2018年2月9日金曜日

ヒュミドール&タンパー そしてクレイパイプ試作

今のところ、十分この仕事でも食えておりますが、いつまでもカメラの貼り革を作って食え続けるわけではない、というのが私の基本的な考えです。カメラとは別のものでも収益を得ていかないと10年後は困ったことになりかねないわけですね。
今回試作したものはこれだ。


何だこれ?チェスの駒が劣化したような雰囲気のブツですけど、これはパイプタバコで使うタンパーです。


パイプタバコをやらない人は全く必要のないものですが、パイプを吸っているとタバコの葉っぱが燃えてパイプの中で葉っぱがスカスカしてくるので、それを押さえつけて葉っぱを詰めてやるというものです。

一応、タンパー面の反対側は剣先状になっているので、パイプに付着したタバコの葉っぱを掻き出すことも出来ます。

素材は素焼きの陶器。勘の良い人は素焼きというところで気づいたかもしれませんが、実はヒュミドールになる。ヒュミドールって、まあつまりタバコの葉っぱの保湿をするものです。タバコの葉っぱは乾燥すると味が辛くなるのです。


こんな感じで水に浸けておいて


葉っぱの中に入れて乾燥を防ぐ、これがヒュミドール。紙巻きしかやらない方はまず知らないというアイテムですが、パックとか缶でタバコの葉っぱを買う人には必要なものです。ノンスモーカーの健全な方々にとっては、そもそも知る必要さえもないアイテムではあります。

つまりタンパーになるヒュミドール。1個2役という大変なスグレモノなのです。

こんなものをどこから仕入れてきた?と思われるかもしれませんが、俺が粘土型をモデリングして、陶土を焼いて作ったんだよ。


これは極めて狭い市場向けのものだが、確実に商品になる、と踏んだ。

素焼きをやるなら、当然タンパーだけではなくパイプも、となる。おそらく現状、日本ではクレーパイプを作っているところはない、だったら俺がやってやる。クレーパイプ(Clay Pipe)は水分の吸収が半端ではなく、ドライスモーキングが可能だけど、問題は粘土の味がしてあまり人気がないというところです。しかしこのタバコの葉っぱというのは、燃やす前はある程度の湿度が必要で、燃えた後の煙は乾燥しているのが理想という、なかなか面倒なものですなぁ。


俺製クレーパイプ試作1号。


チャンバー径約14mm、チャンバー深さ約26mm。1.3g~1.5gのタバコが入ります。紙巻き換算で2本弱ではないでしょうか。


ステムも陶器でやるとあまりパッとしませんが、竹継ぎしてやると結構見栄えがします。
クレーパイプは粘土の味がして不味いと言われますが、私が焼いたこのクレーパイプを実際に吸っても、特に粘土の味はしないけど、、、。西洋のクレーパイプとは土が違うのかな?白は信楽で赤は瀬戸の土だけど。まあ焼き物の世界は奥が深いでね。私のような素人にはさっぱりわかりません。

というわけで、クレーのタンパーとパイプは一度知り合いに配ってしばらく実際に使ってもらうことにいたします。