2019年12月8日日曜日

提灯の型を作ってみる

 以前、どこだったか忘れましたが岐阜の方の観光地に言った折に、そこは提灯が有名みたいで、作っている姿を見学させていただきました。まあついでに安い提灯の一つも買ってくるのですけどね。
 その提灯工房の方がおっしゃるには、提灯の型がとにかく大切で、火事になっても他のことは後回しにしても、提灯の型だけは真っ先に持って逃げろというぐらいのものだそうです。
 それもそのはず、昔の職人さんが手作りされたものなのです。明治ぐらいの製作だと思います。
 提灯の型はGoogleで調べると出てきます。たとえばここ

https://www.pref.gifu.lg.jp/kyoiku/bunka/bunkazai/17768/yukei-minzoku/gifutyoutin.html

 これを手で切ったり削ったりして作るのは大変だろうなぁと思いました。確かになくしたりしたら困ったことになるでしょう。

 ただ私は、これは3D Cadで設計したら案外簡単にできるのではないだろうか?そしてレーザーカットしたら人間の手を介在させずにできてしまうのでは?と不届きなことを考えてしまったのです。

 というわけで、さあ設計してみよう。


 いきなり大きなものを設計しても失敗したときに馬鹿らしい思いをするので、とりあえず小さくやってみます。100mm径ぐらいのもので試作します。
 直径100mmの球を描き上下を適当にちょっとカットします。


骨組みは螺旋状に巻いていきますので、外側に適当に螺旋を描きます。Helixというコマンドですね。これを球面上に投影すればうまくいくはずなのですが、どういうわけか投影されません。


スッタモンダしながら、球面上に螺旋を投影しました。


 投影した螺旋にパイプコマンドをすればきれいな骨組みが描ける、と思いましたが、何故かこれがうまく行かないです。パイプの太さがグチャクチャのパイプにしかならない。
 またスッタモンダしながらきれいな骨組みを描いたのでした。


とりあえず骨組みを支える枠は6個でいいんじゃないかなということで、6本の枠を描く。


これが骨組みの通り道というかこの切り欠きに合わせて骨組みを巻いていくわけですね。


提灯の型らしくなりました。


これを2Dに落とし込む。数字は絶対に必要です。適当に合わせても骨組みがきれいに螺旋を描いてくれません。


それをレーザーカットして組み立てると、こうなった。これでいいのかなぁ。
骨組みの竹ひごみたいなのがないので、3Dプリンターのフィラメントを使ってみようか?
表面に貼る和紙もないから、英字新聞にしてみようか?

それはまた今度ということで。とりあえずウチにある提灯と構造を比べて、ダメ出ししてみます。

それにしてもだ、3D CADでやれば割と簡単。2時間かかっていないと思います。がしかし、3D CADのない時代、筆と紙で一体どうやって設計したのでしょうねえ。大変なご苦労があったと思います。



家に帰って、実際の提灯と比べてみましたところ、大きさはまあこれで良いとして、骨組みの螺旋がもっとずーっと細かったです。設計手直しですね。