2023年12月26日火曜日

製麺機

 パスタでも練ってみようかとパスタマシンを探して色々調べていたところ、パスタマシンよりも製麺機というのがいろんな麺が作れて面白いということが書いてあって、製麺機というのも熱い世界らしいということがわかりました。パスタマシンと何が違うかというと、製麺機は鋳鉄製の頑強な構造なのでパスタマシンだと壊れてしまう低加水麺(硬い)を練ることができる、ということだそうだ。

せっかくだから一台探してみようと、某所で送料込み5400円で買ってきました。


製麺機というのは、戦後すぐの食糧難時代に作られたものが多いようです。
これも何年製というのはわかりませんが、古いものの雰囲気がプンプンしています。
しかもボディは鋳物で機械のメカメカしさが男の心に熱いものを訴える。製麺機を何台も蒐集するマニアが居るのもうなずけます。基本的に男は歯車を見ると黙っていられないものなのです。


製麺機の世界では小野式製麺機というのが圧倒的に人気のようで、小野式はネームバリューのおかげなのか価格も高いです。ヤフオクなどで製麺機を調べると小野式が他のものと比べると値段が高めなのがわかると思います。何式なのか名前がわからないものになると、同じ機能の製麺機なのに落札価格がグッと安くなってます。ネームバリュー以外にも品質の違いはあるのかもしれません。
これは杉村式ハート型製麺機というものでマイナーな分、状態を考えると価格は安かったです。小野式製麺機だと完動品12000円~ぐらいではないでしょうか。長く使うなら初期投資が5000円だろうが15000円だろうが充分に元は引けるとは思いますし、リセールバリューを考えたら人気の小野式製麺機を買うというのも悪い選択ではないという気がします。もし小麦100kgも製麺したとしたら、数万円で買ったとしても元を十分引いた気になって初期投資の金額など結局どうでも良くなります。


ハート型という洒落た名前がついています。逆さハートの意匠がわかりますでしょうか?


全バラシをする必要もなさそうなので、一通り掃除して試しに小麦粉を練ってみます。
掃除がてらの製麺なのでこれは食べません。


素人がやってもきちんと麺になっている。驚きです。


かんすいを買ってきて加水率40%ぐらいで中華麺を製麺してみました。実は強力粉で30%の低加水麺にチャレンジをしてはみたのですが、とても素人では麺帯をまとめきれずやりきらなかったです。加水率40%程度でしたら中華麺でもパスタでも時間がかからず簡単にできました。


きちんとラーメンになっています。味も歯ごたえもラーメンです。
素人が作ってもなかなか美味しいものが出来上がっています。

こだわりがなければパスタでもうどんでも中華麺でも業務スーパーの中力粉で充分。薄力強力は面倒なのでいりません。しかもそのお値段なんと1kgで140円ぐらい。これはもしかして日本に存在している中で一番安い炭水化物ではないだろうか?安い米だって1kg300円ぐらいのはずなので、なんとその半額。貧乏人は麦を食えとはよく言ったものです(良い小麦は高いです)。
食料価格高騰で困っているなら、製麺機+業務スーパーの中力粉は一つの解決策になると思います。とは言っても毎日麺を食べるのは無理があります。普通の人は朝食で麺を食べないし、勤め人や学生は昼は家でご飯を食べないので、結果夕食しか麺を食べる機会がないですが、週に3回でもパスタ・ラーメン・うどんをローテーションしたらすぐに嫌になりそうです。


製麺機などは一家に一台あれば十分すぎるのですが、何故かもう一台買ってきてしまいます。
ほとんどジャンク品の田中式製麺機。ハンドルさえついておらずもう錆と小麦カス・埃が固着してボロボロです。こんな汚い機械はなかなか見る機会がありません。産廃に近い気がします。
その分、お値段も驚くべきものがあります。クーポン利用で送料込み1700円くらいです。
とりあえず直らなくて鉄くずとして捨ててしまっても諦められる価格とボロさです。完動品を全バラシして元通りにならないと精神的なショックが大きいので、叩き台としてはこれぐらいが丁度いいです。


苦労しながら全バラシします。シャフトが固着しているのでかなり苦労しました。
もともとシャフトがローラーに圧入されているようで、その上シャフトが錆びているので圧入シャフトを外す道具を持っていない私は叩きまくるしか方法がありません。



もう見事に汚いですが、サビ落として、ワイヤーブラシで汚れを落とし、塗装してなんとかなりました。
困ったことがネジです。小さいマイナスネジが大概固着していて、無理に回すとネジ頭が潰れて何ともなりません。なんとか外したとしても規格が旧JISネジで入手が面倒です。仕方がないのでM5でネジ穴を切り直してステンネジに交換しました。


ハンドルがついていないので自作するしかありません。鉄の平板を曲げて溶接してなんとかそれらしきものになりました。ホームセンターに売っている鉄の平板と鋳鉄の溶接は私のような素人ではできないので一工夫しました。


あの汚らしい製麺機がピカピカの新品同様状態にはなりませんでしたが、まあまあ見られる状態に蘇りました。

最初に買った杉村式製麺機と比べると一回り大きくローラー幅が130mmあり、杉村式の90mmと比べると1.44倍なので製麺が楽そうな感じがします。


〇〇式製麺機の一番の弱点は、麺切ローラーが2mmとか2.2mm固定で他の選択がないことです。ラーメンとパスタは2mmとか2.2mmの中太麺でも別にいいです。でもうどんはなぁ、もうちょっと太いほうが良いです。幅広のパスタとかも作りたいです。

ではどうするか?
結局3mm/6.5mm、2mm/4mm幅の切り刃がついているパスタマシンを買って、麺のカットだけこれでやるという、もう一体何をやっているのだかよくわからない結果になっています。

8mm幅とかのきしめんが作りたければ、これはもう手で麺切りをするしかなさそうです。そうなると麺切り包丁、、、。