2018年5月28日月曜日

Minolta Autocord メーター付き

ずいぶんと長い間、というかこの10年ぐらい、種類を把握できない二眼レフカメラが Minolta Autocordです。
貼り替えた台数は結構あると思いますが、一体どれだけの種類があるのかさっぱりわかりません。今回はメーター付きタイプの貼替え依頼が入ってきました。



貼り替えたあとの写真です。
メーター付きは二種類(もっとかもしれません)あるようです。



私が把握できたというか、採寸データ取りをしたのがこの二種類。
フロントのフラッシュバルブレバーのありなしで、この部分だけ違って残りの箇所のデータは同じかと思ったら、実は違った。



こんなのパッと見だと同じだろう?と思いますが、実際貼ってみたらメーターの位置が2mmぐらい違うんです。大概嫌になります。どうして同じにしておかないのだろうか?設計思想がわかりません。わざわざ別の金型を作るのも金がかかるし大変だろうと思うのですが、それはそれぞれの事情があったのでしょう。
ちなみにフロントの革も結構違いますので、採寸のし直しになりました。

人気のあるカメラなので、革をさっさと売りたいのですが、一体どれだけの種類があるのやら、さっぱりわかりませんので、未だにフロント、両サイド、トップ、背面の写真を送ってもらって、多分これが合うのではないか、という感じで販売して、合わないようだったら実機を送ってもらって、その部分を採寸し直すというかなり面倒な事をやっております。

Autocordの革は販売はしておりますが、こんな感じで合うかどうか実に微妙ですので、フロント、両サイド、トップ、背面の写真を送っていただいて判断をしております。
これは、あまり言いたくないのですが、フロント、両サイド、トップ、背面の写真を撮ってお送りいただくと、半分ぐらいはピントが合ってない、露出があってない、解像度が低い、見たい部分が隠れている、Photoshopで開けない画像フォーマットが送られてくる、などなど非常に判別しづらいもので大変な苦労をします。
Autocordは良いカメラなのでしょうけど、私の立場で言うと、後々に革の貼替えをするということは全く考えていないという、設計思想にちょっと問題があるカメラとしか言いようがない気がします。

2018年5月16日水曜日

Ikoflexの貼替え

当店の場合は、大体11月からGWまでぐらいの時期が繁忙期で、暖かい気候の間は割と暇というのが毎年のパターンです。これはおそらく寒い時期は外出をしないので、通販をやる時間と経済的な余裕が多い、というのが理由なのではないか?と想像しております。
しかし今年の繁忙期は忙しかった。2月に依頼された仕事がまだ終わっていない、そんなのばかりです。
GWがあけて割と余裕が出来てきましたので、手を付けていきます。



まずはこのカメラ、Ikoflexです。たいそう古いカメラということもあり、かなり気合が入っております。オーナー様には失礼なことを言ってしまいますが、要はサビサビでボロボロです。これでも革を新品に貼り替えて、塗装を多少直せばかなり見栄えがするものに生まれ変わります。
2月に持ち込まれて、5月になってもまだ怒らないという心に余裕があるお客様ばかりです。実は去年持ち込まれてまだやっていないという仕事もあります。現実問題として人手が足りないというのは大変なのです。人を増やせばいい、というご意見もあるかと思いますが、今どきは大企業でさえ、人件費及びそれに伴う社会保険と厚生年金の負担(企業負担50%)に嫌気が差し始めているのですね。



さて途中経過はぶっ飛ばして、貼り替え終わりました。採寸時間は10時間ぐらいではないでしょうか。おそらく80%ぐらいの方が、カメラ革の採寸など1台1時間ぐらいでできる仕事だと勘違いされていますが、二眼レフぐらいになると採寸は一日仕事です。やっていることは、カメラ貼り革の図を描いて、カットして、合わない部分の線を直して、カットしてという、誰でも考えつく、そして誰もがやる同じ方法を延々延々と繰り返します。うちの場合は、図を描くのが定規やコンパスではなくCADで、カットするのがナイフではなくレーザーだというだけの違いです。
1日かかる仕事ですので、1000円追加すればやってもらえるとか、そういうことは考えないでいただきたいのです。お願いします。

塗装もきれいにやれば見違えるようになるでしょうが、うちの仕事は革の貼替えだけですので、ここまでです。



Ikoflexにどれだけのタイプ違いがあるのかはわかりませんし、調べる気もありませんが、このタイプでしたら販売いたします。

http://aki-asahi.shop-pro.jp/?pid=131543034

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