているのが、何を隠そう銀行なのです。
私もたまに銀行の営業マンさんに「こんな感じでウチは大丈夫でしょうか?」なんて聞くことがあるのですが、「全然大丈夫ですから、この際ドカンと大きな借り入れでもしてください」と冷たく言われます。

どこか良い就職口はないですか?なんて聞いてみたら、もう打てば響くように即回答あり。

何と言っても近い。自転車通勤が出来る近い職場希望というウチの従業員にいきなりピッタリだ。こんな近くにしっかりした企業様があったとは知らなかった。大企業に30年もくっついているのでかなり安定しているし、仕事内容も本人に合いそうだ。また銀行さんが「ここはそろそろ財務的にやばい」などというところは決して紹介しません。銀行の情報力というのは、実に驚くべきものがあります。
提示された条件も、この条件なら私が行きたいぐらいだ、という立派なもの。さすが立派な企業はウチなんかとは違います。「どうだ?ここならウチよりも安心だろう?」とウチの従業員に言ったら、まんざらでもなさそうです。探してはじめてから2回の面接して決まるまでのこの間、何とたったの2週間。打ってみたら見事に響いた大きな銅鑼、そんな気分です。


※他人様のビデオです。

とんとん拍子で決まって、昨年末円満退社となりました。

就職を探すなら、一度つきあいのある銀行さんに相談してみよ。就職情報誌よりも遙かに頼りになりますよと、そういう話でした。

10年先の暗い市場を今から見越して、早々と手を打つ。ちょっと早すぎないか?と思われるかもしれませんが、世の中を見てみると、決断が早すぎて失敗するよりも、決断が遅すぎて失敗するケースの方が遙かに多いというのが現実ではあります。

2017年1月26日木曜日

機械の故障は突然やってくる

当店で毎日ひっきりなしに使う機械として小型のレーザー加工機というものがあります。
昨日突然レーザーが発振しなくなりました。突然です。



これが無いと仕事がまったく前に進まないので、とりあえずレーザー管の交換をしたのですが、新品のレーザー発振管でもパワーが出ないです。トランスかどこかがおかしいのだろうと言うことで、この機械を使うのはとりあえず諦めます。私が初めてレーザー加工機を買った6,7年前は100万円では買えないものでしたが、今は安いものですから、もう壊れたら直すよりも捨てて新しいものを買った方が早いですし、ゴチャゴチャ時間をかけて直すよりも買った方が結果的に安上がりです。レーザー加工機が使い捨てになる時代が来るとは思いもしませんでした。何だかんだで、この6,7年の間に、5台買って4台が壊れたわけです。
もう一台のレーザー加工機はあるのですが、これに付いているレーザー発振管は80wという、ウチで革を切ったりモルトをカットしたりするには少々パワーが大きいもので、上手く切れないのです(壊れたものは40w)。レーザー発振管は大は小を兼ねるということはなく、パワーが大きいと、レーザーの光束が太くてカット幅が太くなってしまうと言う困った問題があります。ウチの使用目的だと大体30wから40wぐらいがちょうど良いパワーなのです。これが10wとか15wみたく小さすぎるとカットに時間がかかって仕事が進まないというものです。

今日は80wの発振管を取り外し、40wに付け替えるという、面倒くさい作業をする羽目になったのでした。

予備の機械が無いとマズいと言うことで、2台早速エアカーゴに乗せて送ってくれとセラーに連絡を取ったら、今、中華圏は春節で社会が動いていないというね、何とも歯車がかみ合わない、そんな感じです。
暇な時期なら良いですけど、こういう時に限って、ご注文は怒濤の勢いで入ってくる、という皮肉な状態です。



80wのレーザー管と40wのものでは管の太さが違うので、そのまま据え付けても合わないのです。
仕方がないので、嵩上げしてやります。



手近にある2x4材に穴を開けて嵩上げしてやるのですが、こうなると固定のネジの長さが2x4の厚み分足りないわけです。ネジがないのでホームセンターに走って買ってくる。



何とか固定するカラーをつけた。



ヤレヤレと思ったら、どうやら10mmぐらい据え付ける位置が高いようだ。

10mmぐらい薄い板を探してきて、また穴を開けてやり直し、という涙ぐましい努力をしながら一日が過ぎ去るわけです。

一日に3回もホームセンターに行きました。経理をやるときに領収書のチェックしますが、「どうして一日に何度もホームセンターでちょこちょこ小さなものを買っているのだろうか?一度で用事は済ませられなかったのだろうか?どうしてこう要領が悪いのだろうか」とか思ったりしますけど、このように何度も行かなければならない切羽詰まった状態だったというわけです。




2017年1月24日火曜日

Nikon J5用グリップ 完成

あまり途中経過は載せられませんでしたが、完成いたしました。





毎度のごとく、オリジナルのグリップ形状をトレースして、新たなグリップを盛っていき、グリップ感が良いように形状を整えていったらこうなった、という所謂「エルゴノミック デザイン」(笑)でございます。



オリジナルのグリップから14mmほど盛ってあります。グリップ感はかなり良くなります。



バッテリードアもまったく問題無く開きます。



サイドもオリジナルの貼り革形状に沿って形を作ってあります。



フロントのファンクションボタン回りは、あまりピタッとやるとプリントのコンディションで合わないだとか面倒な事になりかねませんので、多少余裕を持たせてあります。指が小さくなければ薬指でファンクションボタンが押せます。



ちょっとわかりにくい画像ですが、上の緑線の部分はくびれになっています。中指が当たる部分は多少凹んでいた方が心地よいですし、何と言ってもこういうカーブは視覚的に魅惑的な効果があるわけです。



そして、形状もオリジナルのグリップ位置を踏襲しております。
「こんなの適当に作ったんだろう?」とか思われるのが癪ですので、まあ本意ではありませんが、こうやって小理屈を述べておきます。



2017年1月21日土曜日

Nikon J5用グリップの試作 続き

昨日の投稿 Nikon J5用グリップの試作 の続きです。



途中何個かの経過はすっ飛ばして、現在8個目のプリントです。









グリップの良さを追求すると結局それなりに大きくなります。
J5は基本的にレンズをつけたまま使うでしょうから、多少前に張り出しても良いのではないかと思いますので、基本形状はこんな感じで行きます。



大概一発で決まらないのが、この革を貼る部分で、この部分の形状を修正して現在9個目をプリント中です。



さて仕事場のBGMですが、しばらくAmazonプライムラジオを流していたのですが、結局曲数が多くないので飽きるのです。やっぱり何万という放送局があるインターネットラジオが良いのですが、これもブラウザとかでやるのも結構面倒です。そこで、インターネット・ミュージック・レシーバーというのをAmazonでポチってきました。9800円は結構高いものだなぁ、と思ったらやっぱりAliexpressで送料込み50ドルぐらいで売ってるんですね。今回は待つのが嫌なのでAmazonで買いました。
Wifiでつないで、PC不要というのは非常に便利です。飽きれば違う局を選択すれば、しばらくは気にならないというのがなかなかゴキゲンです。



ただこのインターネット・ミュージック・レシーバーはアンプとかスピーカーが付いているわけではないので、それは何とかしないといけません。ウチはPCの音と共用したいのでべーリンガーの安いミキサーにつないで何とかしております。アンプは鎌Bayアンプというこれは10年以上前のものではないだろうか、スピーカーも10年以上前にDIYしたというそんなチープな環境です。





2017年1月20日金曜日

Nikon J5用グリップの試作

EM5IIグリップが終わったところで休む暇もなくNikon J5のグリップ試作をやっていきます。



工程は同じで、まずオリジナルのグリップ形状のトレースから始めます。



ほぼピッタリですね。
大体作り方のパターンが決まってきたので、段々と効率が良くなり、元々時間がかかるモデリングも早くなりますが、同じパターンでものを作っていると、同じようなものが出来上がります。よく言えば統一性があり、悪く言えばどれも似たり寄ったりの金太郎飴を切ったもののようになる、という感じです。



オリジナルのグリップカーブに干渉しないように、新しいグリップの輪郭を決めていきます。



そして骨組みの線を元に面を貼る。



2次元の画像から無理矢理3次元形状を作るという、ある意味涙ぐましい努力の図です。


2017年1月19日木曜日

OM-D E-M5II カスタムグリップ サンプル写真 販売

木曜日は基本的に当店は定休ですが、仕事が押してますので、販売をするためのサンプル写真を撮って参ります。



ネイビーブルーリザード

形状としてなかなか収まりが良いものが出来たと思います。グリップ性も結構大型ですのでオリジナルと比べてかなりよろしくなります。そして威風堂々とした外観。



滑り止めのレザー形状も精悍なイメージで、実際に滑り止め効果も高く、グリップしたときの中指と薬指先の感触も心地良いという、外観と実用を兼ね備えた素晴らしいものだと、自分で言ってしまいます。



そして、ぜひご注目をいただきたいのが、上の画像にあるカーブで、オリジナルのグリップカーブに沿って違和感なく美しいカーブで造形をしてあるというところです。



そして、フロント側も当然オリジナルのグリップラインに沿って形状を作ってあります。
適当に新しいグリップ形状を盛っているのではなく、こういうところまでわざわざ凝って、いちいち芸が細かいです。私というのは何という抜け目のない人間だろうと自分で感心してしまいますが、何の事はありません。モデリング時には全然気にしていませんでしたけど、出来上がってサンプル写真を撮ってから、こうなっていたことに気づいただけです。オリジナルのグリップをトレースした線を元にモデリングをしているので、当たり前と言えば当たり前なんですけどね。



"NURBSモデリングでしか出来ない"とは言いませんけど、すべての曲線に連続性があって破綻がない3Dモデリングで、しかもどこかのデザイナーにモデリングさせたというのではなく、この俺様がこれをモデリングをしだのですよ、どうだ参ったか?ライノを買ってきたとしてもすぐにこういうことは出来るものではないよ?と、小理屈を散々述べ続けていると、「読者はラリホーの呪文で眠ってしまった」となってしまうかも知れませんので、今日は写真を撮ったら都度ここに載せていきます。



レッドリザード



ブラックリザード



オーカーリザード



4008



4040



ベージュリザード



ブラックシュリンク



ネイビーブルーシュリンク



ライトグリーンリザード

ショップページにリストをいたしました。
こちらのページhttp://aki-asahi.shop-pro.jp/?pid=112419064)からご購入いただけます。
2500円税送料込み。




2017年1月17日火曜日

OM-D E-M5 Mark II グリップの試作 続き その3

昨日の続きです。



25個目です。そろそろ完成に近づいて参りました。



大型化しますが実にグリップしやすい形状になりました。
自分で言うのも何ですが、これは出来が良いです。会心の一作です。



オリジナルのグリップの上に貼りつけますが、苦労した甲斐があってピタッと貼り付きます。



OM-Dでこれぐらいなら許容範囲ではないでしょうか。何と言っても威風堂々です。



気になる部分は革を貼る箇所の形状です。ダラッとした印象ですので、もう少しシャープな形状にしたいところです。



この部分を形状変更してやります。
グリップ部分のアイソカーブをそのまま使っているので、こういう形状になったわけで、曲線としては破綻がありませんが、革を貼る部分の形状としてはシャープさに欠けると、そういうわけです。



制御点ON。



この輪郭なら多少シャープな雰囲気になるのではないかな。
何にしろやってみないことにはわかりません。



先ほどの輪郭線と比べると細身になってます。



オフセットしたサーフェスを輪郭に合わせてトリムして革の厚み分の段差をつけてやります。
段差があるから革を貼っても剥がれないと、そういうわけですね。



段差に壁を作って埋める。



どうかな?これでもまだイマイチかな。一度プリントしてみます。



凹ませた部分に合わせて革を貼ってやります。



だいぶ収まりがよくなり、精悍さがアップしました。
まだ詰めればもっと良くなる気がしますが、今回はこれで勘弁しておいてください。

グリップのモデリングも回を重ねるごとに、ちょっとずつモデリングが上手くなっているのを実感します。自由自在にRhinoを使い倒すレベルにはまだまだ全然至ってませんけど、使えば使うほどRhinoのNURBSモデリングというものの素晴らしさがよくわかります。
Rhinoceros万歳、NURBSモデリング万歳です。