2017年2月13日月曜日

シャッターリボン



35mmの横走りフォーカルプレン シャッター用のリボンというのを当店で売っておりますが、最近気づいたらもうなくなってました。

このリボンですが、どこで仕入れられますか?とか質問がたまにありますが(というか普通教えないと思いますよ。まあそれは良しとして)、

「どこで仕入れられるのかなんて、こっちが聞きてえよ」

こういうのは手に入りません。では、どうやって入手してくるのか?というと、ぶっちゃけ教えてしまいますと特注しているのです。ライカのシャッター幕に付いているリボンを持っていって、「似たようなものを作ってくれ」とお願いするのです。

一回5000m作りますが、作る方としては「たったの5000メーターですか?」という感じで、あからさまに嫌な顔をされます。こういうリボンというのは大体10万mとかそういう単位らしく、リボンを織る機械を一瞬回しただけで終わってしまうような、ほとんどボランティアでやってやるぐらいのもののようです。私もそういう事を良く理解しておりますので、頭下げて下げて下げまくって、何とか5000メーターぐらいでお願いします、と無理を言って作ってもらっております。こっちが仕事を頼んでやってる、なんて態度をしたものなら、絶対に作ってもらうことは無理でしょう。「そこまでお願いされるならやっても良いよ?」ぐらいのショボい量なのです。

前回作ったのが5年程前ですから、一年間に1000mぐらいしか売れないわけです。2mで売ってますので、500セットでしょうか。まあ案外売れていると言えば、売れているのですよね。ただ10万メーターも作ったら絶対に一生使い切れない量になってしまうので、やっぱり5000mで作ってもらうしかないです。

3mm幅で作ってもらってますけど、4mmのを作ってくださいとかリクエストがありますが、作っても捌き切れんって。全部責任持って買ってくれるなら作りますけど、でもどう考えても5000mも要らないですよね。だいたい、よく考えたら5000mって5kmですよ、なかなか歩くのも大変な距離です。

そして、まともにオーダーする最低ロットの10万メーターとなると、何と100kmだ。10kmの間違いではないかと何度も確認したけど、10万メートルは100km。高速道路を法定速度で走っても、、、おいおい、1時間もかかるぞ?ほとんど気が遠くなってくる世界です。世界中に残っている横走りフォーカルプレンシャッターを修理する勢いでないと捌ききるのは不可能でしょう。

なかなか仕入れというのは難しいものだと、まあそういうものです。