4040や4008の生産が終わり、製造元がシボローラーというかエンボスローラー(いわゆる原版)を処分するというので、処分するぐらいなら売ってくださいとお願いして、4040 4008 4044の3本を入手しました。
4044というのは、なかなか価値のあるもので、ライカM6とかPentax LXの純正エンボスです。Pentax LXはシボの並びを横(もしくは縦)方向にカット、M6はシボを斜め方向にカットします。
ちなみにあまり関係のない話なのですが、ライカ社はシボ革の縮み防止のために4044の革をオーブンに入れて80度だったか忘れましたが結構な高温で、8時間ぐらい焼いていたそうです。これはライカの工場を見学した某カメラ雑誌の記者さんライカ社の人からそう説明されたという話ですので間違いないです。しかし、かなりお門違いの事をやっている気がします。だってライカM6でライカ社が使っている両面テープが溶剤系のもので、革の材料がPVCなので何をやろうが縮むと思います。最初から無溶剤系のものを使えばそういう余計な手間を掛けなくても普通縮まないです。
これが4008の原版。
これさえ持っていればすぐに再生産ができるとか、そういう甘い話ではないです。生産プロセスを聞いたら5箇所ぐらいの工場で工程を分業して作るので、そうそう簡単に再生産はできるものではありません。ただこういうものは処分してしまったらおしまいで、同じものは作れない、もしくは作れたとしても1本数百万円かかるようなものです。
シボ革の再生産もかなり難しいですが、お金さえ集めればできない話ではない、まあそういう可能性だけはここに残した、そういう事になりました。