2017年5月31日水曜日

日本国籍再所得 印鑑

うちの配偶者はもともと生まれも育ちも日本で日本人なんですけど、長い間バリ島で暮らすうちに日本国籍を喪失してインドネシア国籍になっており、日本に戻ってきたのを期に日本国籍を申請しました。正直、国籍と言うのは非常に重要で、普段日本国籍を持っておられる方は全く気づかないでしょうけど、日本国籍というのは萬金の価値といっても差し支えありません。基本的人権、財産権、法の前の平等、言論の自由という原則を守ってもらえて、徴兵もないという社会が当たり前ぐらいに思っていますが、そんなものはこの世界の一部だけの国のことで、そうじゃない社会の方が世界では実は当たり前なのです。「基本的人権、財産権、法の前の平等、そんなのクソ食らえだし、男は一定の年令になったら兵役について年季奉公してもらうし、政府の批判なんかしたらいつの間にかいなくなってしまう」それが世界のデファクトスタンダードです。

申請してから2年近くかかったのではないでしょうか。ようやく国籍がもらえる事になり、そうなるといろいろな手続で印鑑が必要になります。印鑑を使っているのは、今時日本だけではないのかと思いますけど、これがサインとかでもなかなか面倒なのですよ、サインなどだんだん変わってきますので、外国の書類とかにサインするときには「登録されているサインと違う」と言われて、毎度毎度嫌な思いをさせられます。

そこで実印が三文判ではよろしくありませんので、せっかくだから印鑑を作ろう、ということで、毎度の事ですがDIYします。

篆書体のフリーフォントを拾ってきて、中村之印と並べるわけですが、



なんと、「之」の字がこのフリーフォントには入ってない。うーん、わざわざフォントを買うのも馬鹿らしいので、ひらがなの「の」で我慢します。
フォントもそのままではいかにも「ありきたりのフォントを使いました」という感じでかっこ悪いので、制御点をリビルドして書体を崩します。



どうでもいいことでしょうけど、ちょっと芸が細かいね。



太さなどを見ながらレーザーで黒檀の板に刻印していきます。



まあこんなもんでええだろう。



持ち手の部分をモデリングします。



下は四角形で上は球状をきれいにつなげるモデリングをするわけですが、「立方体と球を描いてつなげるのは素人のモデリングだろう」という、割とどうでもいいことにこだわり、シングルサーフェスモデリングで描いてしまいます。シングルサーフェスだから制御点が出るわけですなぁ。



ゼブラで見ると、曲面に破綻がないのがわかります。大変よろしい。



早速3Dプリント。



1時間ぐらいでプリントが終わりました。



キャップも忘れずに作って、表面を磨いて出来上がりですだ。
DIY感丸出しですが、世界で一つの印鑑が出来上がったのでした。