2018年5月16日水曜日

Ikoflexの貼替え

当店の場合は、大体11月からGWまでぐらいの時期が繁忙期で、暖かい気候の間は割と暇というのが毎年のパターンです。これはおそらく寒い時期は外出をしないので、通販をやる時間と経済的な余裕が多い、というのが理由なのではないか?と想像しております。
しかし今年の繁忙期は忙しかった。2月に依頼された仕事がまだ終わっていない、そんなのばかりです。
GWがあけて割と余裕が出来てきましたので、手を付けていきます。



まずはこのカメラ、Ikoflexです。たいそう古いカメラということもあり、かなり気合が入っております。オーナー様には失礼なことを言ってしまいますが、要はサビサビでボロボロです。これでも革を新品に貼り替えて、塗装を多少直せばかなり見栄えがするものに生まれ変わります。
2月に持ち込まれて、5月になってもまだ怒らないという心に余裕があるお客様ばかりです。実は去年持ち込まれてまだやっていないという仕事もあります。現実問題として人手が足りないというのは大変なのです。人を増やせばいい、というご意見もあるかと思いますが、今どきは大企業でさえ、人件費及びそれに伴う社会保険と厚生年金の負担(企業負担50%)に嫌気が差し始めているのですね。



さて途中経過はぶっ飛ばして、貼り替え終わりました。採寸時間は10時間ぐらいではないでしょうか。おそらく80%ぐらいの方が、カメラ革の採寸など1台1時間ぐらいでできる仕事だと勘違いされていますが、二眼レフぐらいになると採寸は一日仕事です。やっていることは、カメラ貼り革の図を描いて、カットして、合わない部分の線を直して、カットしてという、誰でも考えつく、そして誰もがやる同じ方法を延々延々と繰り返します。うちの場合は、図を描くのが定規やコンパスではなくCADで、カットするのがナイフではなくレーザーだというだけの違いです。
1日かかる仕事ですので、1000円追加すればやってもらえるとか、そういうことは考えないでいただきたいのです。お願いします。

塗装もきれいにやれば見違えるようになるでしょうが、うちの仕事は革の貼替えだけですので、ここまでです。



Ikoflexにどれだけのタイプ違いがあるのかはわかりませんし、調べる気もありませんが、このタイプでしたら販売いたします。

http://aki-asahi.shop-pro.jp/?pid=131543034

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